真夜中の暗殺者
更新が相当遅くなってしまい、すみませんでした!
「ライトスラッシャー!!」
おもいっきり叫んだ俺の声に応えるように、右手に持った片手剣『シュナイデンライト』が光を纏う。その勢いを殺さぬようにそのまま敵モンスターに向かってスキルを打ち出す。
シュナイデンライト専用スキル『ライトスラッシャー』、狙いを定めた相手に閃光の一撃を加えるスピードスキル。狙われていると気づいたモンスターが回避行動をとろうとする。だがその寸前、光をも貫く閃光が、モンスターの中心目掛けて貫通した。一撃で倒されたモンスターが、断末魔の悲鳴を上げながらポリゴンの欠片となって消えていく。そのポリゴンの光さえ飲み込もうとする閃光の剣をしまいながら、俺は『ソードバレット』というスキルが取れるというイベントの森、『リーフケイブ』に足を踏み入れた。目指す目的地は、この森の奥にある師匠の家。この世界の至るところにある師匠の家では、俺のようにスキルメモを持っていけば、そのスキルを教えてくれる。だが、スキルメモによって行かなければならない師匠の家の場所は変わるし、その師匠の家は大抵見つかりにくいところにあるのだ。一日二日で見つかるとは到底思えなかった。
一時間後、もうそろそろ日が暮れそうになってきた。俺の(ゲームでの)経験上、夜になるとモンスターが活性化したり、圧倒的な強さを持つボスモンスターが出現するはずだ。この世界ではどうか知らないが、まあ多分同じだろう。
なので俺は、早めに野宿出来そうな場所を探すことにした。さすがに地べたで寝ていたら夜に出てくるモンスターに殺されるだろう。どこかいい場所はないだろうか。
そう思っていると、森の木々に隠れた、小さな小屋を見つけた。
スキルには大きく分けて三つの取得方法がある。一つ目は俺か今やろうとしている、師匠などのNPCにクエストで教えてもらうもの。これは攻撃用や防御用などの戦闘用のスキルが多い。
二つ目は、三番目のボスを倒した後に行くことのできる場所にある『スキルメーカー』という機械に、自分の思い描くスキルを何回も打ち続けるというもの。時間と根気がないと出来ないが、自分好みのスキルを作り出すことができる。作ったスキルは他人に継承させることが可能で、強いスキルは高値で取引されることがあった。
三つ目は、レベルアップで得られるポイントでスキルを獲得するというもの。投擲や暗視など、副攻撃用や非戦闘用が多い。(俺がやっていたゲームでの話なので、この世界で全く同じかはわからないが、大体こんな感じだろう)
俺は見つけた小屋に向かって、レベルアップのポイントで得られるスキル、『探索スキル』を発動させた。このスキルは、目に見えない隠れた敵やアイテム、プレイヤーなどが見えるようになるというものだ。(超便利)
モンスターやプレイヤーがいれば反応するが、何も反応がない。この小屋にモンスターが潜んでいることはない。そう判断して、その小屋に足を踏み入れた。
小屋の中は、外から見たときより綺麗で、普通に生活していけそうなぐらいの装備が整っていた。ここを拠点としてこの辺りを探索するというのもありだろう。
そんなことを考えていると、腹が減っていたことに気がついた。よし、まずは飯を食おう。そう思って、俺は夕食作りに取り掛かった。鞄の容量上、あまり食材アイテムを持っていないので簡単なものしか作れないが、まあ何とかなるだろう。アイテムを具現化し、缶詰の蓋を開けていく。今日の夕食は鯖缶パスタだ。
「ふう……」
夕食を終え、デザートに缶詰のみかんを食べながら、俺はもう一度、その新スキルを確認することにした。
スキル名『ソードバレット』、使用武器は間違いなく片手剣と拳銃になっている。だが、今の装備メニューには片手剣のスロットしかなく、盾は装備出来るが、拳銃を装備しようとしても出来ないようになっている。一体どうやって装備するのだろう……
そんなことを考えていると、突然、俺の頭の中に、探索スキルの警告音が鳴り響いた。
「……っつ!」
何が起きたのか状況判断する前に、背後から投擲用短剣『クナイ』が飛んできた。回避スキルが間に合わず反射神経だけで回避するが、しきれず、クナイの刃が肩を浅く切り裂いた。
「……っつ、何だ、体が……っ!」
そのまま小屋の床に倒れ込む。一体何が……その答えは視界の左上に表示された、俺のHPゲージが示していた。HPゲージの上に小さく黄色に点滅するアイコンが表示されている。黄い稲妻のアイコン、状態異常『麻痺』だ。あのクナイに麻痺毒が塗られていたのだろう。こんな仕込み技を使うのは、あの職業しかない。
「すみません、このような真似をしてしまいまして。ですが……」
ぎりぎり動かせる頭を、声のする方へ向ける。穴の開いた天井から月明かりが差し込み、そこにいた『影』をぼんやりと照らす。
「これが私の仕事なので、ご了承ください」
職業、『暗殺者』、その中の一つ、スピード重視の『忍者』。漆黒の黒髪に、黒く輝く忍び装束を纏った少女が、黒い短剣を握りしめてそこに立っていた。どこか精神が壊れたような瞳は、まるで人間味を感じさせなかった。そして、その中に何かの感情が隠されているようだった。
「それでは、あなたの命を頂戴します」
久々に更新することが出来ました。
出来るときにできるだけはやく更新するようにするので、これからもよろしくお願いします。




