ガチ辛
6章257話になります!
本日2回目の投稿です!!
それではどうぞ!!
「ごふっ...!?」
初めて食べる料理に対して、一切の警戒をしないリーシャは、唐辛子の入ったピリ辛ソースだと思われるソースが掛けられた肉を口の中に放り込んだ。
だがその瞬間、彼女の口の中に入った肉が宙に舞い、地面に落ちる。
「ごふっ、ごふっ、げふぉっ!?」
「リーシャッ!?」
クジラは驚きながら、凄い勢いでむせるリーシャの背中をさすった。
「けほ...、ありがとクジラ。これ、ピリ辛じゃなかった...」
リーシャは、目に涙を溜めながら肉の感想を語り始める。
「えぇっと、何辛?」
ピリ辛では無かったと語るリーシャに、一体どのような辛さなのかと、クジラは尋ねた。
「うーんと...、ガチ辛?」
「ごめん、基準がわかんないや」
リーシャは多少の間を空けて、この肉の辛さを言葉で説明しようとするが、イマイチ伝わらなかったようだ。クジラは苦笑いしながらわからないと返答する。
「それじゃあ食べてみなよ!辛いけど、ソースの味は普通に美味しいと思うよ?私の指まで食べないでね?あーん...」
リーシャは、百聞は一見に如かずと言わんばかりに食べてみろと告げ、クジラの口に肉を運ぶ。
ちなみに箸は無い為、手づかみだ。
「あーん...、っ!?もぐもぐ...」
ゴクンッ
咀嚼を始めて5秒ほどすると、彼の喉から肉を飲み込んだ音が鳴る。
「...どうだった?」
リーシャは、肉の感想を恐る恐る聞いた。
「やばい、これかなり辛いけど、美味しいや」
どうやら、この肉料理は絶品らしい。クジラは、ハァハァと辛さを紛らわすために口呼吸しながら、ガッつくように肉を食べ始める。
「そんなに美味しいの!?むぅ、最初は驚きの辛さでつい吐き出しちゃったけど、今回はしっかりと飲み込むんだから!あむ...」
「あぁ、凄い美味いや。まさに雪国の料理って感じだね。辛さが身体を奥底から火照らせつつ、お肉の味が頬を緩ませるよ。これを食べてればどんな寒い環境でも耐えられそうな気がしてくるね」
クジラは、超が付くほどのニコニコ顔になりながら、感想を呟いては咀嚼をし、リーシャは辛さにむせそうになりながらも、ゆっくりと初めの1枚目の肉を飲み込もうとしていた。
「あれ?リーシャって辛いの苦手だっけ?でも、カレーは普通に食べてたよな...?」
クジラは、1枚目の肉をとてもゆっくりと食べ続けているリーシャが目に入り、辛いのはダメだったかと聞く。
「うぬぬぬ...、ごくん。ふはぁ...、カレーの辛さは全然大丈夫だよ?でも、唐辛子とかの系統が違う辛さは、苦手まではいかないけど、ちょっと弱いかも...。でもこれ、かなり辛いけど美味しいね!お腹いっぱいだけど、これなら別腹感覚で少しは食べられそう!」
リーシャはようやく1枚目の肉を食べ終わり、舌にビリビリと残る辛さで悶えながら、辛さについて語った。
「そっか、まぁ吐かないように気をつけなよ?」
「えへへっ、うんっ!」
『オマタセー、オサケ、モッテキタヨ』
クジラが、リーシャに吐かないように気をつけて食べろと忠告していると、雪猿が酒を手にして戻ってきた。酒だけだ。2人が、一緒に持ってくるだろうと予想していたりんごジュースなんて無かった。
「えへへ、ごめん...。私多分、吐きながら食べるね?」
リーシャは酒を受け取ると、ニコッと笑ってたった今宣言した事とは真逆の言葉を発して、グビグビと飲み始める。
「あはは...、あとで介抱しろって言っても絶対にしてやらないからな?」
クジラは笑顔で返事を返しながら、再び酔い潰れる事が確定したリーシャを見限るのだった。




