ウブな2人
6章256話になります!
本日1回目の投稿です!!
それではどうぞ!!
「うわぁ、いい匂い!だけど...、お腹いっぱい...」
リーシャは外に出ると共にクンクンと鼻をひくつかせて頬を緩める。でも、お腹を押さえてしょんぼりとした。今更になって、雪バナナを暴食した事を後悔しているみたいだ。
「うん、自業自得自業自得」
キュルルルゥ〜
クジラは、彼女にしっかりと手を握られて固定されながら、ニコニコと笑ってお腹を鳴らしている。
「はぅ...、そのお腹の空き具合が羨ましい、妬ましい...」
ギュウウ!
「痛っ!?お腹をつねらないでっ!?」
リーシャはプクッと頬を膨らませながら、彼の腹を思いっきり抓った。
全て自業自得なのだが、真横で笑いながらお腹を鳴らされるのにはムカついたらしい。
「いいもん!吐きながら食べるもん!私、吐く事に抵抗なんて無いから!」
「おぉっと、待って待って」
リーシャは、ムスッとした表情でそう告げると、プイッと顔を背けてドシドシと猿達が集まりワイワイガヤガヤと騒いでる方へと、歩き出した。クジラは若干よろけながらもすぐに体勢を立て直して横を歩く。
若干怒りながらも、クジラの手は繋いだまま離そうとしない所が、可愛らしく思えた。
『ハヤカッタネ。エッチ、オワッタノ?』
2人が仲睦まじく猿達の集まりの元へと到着すると、雪猿が真っ先に声をかけてくる。
普通に声を掛けてくれればいいのに、何かを勘違いしていた。
「いや、してないから!!」
「え、エッチ!?く、クジラと2人で...。あわわわわ」
クジラは慌てて否定し、リーシャは顔を真っ赤にして何故かパニックになってしまっている。本当にウブな2人だ。
『エ、チガッタノ?』
「「違うよ!!」」
雪猿が首を傾げて違ったのか?と本気で尋ねてきたので、2人揃って全力で違うと答える。どちらも恥ずかしそうな様子だ。
『ムム、ソッカ。ソンナコトヨリ、ニク、タベナヨ』
雪猿は少し残念そうにそっかと呟いた後、とても良い匂いがするソースをまんべんなく掛けてある肉が、ドッサリと積まれた紙皿をクジラにひとつ手渡した。
「うわっ、すっごい量だね...」
「まさか、わたしにも同じ物が...?多過ぎて吐きまくっても食べきれないよ...」
2人はその豪快な積まれ方を見て顔を引きつらせ、それぞれ言葉を呟く。
『リーシャ、オナカイッパイミタイダシ、フタリデ、ナカヨクタベテ?ソレジャア、オサケ、トッテクルネ?』
どうやら、たくさん1枚の紙皿に肉がたくさん積んであるのは、ほぼ満腹状態なリーシャを考慮して、2人で分け合って食べてもらう為の雪猿なりの工夫みたいだ。
なので、1.5人前くらいなのだろう。
雪猿は、2人に仲良く食べてと告げると、酒を取りに行くと言ってトコトコと何処かに歩いて行った。
「酒か...、リーシャ。飲むなとは言わないけど、控えめにね?」
「うん、流石にこれ以上飲んだら死んじゃう...」
「そうだよねぇ...。りんごジュースも持ってきてくれるだろうから、そっちを中心に飲むことにしよっか...」
「でも、もしも本当にお酒しか持ってこなかったら腹をくくろうね?このお肉に掛かったソース、唐辛子入ってるみたい」
「えっ?...あ、本当だ。ピリ辛ソースって所かな?まぁ、お酒のみしか無かったら頑張るか...。それじゃ、早速肉を食べよう!」
「えへへ、ピリ辛ソースだから食が進みそうだね!私、お腹ほとんど空いてないけど...」
2人は、雪猿が酒と一緒にりんごジュースも持ってきてくれる事を必死に願いながら、ピリ辛ソースのかかった美味しそうな肉を食べ始めるのだった。




