表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
831/2000

親子の最期




6章251話になります!


本日2回目の投稿です!!


それではどうぞ!!










「...あのさ?さっきの話で、少し気になった事があるんだけど、聞いてもいいかな?」


話がひと段落し、かなり沈んだ雰囲気の中、クジラが沈黙を破る。

先ほどの話の中で、引っかかる部分があったみたいだ。


『ドウシタノ?』


雪猿は、過去の事を完璧に思い出してしまったらしく、低い声色で返事を返す。


「村から人が出て行ったって言ったよね?その頃、呪術師と、...その娘はどうなったの?」


「あっ、そういえばそうだね!最終的な呪術師がどうなったか、聞いてないじゃん!」


クジラは、事件の発端となった親子は、一体どうなってしまったのか聞いた。リーシャの言う通り、そういえばそうなのだ。雪猿は、結末でその親子の事を語りはしなかった。


『ジュジュツシハ、シュウダンニ、ナグリコロサレタ。ムスメヲ、サラウニハ、ジャマダッタカラ...」


雪猿は、更に重苦しい顔になりながら教えてくれる。聞かなければ、絶対に言わなかっただろう。


「あぁ、そっか...(うわぁ、地雷に当たっちゃった...)」


クジラは、こんな質問しなければ良かったと後悔しながら頷いた。


「クジラ...、もう聞きたくないだろうけど、ごめんね?ねぇリーダー、娘の方もどうなったのか、聞いてもいい...?」


「(絶対に今より空気が悪くなる地雷確定な質問じゃないか!)」


呪術師の最期を聞き、クジラは後悔しているのが良く分かる顔になっていたのだが、リーシャは彼に少し詫び、更に空気が淀みそうな質問をする。

聞くならば最後までしっかり、とことん聞いてやりたいとでも思ったのだろう。


『ジュジュツシノムスメ...、アレハ、ヒドカッタ...。ヒトリノ、アタマ、オカシクナッタオトコニ、ムリシンジュウ、サセラレタ...』


雪猿は、とても言い辛そうだったが、最後までしっかりと語らなければ、2人に悪いとでも思ったのだろう。徐々に声が小さくなりながら、娘の最期の詳細も語ってくれた。

2年前この村は、この親子とドレスのせいで荒れ放題であり、事件も現実離れしたものばかりである。

親は集団に撲殺され、娘は気が狂った男と無理心中。本当にひどい話だ。


「うわっ.....」


リーシャは、顔を強張らせて下を向く。クジラが大好きな彼女には、無理心中などという言葉を聞いて平然としている事なんて出来ないみたいだ。


「...大丈夫大丈夫」


クジラは、自分も暗すぎる話を聞いて精神的にまいっていたが、無理に強がってリーシャの頭を撫でる。


「...ありがと。無理しなくていいよ?」


リーシャは、彼にお礼を言って頭の上で優しく動く手を下ろし、自分の膝の上に置いてキュッと握った。


「あはは、こうしてると不思議と気分が楽になってくるよ」


「えへへ、私もだよ?」


2人は手を握りあい、多少気分が落ち着いたらしく軽く笑い合う。


『フタリハ、ツヨイネ』


雪猿は2人を見て、一言そのように告げた。


「いやいや、全然強くないよ。僕達は依存し合って、なんとか普通を保っているだけだから」


「えへへ、もしも1人で聞いてたらショックで寝込んでたかなぁ?」


2人は強いと言われ、1人では普通でいられなかったと語る。実際にどちらか1人だった場合、本当にダウンしてしまっていただろう。


『ソッカ...、フタリダカラ...カ。ナガバナシシテ、ゴメンネ?ドレス、カタヅケテ、オクネ?』


雪猿は、2人だから大丈夫だったのかと呟くと、ゆっくりと立ち上がってハンガーに掛けられたドレスを持ち、部屋の外へと出て行った。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ