呪いのドレス
6章246話になります!
本日1回目の投稿です!!
それではどうぞ!!
『ナンカ、イイフンイキ、ダッタノニ、ゴメンネ、フタリトモ...』
何処か気まずい静寂の中、雪猿が沈黙を破る。
2人の甘々?な空間をぶち壊して、結構申し訳ないなと感じたみたいだ。
「あ、あははは...、よくある事だよ。まぁ、僕的にはグッジョブかな?あのままストップが掛からなければ下手したら、雰囲気に飲まれてリーシャに襲い掛かってたかもしれないからね...」
だが、雪猿の謝罪を聞いたクジラは、雰囲気をぶち壊して貰って助かったと告げる。
「ぶぅ、私はクジラに襲われるのならば、全然構わないんだけどなぁ...」
リーシャは頬を膨らませ、ムスッとしながらクジラに対して言った。目が本気だ。
『リーシャ、ゴメンネ?ソレヨリモ...、ソノドレス、ドコカラ...?』
雪猿は、何故か手で顔を覆いながら、リーシャにそのドレスはどうしたのかと聞く。
「えっ、これ?さっきね、露天風呂に入らせて貰ったんだけど、その時にメスのお猿さんが着替え代わりに持って来てくれたの!」
リーシャは、ニコニコとしながらドレスを何処で入手したのかを答えた。
『ハァ...、マッタク...。リーシャ、ワルイコト、イワナイ。ハヤク、キガエタホウガ、イイ』
雪猿は大きくため息を吐き、ドレスを脱いだ方がいいと告げる。何故なのかはわからないが、先ほどからリーシャの方を向く時は、必ず顔を手で覆う。
「えぇっ!?どうしてさ!?それに、なんで手で顔を隠すの?」
リーシャは、着替えろと言われた事に驚くと共に、何故手で顔を隠すのかを聞いた。
『ソレ、ミリョウノノロイ、カカッテル。キルト、オトコニ、オソワレチャウヨ?』
なんと、この素晴らしく美しい赤いドレスは、魅了の呪いというものに掛かっているらしい。
クジラが異常な程にドキドキしたり、リーシャの言う事になかなか逆らえなかったりしたのは、ガッツリ魅了されていたからだろう。
それでもリーシャを襲わなかったのは、彼の呪いにも負けないチキンっぷりと、旅をしている間は絶対に肉体関係を持たないという心の中で作った鉄の掟のおかげだろう。
「もしかして、リーダーにも効いてる?これって動物にも効くの?」
クジラは、雪猿が顔を覆っている理由が理解でき、効果は動物にもあるのかと聞く。
『キホンテキニ、ミリョウ、サレルノ、ニンゲンダケ。デモ、サルハ、ニンゲンニチカイカラ、スコシダケ、キク』
ドレスの呪いの効果対象内は、人間と猿のみみたいだ。それならば、雪猿が顔を覆う事も納得である。
「なるほどね。あぁ、本当だ。顔を手で覆えば調子が良くなる。だから目を瞑った途端気分が楽になったのか」
クジラは雪猿と同じように顔を手で覆ってみる。すると、ざわついた感情が一気に鎮火したみたいだ。それによって、大きくため息をついた。
「それじゃあこのドレス、クジラの前以外じゃ着れないのかぁ。素敵だから、貰って正装にしたかったなぁ...」
リーシャは、残念そうにドレスを見つめる。
「...リーシャ、とりあえず脱ごっか?着替えは?」
少し可哀想だが、問題が起きても困る為、クジラは早く脱ぐように指示をした。
「えっと...、夜にまた露天風呂に入りたいから、風呂上がりの着替えとしてそのまま置いてきちゃった」
「あー、それじゃあ新しい服を出そっか。適当に具現化するよ」
クジラはそう言って、ジーンズとTシャツ、地味なコートと、これといって特徴も無い衣類一式を具現化して、リーシャに手渡す。
「はぁ...、結局脱ぐのかぁ...。クジラとリーダー、ちょっと外にいてね?」
『ウン、イコウクジラ』
「そうだね、着替え終わったら言ってね?」
「えへへ、わかったー」
クジラと雪猿は、そこで会話を止めて部屋の外へと出て、リーシャはイソイソと着替え始める。
「このティアラは...、服とマッチしなそうだけど、せっかくクジラがくれたんだし、このままでいっか!」
リーシャは、赤い宝石の付いたティアラを1度。頭から取り外して少し悩んだ後、ついつい口元を緩ませながら頭に付け直すのだった。




