ノミ取り技術
6章236話になります!
本日1回目の投稿です!!
それではどうぞ!!
「あぁ〜、気持ち良いぃ〜。まさかノミ取りの技術が洗髪のテクニックに繋がるなんて...」
リーシャは、トロンと気持ち良さそうな顔で露天風呂の敷地の隅にある洗い場に座っていた。
リーシャがあまりにも臭かった為、温泉に入る前に、メス猿に全身を綺麗に洗ってもらっていたみたいだ。
バシャーッ。
ウキッ
リーシャの体から泡を洗い流すと、メス猿は終わりと告げるように鳴き、テクテクと温泉に歩いていく。
「えぇ〜、もう終わりかぁ。気持ちよかったなぁ...」
リーシャは、猿に体を洗ってもらうという異質な体験が終わってしまうと、少し残念そうな様子だった。
何故、こんな事になっていたかというと、先ほど、リオがリーシャを乗せて一目散に走って温泉に飛び込もうとしたのだが、メス猿がそれを全力で止め、まずは身を清めろと指摘したらしい。それによって、リーシャは身体を必死に洗い始めたのだが、どうにも身体から酒臭さが消えなかったみたいだ。
なのでメス猿が、仕方がないという様子で洗うのを手伝い始めると、気がつけばリーシャ本人は気持ち良さに負けて洗う手を止め、完全に身を委ねてしまったのだった。
そのような出来事があり、現状に至る。
『ワウ!』
洗い終わり、リーシャから漂っていた酒と胃酸の混じったツンとくる匂いも取れた為、リオは尻尾をブンブンと振りながらリーシャの側に寄り、早く温泉に入りたいから僕に乗れと呼びかけている。
「えへへ、もうピカピカだもんね!変な匂いはしないから安心していいよっ!」
リーシャは、立ち上がりながらタオルを身体に巻きなおし、おぼつかない足取りでヨロヨロとリオの真ん前まで2mほど歩いて、背中にまたがった。
『ワウゥッ!』
リーシャが自分に乗った事を確認すると、はしゃいだ様子で温泉に飛び込んだ。ちなみにリオの体は、リーシャが1人匂い落としに苦戦している間にメス猿が洗ってくれていた。
ジャポン!
「あっつ!?...あぁ、でも気持ちいいぃ〜」
軽く足を付けたりなど、慣らしをせずに入った為、温泉の熱さに驚くが、すぐに気持ち良さそうな表情へ変わるリーシャ。物凄い間抜け面だ。
「露天風呂、というか広いお風呂は初めてだけど、こんなに気持ち良いんだぁ〜...」
『ワウゥ〜...』
リーシャとリオは、目を細めてぽけーっとしながら呟く。初めて、風呂場のような狭い場所ではない、開放的な温泉に入り、とても感動しているみたいだ。
ウキィ〜...
メス猿の方もかなりリラックスして、というさリラックスし過ぎてプカプカと湯の上に浮かんでいる。
「はぁ〜、気持ち良すぎて、なんか眠くなってきた...。リオ、沈みそうになったら起こして...?」
『ワウ〜...』
1人と2匹は、ポカポカと暖かい湯に浸かりながら、のんびりとした時間を過ごすのだった。




