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猿の温泉の旅館へと


6章235話になります!


本日は1話のみの投稿にさせていただきます。


それではどうぞ!!








「ねぇねぇ、何処に行くのさリオ?」


『ワウッ♪』


リーシャは、猿に手招きされた通りにトコトコと歩くリオに声を掛ける。

でも、リオは上機嫌に吠えて返事を返すだけで、意思の疎通を取ろうとしない。


「むぅ〜、わかんないよ〜。リオが私達と同じ言葉を喋れればいいのに...」


『ワ〜ウワウ♪』


どうやらこのようなやり取りは、この移動中に何度か繰り返していたらしい。その為、リオは面倒くさそうにリーシャの言葉を受け流している。

何処に運ばれているのかわからないリーシャが、不安になりながら同じ事を何度もしつこく聞いた事により、リオもそれに対して、いちいち反応するのが面倒になってしまったのだろう。


ウキー!ウキウキキー!


今みたいな会話がもう3回ほどループした頃、猿がある場所を指差しながら声を出す。


「ほぇ?あっ、なんか煙が出てる!」


リーシャは猿が指差す方向を見ると、何やらモクモクと煙があがっているのが見えた。


「もしかしてだけど...、この煙ってまさか...!?」


リーシャはその煙を見て、1つだけ思い浮かぶ物があったらしい。もしかして...、などと言いながらリオの反応を伺う。


『ワウゥ♪』


リオは、リーシャが何を考えているのかを把握していたようで、大きく縦に頷いた。


「やったぁ!おっきい露天風呂だぁ!!リオ、はやくはやく!!」


リーシャは、その煙が温泉からあがるものだとわかると、満面の笑みになりながら、リオを急かす。


『ワウワウ!』


リオも、早く主人の激臭から解放されたいらしく、かなりの速さで煙があがる方へと走った。


『旅○ロ○ー○』


煙があがる露天風呂は、旅館の敷地内にあり、それに入るには、旅館から中に入ってから行かなければならないようになっているみたいだ。

掠れて何が書いてあるのかわからない入口の看板を見流し、猿の誘導通り、リーシャはリオに運ばれていく。


ウキッ、ウキィ!


猿はリーシャの匂いを出来るだけ嗅がないよう絶妙な感覚を取りながら、女風呂の方へと誘導する。


「ほぇぇ、広い脱衣所だなぁ。それにしても、お猿さんは本当に綺麗好きなんだ...。どこでバスタオルの洗い方とか、綺麗なたたみ方を覚えてくるんだろ...?」


脱衣所に入ると、リーシャは広さに驚いた後、清潔なバスタオルが丁寧にたたんで置いてあるのを見て、さらに驚く。


ウキッ、ウキッ!


「うわっ...。えへへ、ありがと。って、お猿さんもそういう事をするの!?」


猿はバスタオルを2つ取り、1つをリーシャに投げ渡し、もう1つは自分の体に巻き付けた。

リーシャは脱衣所に入ってから、3度目の衝撃を受ける。


ウキィ♪


猿は、片手でタオルを押さえ、もう片方の手を頬に添えながら照れたような鳴き声を発した。


「...んっ?もしかしてメスのお猿さん?」


そんな猿の可愛い仕草を見て、オス猿はこんな女々しい仕草はしないだろうという勘を頼りに、リーシャは首を傾げながら聞いてみる。


ウキッ!


猿は巻いたタオルを少し上にずらし、自身の下半身をリーシャに見せつける。


「あっ、生えてない!女の子だったんだ!一緒に温泉入ろっ!」


リーシャは、目の前にいるのがメス猿だと判明すると、一気に笑顔になって一緒に入ろうと告げた。

もしもオスだったら?想像するのも恐ろしい...。摘み出されて終わるかもしれないが、怒りによって男の象徴を、魔法で焼却させられるかもしれない...。


ウキッキィ!


メス猿は、大きく首を縦に振る。このメス猿も、元々リーシャを案内するのみではなく、露天風呂に入る為にここまで来たみたいだ。


「えへへっ。それじゃあすぐ脱いじゃうね!リオ、ちょっと下ろして?」


『ワウ!』


リーシャはリオから降りると、脱いだ服を入れるロッカーに身体を預けながら、服を全て脱ぎ、タオルを体に巻く。


「そういえば、リオって男の子だよね...?まぁ、無駄に体は大きいけども、まだ生まれて1年も経ってない位に幼いんだし、いいか!リオ、温泉まで乗せてって!」


リーシャは、そういえばちゃっかりと男の子が紛れ込んでるなと気付くが、別にリオならば安心して大丈夫だろうと確信し、リオに再び跨った。


『ワウ〜!』


そして、一目散に温泉に駆け出していくのだった。





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