混合臭
6章234話になります!
本日2回目の投稿です!!
それではどうぞ!!
「ふぃぃ〜、スッキリしたぁ。リオ、ありがとね!おかげで家の中でリバースせずに済んだよ!」
リーシャは、外で口から胃の中の物をリバースし終えると、とても清々しい表情でリオに礼を言う。
『ウゲッ...、ワウゥゥゥ....』
リオは、うっわくっさ。とでも言うような表情を浮かべながら、口元ゲロまみれなリーシャから一歩後ずさる。
「あっ、臭かった...?酷いなぁ、一応私も乙女なんだから、少しは我慢して無表情装ってくれてもいいんだよ?うひゃあっ!?顔が凍えるっ!?」
『ワウゥ...』
リーシャはリオの様子を見て、少し不満気に頬を膨らませながら、出した吐瀉物を周りの雪で覆い隠し、口元も雪で拭った。なんというか、間抜けだ。
リオも呆れた様子でリーシャを見ている。
「うぅっ...、これで酸っぱい匂いもしないでしょ!?なんとか立てるけど、歩ける自信は無いから乗せて帰ってくれる?」
リーシャは、流石に置き去りとかにはされないよね?と思いながら、少しだけ目をウルウルとさせてリオに帰りの運搬も頼んでみた。
『ワフーッ』
一応、大好きな主人からの命令だ。雪で口元を拭ったとしても、まだかなり臭かったが、従わないのは可哀想だし、心が痛んだのだろう。リオは、リーシャの隣まで行き、早く乗れと伝える。
「えへへ、ありがとうリオ!」
しっかりと従ってくれたリオに向けて、リーシャは満面の笑みでお礼を言い、背中に乗らせてもらった。
『ワフ』
リオは礼を言われ、若干照れながら、ノシノシと家に入ろうとする。
「あっ!リオ、あれなんだろ!?」
だが、リーシャはある方向を指差して叫ぶ。
指差したのは、広場に置かれた大型の魔物の死体だ。
『ワフゥ...?』
だからどうしたと言わんばかりに、軽く流して家に入ろうとするリオ。
「ねぇリオ!あっち行ってみよ!ねぇ、お願いだから連れてって!!」
『ワフ〜...』
魔物の死体の場所まで連れて行けと言うリーシャ。リオは、そんな事よりもさっさと戻って寝て、体調を整えなよと思ったみたいだが、リーシャの命令を無視すると先ほどのように怒られたりと、後が恐ろしいので下手に逆らう事は出来ないみたいだ。
仕方がないので、リオはおとなしくリーシャの指示する場所まで歩く事にした。
「えへへ、凄いねこの魔物っ!」
リーシャは、かなりの大きさの魔物を見つめ、戦ってみたいなぁと思いながら感嘆の声を漏らす。
ウキッ、...ウギェッ!?
近くにいた1匹の猿が、恐る恐るリーシャの元に近寄ってきたのだが、リーシャの酒と酸っぱい匂いの混合臭を嗅ぎ、とんでもない表情を浮かべた。そして、5m程の距離から一切近寄ろうとしない。
リオは我慢しているみたいだが、相当キツイ匂いがするらしい。
「うぅっ、ここまで凄いリアクション取られるとショック...。お風呂かシャワー浴びたいよぉ」
リーシャは猿の反応を見て、本気で泣き出しそうだった。
...ウキッ!ウキッキー!
リーシャの言葉を理解したのか、猿はこっちにおいでと手招きする。
「うぅ...、なぁに?」
リーシャは、目から熱い何かが零れ落ちるのを感じた為、目を擦りながら猿のジェスチャーを見る。
ウキ!ウキッキキー!
猿は必死に何かを訴えている。
「リオ〜、何て言ってるの〜?」
リーシャは困り顔でリオに助けを求めた。
『...ワウ!』
するとリオは、何処か安心感を感じさせるひと吠えをして、手招きする猿の方へと歩き始める。
「えっ、えぇっ!?どこ行くのさリオっ!?」
リーシャは困惑したまま、リオに運ばれていった。




