嗅覚舐めんな!
6章231話になります!
本日1回目の投稿です!!
それではどうぞ!!
『クジラ、タクサン、ユキバナナ、トッテキタヨ!』
雪猿は、先ほど少し暗い顔をしていたが、雪バナナを3房持って帰ってくると、普通の表情へと戻っていた。
「...あはは、凄い量だね。流石に食べきれないかなぁ?」
クジラは、そんな雪猿を見てどういった対応をしようかと考える。
少しだけ間をあけた後、雪猿が先ほどの話を無かった事にして会話を切り出したという結論に至り、自分も先ほどの話については触れずに、忘れた事にしておこうと考えたみたいだ。たくさんの雪バナナを見て、軽く笑いながら返答をする。
『クサルホドニ、タクサンアルカラ、スキナダケタベテネ?ココサムイカラ、クサルコト、ホトンドナイケド...』
「うん、後でリーシャにも持って行ってあげようかな?」
クジラは一房受け取り、雪バナナを2本もぎ取った。そして、1本を身のみの状態にしてリコに食べさせ、もう1本は自分で食べながら、未だにいびきをかいて爆睡中の彼女にも、この雪バナナを食べさせる為に持って行ってあげようと提案する。
『ウン、ソレガイイヨ。リーシャ、キットヨロコブ』
雪猿はそう言って、自分から手にしていた残り2房のうち1房を更にクジラへ渡した。
「あははは...、夜ご飯が食べれなくなっちゃいそう...」
クジラは、苦笑いをしながら受け取る。
『サムイバショニ、イルカギリハ、ソノバナナ、クサラナイカラ、スキナトキニ、タベレバイイヨ』
雪猿はそう言いながら、雪バナナを両手に1本ずつ持ち、美味そうにモシャモシャと食べ始める。主食としては飽きても、本当に雪バナナが好きなんだなと、見てるクジラにも十分に伝わる光景だった。
「そういえばさ?黄色いバナナは作ったりしてないの?(一応熱帯でしか育たないらしいけど、この世界の住人ならば、魔法の力で平然と栽培してそうなんだよなぁ...)」
クジラは心の中で、魔法なら何でもありなんだし、どうせ普通じゃ考えられない事をやりまくってるでしょと思いながら、雪バナナ以外の普通のバナナについて、聞いてみる。
『ザンネンナガラ、ユキバナナダケダヨ。ソモソモ、クジラガクレタ、アノバナナ...。ハジメテミタ。ソレニ、オイシカッタ!』
雪猿は、そもそも黄色いバナナなど、クジラがくれるまでは、見た事すら無かったと告げる。
その為、黄色いバナナがもっと欲しいという視線を向けながら、全力の笑顔で美味しかったとクジラに言った。
「えっ、マジで...?これ、あの時初めて見たの?」
クジラは1房のバナナを具現化し、雪猿に手渡しながら、見た事すらなかったのかと聞く。かなり驚愕している。
『アリガトクジラ!!コノバナナ、カナリツヨイニオイ。ニオイツヨイト、オイシイアカシ。ダカラボクタチ、ニオイノモトニ、モドッテキタ』
「へぇ、なるほど...(そういえばあの時、テントの中でバナナ自体と、バナナを使ったパンとかを食べてたっけ...。リーダー達は、その匂いをかなり遠くから嗅ぎつけて、超極上のバナナがあると思って戻ってきてたって訳なのか...)」
クジラは、雪猿から話を聞き、納得したようにウンウンと何度も頷く。
黄色いバナナは、雪バナナよりも圧倒的に濃い匂いがするらしい。そして、猿達は匂いが濃いバナナは良バナナと認知しているみたいなので、必然的に黄色いバナナは超極上だと認識されるのだろう。
なので、極上の好物を得る為に雪猿達はクジラ達がいたテントまで引き返し、バナナを配布する事案が発生するまでに至ったのだ。
実際に、猿達に黄色いバナナは大好評だったので、匂いの濃いバナナ=超美味いバナナという方程式は存続されているようである。
「というか、そんな遠くからの匂いも嗅げちゃうの?」
『ウン、ズーットサキデモ、カギワケ、デキルヨ?』
「って事は...」
クジラは嫌な顔をした。
その瞬間だった。
ウキィィィィィ!!!!!
ズドドドドドドドッ!!!
猿の声と、足音がまるで爆音のように聞こえてくる。
「やっぱりか...、遠くの嗅ぎ分けが出来るなら、こうなるよね...」
クジラは特に何も考えず、黄色いバナナを具現化してしまった事を後悔した。
『ゴメン、クジラ...』
雪猿も今になってこうなってしまったのは、自分のせいだと気付いて謝罪する。
「あはは、いいよ...。それよりも、バナナの配布手伝ってよね?」
クジラは呆れながらバナナを再び配布する事を決意した。
『ウン...』
こうして、第2回バナナ配布会が始まるのだった。




