城の化け物
6章230話になります!
本日2回目の投稿です!!
それではどうぞ!!
『イマカラ、チョウド、1ネンマエカナ?ハイキョダッタオシロカラ、トツゼン、ソトニイタ、オオガタマモノ、アラワレタ』
雪猿は、ひと呼吸間を空けた後、お城の話を始める。元々、お城は廃墟だったらしいのだが、ちょうど1年程前、突然大型の魔物がお城の敷地内に、現れたらしい。
その大型魔物というのが、ちょうど先ほどクジラが見た像のような魔物だ。
「へぇ、突然現れたのか...」
いつの間にか膝の上にリコを乗せながら、クジラは相槌をうつ。
『ウン、ソレマデボクタチ、ユキバナナ、アツメテクラシテタ。チョットマッテテ?』
雪猿は、雪バナナという謎のワードを繰り出し、急ぎ足で居間から出て行く。
「雪バナナって何だろうね...?」
『ワフゥ〜...』
クジラは、膝の上のリコの頭を撫でながら、謎単語について呟く。リコは気持ちよさそうに大きくあくびをしていて、聞く気ゼロだ。
『オマタセ、コレ、ユキバナナ』
クジラが一言呟いてすぐ、時間にして3秒後くらいに、小走りで雪猿が戻ってくる。手には、真っ白な一房のバナナが握られていた。
『モトモト、コレタベテ、クラシテタ。デモ、オオガタマモノ、アラワレテカラハ、デザートニ、カワッタ』
1本ずつもぎ取り、クジラとリコに1本ずつ雪バナナを渡す雪猿。リコの分は、しっかりと皮を剥き、身を剥き出しにしてくれている。
雪猿達は、元々これを栽培?採集?のどちらかをして暮らしていたみたいだ。
だがしかし、大型魔物が現れ、そちらの方が上手いとわかり、肉を主流として食べるようになってからは、雪バナナはデザートとして扱われているらしい。
『ダカラ、オイシイマモノ、タクサンイルオシロ、ボクタチハ、ラクエンダト、カンガエタ。ダカラオシロニ、ヒッコソウトシタ』
雪猿は雪バナナを1本高速で食べ終え、続きを語る。
雪バナナよりも美味しい魔物肉の存在に気付いた雪猿達は、一時期、お城への引っ越しを考えていたらしい。
「もぐもぐ...。あっ、バナナのアイスみたいで凄く美味しい。それで、肉の為にお城へ引っ越しか...。まぁ、毎日バナナ食べてたら飽きるよね」
『ワフゥ♪』
クジラは、雪バナナを食べてこれは美味いという気持ちを抱きながら、猿達も同じ物をずっと食べてたら飽きるよねと、同じ立場になった事を想定して喋る。
リコも横で、美味しそうにモシャモシャと雪バナナを食べている。この雪バナナは、アイスではなくあくまでバナナの為、食べても全然平気みたいだ。
まぁ、かなり冷たいので確実に腹を緩くしそうだが...。
『ソノトキハ、オシロノナカニハ、ハイッテイナカッタカラ、ナニモシラナカッタ。ダカラ、20ヒキクライ...、ダッタカナ?ナカマニチョウサ、イッテモラッタンダ』
「まぁ、そんな魔物が敷地内に湧いてる奇妙な城には、容易に入りたくないもんね...。それで、その猿達は...?」
『ミンナ...、シンジャッタ...』
雪猿は、項垂れながら答えた。どうやら、ここからは多少重い話みたいだ。
「...そっか。でも、なんでわかったの?それは決め付けで死んだと考えてるだけじゃなくて?」
クジラは、自分達は中に入っていないなら調査をした猿達の生存はわからないのではと指摘する。
『3ヒキ、キズダラケデ、モドッテキタ。ソレデ、ジジョウ、ハナシテクレタ。3ヒキハ、キズダラケダケド、ナントカイキノビタ、ソウオモッタ。ダケド、フシゼンニ、クルシンダ。ソレデ、スグニシンダ.....』
雪猿は語った。どうやら、調査部隊として派遣された猿達の中で、3匹だけ生存猿がいたらしい。そして、お城の内部の事を語り、不自然な苦しみ方をして、死んでしまったという。
「不自然に苦しんで死んだのか...。傷に毒でも塗りこまれたのかな...?どんな姿の化け物がいたのかは、聞いてないの?」
クジラは、おそらくは毒によって死んだのだろうと仮定し、化け物はどんな姿か尋ねる。
『オオキナムシ...。ソウイッテタ。シッポ、ハリニナッテイテ、ウデハ、ハサミミタイッテイッテタ』
「あ、多分サソリだねそれ」
クジラは化け物の説明を聞くと、1発で正体を見破る。というか、決めつける。
『サソリ...?』
「うん、物凄い毒を持った昆虫だよ。それの超巨大版だと思う」
『ソッカ...、クジラ、タオセル...?』
雪猿は、謎の化け物の正体を簡単に導き出したクジラに、倒せるか聞いた。
「...わからない。倒して欲しい?」
クジラは難しい表情を浮かべ、雪猿に聞き返す。
『...ウウン、イイヤ。ソレデクジラ、シンダラ、カナシクテシカタガナイ。ワスレテホシイ。ソレヨリ、モットユキバナナ、モッテクルネ?』
雪猿は首を横に振り、そう告げて話すのをやめ、雪バナナを取りに部屋から逃げるように去っていった。
「...まぁ、仇を取りたいとかは思うよね」
クジラは腕を組み、どうしたものかと脳をフル使用して考えるのであった。




