リーシャ編19話
リーシャ編19話になります!
本日2回目の投稿です!!
それではどうぞ!!
『さぁさぁ、始めましょう!勇者の2人は、この俺が開始の合図をしたら戦い始めてくれ!客席のみんなは合図の復唱を頼むぜ!』
2人は、それぞれ二刀流と抜刀術という独特な剣術の構えを取りながら微動だにしない。
『ドライ!』
ドラーイ!!!
2人は微動だにもしない...。
『ツヴァイ!!』
ツヴァーイ!!!!
2人の額や頬には軽く汗が滲み始めている。
『アインス!!!』
アインス!!!!!
2人は同時に唾を飲んだのか、喉が同時に動いてみせた。マールはギラッとまるで鋭利な刃物のような目線をリーシャに向けており、リーシャの方は微妙に焦点が合っていないような目線で不敵に笑っている。彼女達の体感時間では、もう30秒は経過していると思われる。それ程に、早く戦わせろという意思が爆発していた。
『ヌル!』
開戦の合図が出た。何故ドイツ語の数字を用いて始まったのかというと、特に理由なんてない。勝負事のスタート時に1番適したカウントの取り方だとこの国が、この国王が定めたからだ。
ガァァァァン!!!!
『おぉっとぉ!?初手から凄まじい攻撃のぶつかり合いだぁ!!そしてこのままつばぜり合いへ移ったぁぁぁ!?』
まるで、超巨大なゴングを鳴らしたかのような甲高い音が鳴り響く。リーシャの下段から滑るように斜め上へ斬り込みにいく太刀と、マールの上段から振り下ろされる2本の剣、合わせて3本の剣が、一瞬で一箇所へ集合し、大激突をしたのだ。立て続けにゴリゴリという金属と金属が強い力で擦れる嫌な音が地を這う。
アナウンスにも熱が入り、試合を更に盛り上げ始めてくれている。
「むっ、私の閃光とまで言われた初撃を受けたかっ!?なかなかやるなっ!」
マールは、優勢から戦闘を開始できると読んでいたのか、初撃を簡単に防がれてつばぜり合いになった事に驚きながらそう言った。
「あっはははははははは!!」
リーシャは狂ったように笑いながらつばぜり合いを強引に力で押し返し、徐々に優勢へ立とうとしていた。
『.....はっ、勇者リーシャ!突然壊れたように笑い出したぞ!?それに凄い力だぁ!!さっきまでのキュートな顔は何処へ行ったぁ!?』
そんな突然変わり果てたリーシャの戦闘狂っぷりに、会場はみんな唖然としている様子である。
実況者も同じように唖然としていたらしい。だがそれでも彼はプロだ。なんとか唖然とするのは一瞬だけに抑え込み、しっかりと現在のリーシャの顔に関してを実況し、笑いを誘うような言葉を多用していた。
「グッ!」
マールは、持てる力の全てを使って何とかリーシャの太刀の軌道をズラし、距離を取る。
「チッ、逃げないでくださいよぉマールさん?」
リーシャはユラユラと揺れながら、太刀を片手に持って距離を詰め始める。はっきり言ってホラーだ。
「ふふっ、相変わらず恐ろしい奴だなおまえは...。ウインドハンマー!」
シュォォォォオオ!!!!
『なんだぁ!?勇者マール、風魔法を詠唱したが不発かぁぁ!?』
なんとかつばぜり合いから逃れると、実況と共にリーシャの顔を見てクールに一笑すると、風魔法を詠唱して剣を振った。そうすると、剣から何かを飛ばしたみたいだ。しかし、実況が述べる通り、視認する事が出来ない。
バキッ!
「いっ!?」
その瞬間リーシャの肩に、まるで鈍器で殴られたような痛みがはしる。
『どうしたんだ勇者リーシャ!?肩を抑えて痛みに堪えているぞ!?』
「流石に見えなければ避けようが無いだろう?ウインドハンマー!」
マールはこれは有効打と判断し、再び剣を振るい、魔法を駆動する。
「うぐっ!.....えへっ、えへへへへへへ。2回も同じ技を使っちゃうとか、私を舐めてるのかなぁ?らぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!」
リーシャは胸に鈍器のような痛みをぶつけてくる風魔法の2発目を受け、かなり苦しそうな顔をしながら笑った。
そして、自分の周囲にメラメラと燃える炎を出現させた。詠唱無しなので、勇者の能力の炎だ。
『これは怒りの炎かぁ!?凄い!リーシャの周囲が陽炎で揺れ動いているぞぉ!?』
「...ここからが本番だよマールさん?」
リーシャは燃え盛る炎の中、ニタリと笑っていた。




