リーシャ編16話
リーシャ編16話になります!
それではどうぞ!!
「ふぉっふぉっ、規定の時刻に来なかったのは、野郎共四人衆とヴァーチュだけじゃな。ヴァーチュは勇者では無いからいいとして、あやつらはワシとの稽古がやりたくて仕方がないみたいじゃのぅ」
楽しい時間はあっという間に過ぎ、約束の集合時間となってしまった。リーシャ達は、プラモのタイマーウォッチ機能のおかげで、特に遅れる事はなく集合時間へ間に合ったみたいだ。
会長は、集合時間までにやってこなかった人が数名いる事に気付くと、カラカラと笑っていた。本気で稽古を付ける気らしい。勇者一同は、時間に間に合わなかった男勇者4人組に対し、憐れだなという気持ちを抱いていた。
「さて、指示を出そうかね?まずはマールちゃんとリーシャちゃん」
「「はいっ!」」
会長が遅れた者達を放置し、話を始める。最初に呼ばれたマールとリーシャは、元気の良い声を発して応じる。
「2人の試合は30分後からじゃ。マールちゃん、とりあえず2人で控え室に行って、軽く準備体操でもした後、入場から退場の流れを教えてやって欲しいぞい」
「ええ、わかりました」
「うむ、よろしく頼む。リーシャちゃんは、初めてだから緊張するなとは言わんが、しっかりと楽しむんじゃぞ?」
「はい!頑張ります!」
「それじゃあ早速行くがええ」
「わかりました、それでは失礼します。リーシャ、行くぞ」
「はーい!会長、失礼します!プラモ、リオをよろしくね?それと、アネと会長の言う事をしっかり聞くんだよ?」
『うむ、了解した』
リーシャは、マールに呼びかけられると、ピシッとお辞儀をし、プラモにリオを託して会場内へと歩き出した。
「お姉ちゃんとリーシャ、頑張ってねー!」
アネはそんな2人に手を振って見送る。
「あぁ、アネも仕事さぼるなよ?」
「えへへ、またあとでねーっ!」
マール、リーシャはそれぞれ振り向き、笑みを浮かべてアネに返事を返すのだった。
「さて、ここが控え室だな」
「なんか、まさに国主催の武闘大会控え室って感じですね...」
武闘大会会場内へと入り、関係者以外立ち入り禁止のフロアに入ってすぐ手前に、『勇者様一同』というプレートが付けられた一室を見つけた。マールはノックもなくそこを開け放ち、リーシャへ一言告げる。
リーシャの方は、あまりにも豪華な控え室に、ドン引きしていた。
「まぁ、初めはみんなそういった反応をするだろう。だが、今リーシャが言ったように、国が主催している大会なのだから、国の運営が自ら呼んだゲストを、VIP待遇にしないはずが無いからな」
マールは据え付けられた明らかに高級なソファにドカッと座り、同じく明らかに高級なテーブルに備え付けられたお菓子に手を付けながら話す。
「とりあえず、試合本番になったら、どういった動きをすればいいか説明お願いできますか?」
リーシャは、マールの向かい側のソファへと遠慮がちにチョコンと腰掛け、仕事用のキリッとした真面目な表情をしながら切り出した。
「あぁ、そうだな...。まず、大前提として本気でやってもかまわないが、あくまでも私達は前座の遊び試合なんだ。だから、勇者としての優雅で華麗な姿を観客に見せて宣伝するのが私達の本来の目的だ。だから笑顔を忘れるなよ?とりあえずニコニコ笑ってれば愛想良く見えるからな」
マールはそう言い、ニコッと笑う。
「おおっ!いつも残念クールなマールさんがすごいお淑やかな人っぽい!」
リーシャはマールの営業スマイルを見て、感嘆の声をあげた。バカにしているのか、褒めているのか本当にわからない感じの言葉だ。
「とりあえず、私達はマイクパフォーマンスなどはしない。ただステージに出てニコニコしながら合図とともにガチ乱闘すればいいだけだ。わかったか?」
「あ、はい!それじゃあ、何か覚えておいたりする動きは無いんですね?」
「あぁ、特に無いな。それじゃっ、準備運動でもしようかリーシャ」
「そうですねっ!」
そう言って2人は、各自ストレッチをしたり、本番の為に心身の準備をしていくのだった。




