リーシャ編14話
リーシャ編14話になります!
それではどうぞ!!
「えへへ、とうもろこし美味しいね!リオも美味しい?」
『ワウッ!』
リーシャとリオは出店にて売っていた焼きとうもろこしを食べながら、ニコニコと笑顔を浮かべている。限られた45分という自由時間を精一杯楽しんでいるみたいだ。
リオに至っては、とうもろこしが好物だったのか、芯までガジガジと食べている。
「こっちの綿菓子も美味しいよ!1個1500モールでちょっと手を出しにくいんだけどね...」
アネはわたあめのような、微妙に黄ばんでいるが、白くてふわっとした綿菓子をモシャモシャと食べながら笑う。
やはりこの世界は、さとうや甘味の物価は全体的に高いらしい。日本と比べれば、約3倍ほどの値段である。だが、甘味を売っているところなど滅多に無いのか、アネがその綿菓子を買ってきた出店はかなり繁盛しているみたいだ。
「ふっ、それもなかなか美味かったが、やはり肉だ。肉こそが最強だな」
『そうだな、私はマールについて行ったのが正解だったようだ』
アネを見て微笑みながら、マールはマンガ肉と称されるような骨つき肉にカブりついていた。大型魔物の肉らしい。カブりつくたびに肉汁が滴り落ち、香ばしくいい香りを匂わせている。それと同じく、プラモも同じ物を食べていた。食べ物に関してはマールについて行くのが一番いいかもしれないという謎の勘が働いたらしい。
『ワウ、ワウ!』
リオがその肉を見ると、プラモを鼻先でトントンと突き、何かを伝えようとしている。もちろん、アレが食べたい!という意思表示のはずだ。
『なんだリオ?食べたいのか?』
『ワウッ!』
「待った、私も食べたいからもう1個買ってくるよ。リオ、私と半分こでいいよね?」
『ワウ!』
「よし、いい子だ。プラモ、アネ、マールさん!ちょっとお肉買ってきます!絶対に動かないでくださいよ!?リオ行くよ!」
『ワウーッ!』
リーシャはそう言って、リオを連れて半分ほど齧り終えたとうもろこし片手に駆け出す。
「いってらっしゃーい!ここの位置忘れないようにねー!」
それを、アネは笑顔で手を振り見送った。
「あ、そこそこ並んでるなぁ...。並ぶか、リオ、おすわり!それでこれを齧っててね?」
『ワウー』
マールとプラモが食べていた骨つき肉は、幸いにもあまり離れていないところに出店があった。だが、多少の列が出来ていた為、最後尾に並んでリオを座らせ、自分が食べていたとうもろこしの芯を与えた。座らせて大人しくさせていなければ、ついつい骨つき肉の出店を襲撃してしまうかもしれないからだ。
リーシャの配慮により、リオはそんな気持ちを抱くこと無く、無事に骨つき肉を購入する事に成功する。
「これで1000モールかぁ、安いのかな?いや、ヨシノが本来出店とかで売ってるものは、ボッタクってなんぼって言ってたからきっとボッタクられてるんだろうなぁ...。まぁ、美味しそうだからいいや!」
リーシャは肉をマジマジと見ながらそのような無駄知識を披露した後、大きな一口でカブリついた。
「うん!すごく美味しい!」
ついつい笑顔でリオを見ながらそのように話す。
『ワウゥー!』
すると、リオがひと吠え。
そして...、
ドッ...、バクゥッ!!
「うわぁぁぁぁ!!??」
リオは中々の跳躍力を見せつけ、リーシャの顔の高さまで跳んで肉をガブっと噛み締め、リーシャの手から奪い取った。きっと、最初のひと吠えは、『僕も食べさせて!』とでも吠えていたのだろう。
『ワウゥッ♪』
もう本能からは逆らえない。
肉汁をダクダクとこぼす肉塊に齧りついた事で、ご主人と半分こするという言葉、いや、我すら忘れているだろう。
ただただ肉にガブガブと齧り付く行為が、肉が無くなるまで続いた。
「リオォぉぉぉぉぉ!!!!!!」
膝をついて悔しがるリーシャの声が、武闘大会会場前に響いていた。




