リーシャ編12話
リーシャ編12話になります!
それではどうぞ!!
「お待たせアネー!結構待たせちゃったかな...?」
リーシャ達は、アネ達勇者の方々との待ち合わせ場所である、武闘大会会場の前で合流していた。見る限り、武闘大会会場の近くへ寄れば寄るほど、辺りに人が賑わっていて、少しでも単独行動をすれば、すぐに仲間を見失いそうな感じである。
「長旅お疲れ様リーシャ!あんまり待ってないから気にしなくて大丈夫だよ?ヴァーチュさんも、空間移動おつかれさまでーす」
「おう。それより、人が多すぎねえか?いくら武闘大会だからって言っても、いつもはもうちっとばかし人が少なかったよな?」
ヴァーチュはそんな周りが人で埋め尽くされた辺りを見回しながら、質問した。
「ふぉっふぉっ、今回は珍しく女王様が見物をするらしいからの。きっと、それを一目見ようとする人が3、4割いるんじゃないかのぅ?おかげでワシらも警備が面倒になるのぉ...。ま、ワシは前戯の試合が終わったらお偉いさん達の観覧席で武闘大会を見る事になるから、警備は手伝わないがの!ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ」
会長はカラカラと笑みを浮かべながらそのように答える。
「ん?前座の試合なんて出んのか?」
ヴァーチュは若干興味を持ったらしく、会長に再度質問をかけた。
「そうじゃよ、大会前のデモンストレーションとして、2試合やる事になってるんじゃ。...そうじゃ!ヴァーチュ、お前も参加して、ワシと戦うといい。お主らもそれの方がええじゃろ?」
会長は名案を思いついたという顔をしながらヴァーチュに参加を要請し、本来会長と戦うハメになっていた男勇者4人組に話を振った。
会場マジパネェ案っす!
よっしゃ!ヴァーチュさん頼むわ!
へへっ、警備頑張るぞぉ!!
キタコレ!恥かかずに済んだ!
男勇者4人組は、揃って喜びに満ちた表情でヴァーチュに代われと要求する。
「あぁ...、まぁ別に構わねえぞ?でも俺勇者じゃないのにそんなの出ていいのか?」
ヴァーチュは突然の振りに若干困惑しながら、とりあえず前座の参加を承諾する。その後、一拍置いた後に勇者ではないのにそんなのに参加していいのかと聞く。
「一般人なら少し遠慮願うが、お前さんは魔王じゃ。世間評価じゃあ勇者と比べて聞こえも名声も悪いが、強さを示す称号としては十分じゃ。それに、この中でワシの相手をするのなら、お主が1番まともで派手な試合になると思うぞい?」
会長はそのように、むしろお前だからこそウェルカムという意思を伝えた。ヴァーチュもその言葉を聞いて、不安は無くなったらしく、晴れ晴れとした表情でニヤついた。やる気満々である。...決して、殺る気満々ではない。
飽くまでヴァーチュも、スポーツマンシップに則っての真っ当な試合を行うつもりだ。
彼のニヤけ顔には、試合を楽しむ事以外に、この試合によって、少しでも魔王という存在の客観的評価が向上してくれればいいという気持ちも混じっているように思われた。
「ふむ。そうすると、派手な物は2試合目の方がいいじゃろ。こいつらを纏めて殲滅するのなら、ワシは1試合目に回ろうかと思ったが、相手はヴァーチュじゃ。2試合目に全力でいかせてもらおう。じゃから、1試合目はマールとリーシャ、任せたぞい?」
「えぇ、わかりました会長。とりあえず私は過去に出場した経験があるので、リーシャにステージへの入場のタイミングなどの指導をしておきます」
マールは会長の言葉に、キリッとした真剣そのものな顔で答えた。手には綿菓子のような物を所持していたが...。
「うむ、ハメを外しすぎんようにな?リーシャも大丈夫かね?」
「はい!頑張ります!」
「うむ、良い返事じゃな!とりあえず前座の試合開始が1時間後じゃから、15分前まで全員自由行動で、ここに再集合じゃ。遅刻厳禁じゃぞ?遅刻したら、そうじゃなぁ...、とりあえず全力で稽古をしてやろうかの?」
会長はそう言って笑い、主催者側に挨拶をしてくると言って1人その場を後にした。
「んじゃ、俺も適当にぶらつくかな?お前ら稽古つけられないよう気をつけろよー!」
会長に続き、ヴァーチュもどこかへと消える。
「.....。」
勇者ではないプラモ、リオを除く全員の顔が青ざめ、絶対に遅刻してはいけないと心に刻み込む。それから1分ほど、全員は無言で立ち尽くしていた。




