リーシャ編7話
リーシャ編7話になります!
本日2回目の投稿です!!
それではどうぞ!!
「それじゃあ今日の業務はそういう訳なので、アゼリア城下町へ向かってくださいね!」
はーい、ありがとねアネちゃん。リーシャちゃんとそのワンコもご苦労様〜。
「えへへ、それではまた後で〜!」
『ワウッ!』
「よし、リーシャ、リオちゃん!これでひと通り全員終わったね!とりあえず食堂に戻ってみようか!」
廊下ですれ違った女勇者に声を掛け終えると、アネはやり遂げた顔でそう告げる。なんとか勇者理事会の建物内にいた同業者達に声を掛け終えたらしい。
「うん!...そういえば、結局プラモとマールさんは働いてないみたいだったね...」
話を掛け終えて、ほっと一息吐いていたリーシャは、ふと思い出したかのようにアネとプラモの話題を出す。もしも、彼女達が働いていたのなら、誰かしらもうその話は聞いたよと告げてくれる人がいただろう。しかし、そのような申し出をしてくれた人は1人もいなかったようだ。それにより、働いていないと考える事が出来たのである。
「ほんとにそれ!お姉ちゃんったらたまに私に仕事を丸投げするんだもん!私の予想だとおそらく今ヤケ食いしてるはずよ!?」
アネは、プンスカと怒りながら愚痴を言う。
「あははっ、ヤケ食いでサボるなんてマールさんらしいや!」
「ったく、そんな事してるからみんなに残念な姉って言われちゃうのよ...」
「それでも、マールさんはみんなの人気者だから良いんじゃない?男の人達には異性として見られてるのかよくわからないけど...」
「それなのそれ!お姉ちゃんって人気あるけど天然なネタキャラ扱いされてるから、異性としては全く人気ないのよ!」
「あははは...、マールさん顔だけは良いのにねぇ...」
アネの言葉に弁解の余地がなく、流石にリーシャも苦笑を浮かべるしかなかった。
「さて、お姉ちゃん叱らなきゃいけないし、さっさと食堂戻ろうねリーシャ」
「うん、そうだね!リオ、行くよ!...ああっ!?柱におしっこ引っ掛けちゃダメだよリオ!!??」
リーシャが食堂へ戻るよとリオに声を掛けると、どうやらリオは柱におしっこを掛けてマーキングをしているみたいだ。
『ワ、ワフッ?』
リオは、ジョボジョボとおしっこを漏らしながら、え?ダメだったの?という感じのちょっとビクついた声を口から漏らす。
「あららら...、まぁ様子的に、リオちゃんも初めてこんなでかい建物に入ったみたいだから仕方がないよ。リオちゃん、次からはメッ!だからね?おしっこしたくなったらちゃんと外に行くんだよ〜?」
アネは軽くコツンとリオの頭にデコピンをした後、優しく叱った。
『クゥゥン...』
リオはもっと怒られるんではと思いながら、申し訳なさそうに、耳を垂らしてビクビクとしながら俯いている。本当に賢く、黒く凶暴そうな見た目の割にはお利口で小心者な犬である。
「あぁ、もう!リオちゃんは可愛いなぁ!!ほら、見てて?私がこの柱にかかったおしっこを一瞬で消してあげるから!」
アネは母性本能をくすぐられたのか、そんなしょぼくれているリオをかき回すように撫で、そのように宣言した。
そして...、
「ファイアーウインド!」
ブォォォォ...
「.....えっ?」
『...クゥゥン?』
アネがリオのおしっこが溜まった床に向けて炎魔法を詠唱した。すると、ドライヤーの弱ほどの緩い風がモワァッと流れ出た。
「あと5分ほど待ってね!」
アネは軽くドヤ顔をしながらそう言う。恐らく、これが彼女の炎魔法の最大火力なのだろう。何故こんなに火力が無いのかと言うと、恐らくは、炎魔法に適性がないのに、無理やり炎魔法を使用しているからだと思われる。
この世界の魔法は、すべて先天的な潜在能力と、適合性原則によって出来るか出来ないかが変わるのだ。
ブォォォォ...、ブォォォォ...、ブォォォォ.....
「...えいっ」
『ワウー』
リーシャとリオは、はじめは見守っていたが、すぐに見ているのが虚しくなっていった。
なので、建物が燃えないように配慮し、リーシャは勇者術の恩恵で使えるようになった炎の力で、リオは普通に炎のブレスでおしっこの水たまりが出来ている部分を一瞬で蒸発させた。
「おぉ〜!リーシャとリオちゃん、炎の扱いが上手!私が出る幕は無かったみたいだ!」
アネは炎を使ったリーシャとリオを見て、パチパチと拍手をして喜ぶ。
「あの...、アネ?普通に勇者術の方の炎使った方が良くないかな?こっちなら元々の素質関係無しに打てるんだからさ...?」
そんなアネを見て、リーシャは何故わざわざ素質の無い炎魔法を使うのかと遠回しに質問をした。
「ふふっ、それは簡単な事だよ。私は極端にしか魔法が使えないの!」
そんな質問に嫌な顔ひとつせず、アネは堂々と真相を語る。
「...あー、なるほど。もしかして勇者の方の炎の力は...?」
「お姉ちゃんが本気で顔を青ざめるほどの威力があるかなぁ?」
「ご、ごめんアネ...、アネは魔法の才能が無いかと思ったらあり過ぎて凄いんだね...」
「えっへん、よくみんなに言われるかな?さぁさぁ、リオちゃんのおしっこの隠滅も終わったし、こんな所で話してないで早く食堂に戻ろう?」
「うんっ!リオ、今度からはおしっこする時は勝手に行っていいから建物の外でするんだよ?」
『ワウッ♪」
「酒じゃぁぁああ!酒!酒を飲むぞプラモぉぉぉぉ!!」
『待て!待つんだマール!ここで貴様に酒を飲ませたら絶対に収拾がつかなくなる気がするぞ!?』
リーシャ達が理事会内を練り歩いている中、彼女達よりも苦労をしているプラモであった。




