再び始まる
5章243話、5章最終話です!!
本来ならば、244話を最終話にするはずだったんですが、2話に分けると明らかにおかしくなるの感じたので1話に固めました。
なので、今日はこの1話のみになります。
1話のみといっても、普段の2.5話分の文字数なので安心してください。
それではどうぞ!!
「なあクジラ?」
「ん?なにヨシノ?」
話が終わり、全員がリビングに戻ったところで、ヨシノがクジラに声をかけた。十中八九プラモの事だろうと予想ができる。
「さっきの、プラモはやりたい事があるって言ってたのはなんなの?それを具体的に言えよ」
予想通り、プラモに関しての事を聞いてきた。普段はぐうたらで基本どうでもいいという発言が目立つ彼女だが、仕事の事になると話は別なようだ。とはいっても、自分のサボれる時間が少しでも欲しいという理由によっての行動である為、彼女の怠け癖の片鱗が見え隠れしている。
「プラモ〜、君についての話だけど、どうする?僕が話す?君が話す?」
クジラは、少しでも仲良くなりたいという理由で、これからリコとリオに餌やりをする事になり、現在進行形で餌やりをしているプラモに声をかけた。
『ふむ...、そこまで重要って訳でもない。そして、私はリコとリオを愛でる事に忙しい。あとはわかるな?』
「はいはい、僕が言えばいいんでしょ?プラモは今日、魔王の仕事を見学してみて、勇者の方も見学してみたくなったらしいんだよ。だから、店の手伝いは何日か後からにしてほしいなぁってね...?」
「なるほどなるほど...。まぁプラモが自分の意思でそう言ってんならいいんじゃね?でも、勇者のお偉いさんに話通したりしなくていいの?流石に勇者は、お前の所みたいに適当じゃあないでしょ?」
ヨシノはクジラから話を聞き、ふむふむと頷きながら話す。
「その必要は無いよ!勇者側の会長もかなり適当な人だから1人増えたところでカラカラと笑って受け流すよきっと。だから、明日は一緒に行こうよ!」
リーシャは椅子に座り、ドキドキワクワクとした様子で日本で買った独特なタッチで描かれた特殊な呼吸法を扱う戦闘系の漫画を読みながら告げた。勇者の彼女が言うのだから、恐らく、事前に頼みに行かなくても大丈夫なのだろう。
「んー、それなら朝早くに勇者理事会へ行って、会長に挨拶とプラモの件のお願いをしに行くかな?」
彼女の言葉を聞き、彼は、突然アポ無しで行かせるのなら、挨拶のひとつも無しでは流石にダメだろうと思った。その為、自分も一緒に挨拶しに行くと話しをする。
『そういう事ならば、明日は勇者の仕事を見学しても大丈夫なのだろうか?』
彼らの会話を横で聞いていたプラモは、最終的に明日見学するという事でいいのかと尋ねた。
「うん、全然いいよ!ぜひおいで!私のかっこいい所を見せてあげるから!」
それに対してリーシャはニコッとして、見る人を良い気持ちにさせるような笑顔を浮かべ、プラモの見学を歓迎するよと伝える。
『うむ!今日はクジラがかなりカッコ悪かったからな。明日のリーシャを期待していよう』
プラモは大きく頷き、クジラをチラッと見ながら軽く茶化す。
「ひっどいなぁ...、僕だってその気になれば超かっこいい所を連発して見せられるのに...、多分...」
クジラは、餌をモシャモシャと美味しそうに食べるリコの頭を撫でながら愚痴った。
「うーん、かっこ悪いほうがクジラらしいし、そっちの方が私は断然好きだよ?」
ぱらっと漫画のページをめくりながら、何気なくリーシャは呟く。クジラの顔は一切見ていない。
「んなっ...!?」
それによって、クジラの顔はボッと赤くなる。彼女は本当に何気なく軽口として適当に呟いたようで、そんな彼の様子に気付く素振りもない。
「ふふっ、そうねぇ。クジラはヘタレな方が素敵よ。私も好きよ?」
ヤヨイはその光景を面白がり、クスクスと笑いながら話しに加わり、更には腕をとって悪そうな笑みを作る。クジラと一緒にリーシャを弄る気満々である。
「や、ヤヨイまでっ...!?って近いよ!」
クジラは羞恥に顔を染めながら5cmも離れていないヤヨイの顔の方を向く。
「ちょっとヤヨイ!?私のクジラに何してんのさ!?」
リーシャはクジラの声に反応してチラリとクジラとヤヨイの方見ると、2人がくっついている為、慌てて漫画を机に置き、間に割り込んだ。
「うふふっ、いくら愛のある言葉を投げつけても、夫を自分の管理下から出していると、いつの間にか何処かの泥棒猫に掻っ攫われる可能性があるから気をつけるのよ?」
ヤヨイはリーシャの額をツンツンと触りながら笑い、語った。
「むぅぅ、でもクジラはそんな変な女に引っかからないもん...ね?」
「...えっと、あ、あはは?(可愛すぎて変に回答ができない...)」
リーシャはムスッとしながらクジラを見る。濁りの無い宝石のように綺麗な赤い瞳でじっと見つめられ、クジラは何も言えなくなっていた。やはり彼はかなりヘタレである。
「クジラぁ!お願いだからまともな返事してよぉ〜!」
何も言えずにヘタレを露見させた彼に対し、リーシャはムスッとした顔を膨らませながらポカポカとクジラの胸あたりに拳をぶつけた。
「ご、ごめんねリーシャ!痛っ!鳩尾入った!地味に痛い!」
「クジラがっ!私以外の女に手を出さないって誓うまでっ!殴るのをやめないっ!」
漫画に影響されたのか、どこかで聞いた事のあるような台詞を改変した言葉を叫びながらポカポカと叩き続ける。力は殆ど入れてないので、なんというか微笑ましい光景であった。
「ごめんね!誓う誓う!絶対誓う!僕はリーシャが大好きだから君以外に手を出さないよ!」
クジラはそんなリーシャを見て若干頬を緩めながらそう告げる。
「そんな、可愛いだなんて...。えへへ///」
リーシャはクジラの誓いを聞くと、朱に染まる頰に手を当て、えへえへと笑った。
「...そもそもはじめにまともに喋れなかったのは、ついリーシャに見惚れてたからだよ?」
オマケとばかりに、クジラは目をそらして頬をポリポリの掻きながら追撃する。
「ふえぇ!?まったくもう...///
他の女との浮気未遂を許すのは今回だけだからね!?ヤヨイも、次クジラに手を出したら、本気で怒るから覚悟しててるんだよ!?」
リーシャはそんなクジラの言動に、ニコニコとしながら今回だけは許すが、次からは許さないと宣言した。彼女の性格上、もしもクジラが重度の女たらしでも、このような甘い言葉で、ついつい許してしまう都合の良い女になってしまいそうである。
「ごめんねリーシャ。僕も他の女の人とはあまり、肉体的な接触をしないよう心掛けるから許してね?」
だが、このクジラはもしもで例に出したような女たらしではなく、その真逆のような人間である為、最愛の彼女の頭を優しく撫でながら、次からは気をつけるという言葉を、真剣な様子で口にした。
「ちっ、一家共同のリビングで惚気んなよなぁ...。やるんなら愛の巣である自室でやれっての...」
『まったくだ。何故リア充というものは人の目があるところでイチャつきたがるのだろうか?』
「申し訳ないわね、弄るつもりが独り身をイラつかせるような流れを作ってしまったわ。現にわたしもいらつきが半端ないわね...」
惚気始めたカップルの周りにいた2人と1体は、それぞれブツブツと怨念の篭ってそうな会話を始める。
「わぁぁぁ!!ごめんみんな!!はっ!?わかった!お腹が空いてるからそんな暗い会話が成立しちゃうんだよ!夜ご飯にしよう!!」
流石にそんなネガティヴな会話が聞こえるところではイチャつけなかったようだ。クジラは一旦叫んで会話を強制終了させ、晩御飯の支度を始める。といってもどんな料理を具現化しようか考えているだけなのだが...。
「クジラ!私、カレーが食べたい!」
そんなクジラの考えを簡単に読み取り、リーシャはリクエストを出した。
「ん?リーシャはカレーがいいの?わかったよ、みんなもカレーでいい?」
彼はそれに頷き、他のみんなにもそれでいいか聞いてみる。
「「ちっ...、超辛口で」」
独り身女性陣2人は、すぐに惚気始めるバカップルを見ながら味の指定をした。
『カレーとは知らないが、私はなんでもいいぞ?』
「うん、とりあえず辛口ね。わかった...、はい完成!それじゃあ食べよっか!」
クジラは10秒程度で晩ご飯を創り終え、自分の席に着くと、手を合わせる。
他のみんなも同じように席に着き、手を合わせる。気が付けばヨシノの隣にプラモの席もしっかりと誕生していた。
「それでは...」
「「「「『いただきます!』」」」」
クジラの合図で息を合わせ、みんなで合唱をし、カレーをガッついて食べ始める。まるで、今日で旅行でついたサビ取りは完了した為、明日からは本格的に仕事を頑張るぞという気持ちの表れに感じた。
また明日から、彼らのゆるい日常が再開するようである。
はい、5章最終話でした。
次は、キャラ紹介です。
かなりキャラ出た気もするので、下手したら明日はキャラ紹介だけで終わるかも?
閑話の予定は、クジラが土精霊以外の精霊を召喚する話と、外伝としてリーシャとリオ、プラモのトリオで勇者の1日をやるつもりかな?
その2つが主であり、それ以外にも思いつきの単発閑話をやるかもしれません。
どうぞご期待ください!!




