うっかり☆
5章237話になります!
本日2回目の投稿です!!
それではどうぞ!!
「ふぃー、干からびて皮みてぇになった肉が殆どだったが、普通の宝も埋まってるもんだな」
3人は塩をトコトン掘り続け、ようやく宝物庫を調べ尽くす事が出来た。
食料庫と勘違いしてしまうレベルに肉が埋まっていたが、それ以外にも錆びひとつない金の塊や、錆びきってはいるがくっきりと刻印が打ち込んであり、プラモの情報だと、名のある鍛冶屋が打ち込んだとされる剣などが発掘された。
ザッと見て、合計5000万モールするかしないかという感じである。
その品達は、全てヴァーチュの物となる約束をした為、彼もなかなかに上機嫌であった。
『さて、もうここに居座る意味もないだろう。残してきた子犬達が心配だ、さっさと帰らないか?』
プラモはそう言って帰還を急かす。
「うん、起きちゃってたら絶対に寂しがるもんね。早く帰ってあげよう」
クジラはそれに同意し、空間に裂け目を生じさせた。
「さてっ!早く帰ろうぜ!俺はこれを金に変えて来なければいけないからな!」
ヴァーチュは、クジラに具現化してもらった風呂敷に宝を包んで背負いながら、1番乗りで裂け目を潜る。
「さ、僕らも帰ろ?」
『うむ、先に裂け目に入らせてもらうぞ?』
後を追って、プラモ、クジラの順番で管理層へと帰還を果たした。
「あれ?ヴァーチュ、いないし...。まぁ、いっか」
『あやつも相当自由奔放な人間なのだな...』
ようやく帰還したと思ったら、先に管理層に戻ったはずのヴァーチュの姿が無かった。
きっと、戻ってきた瞬間に自前の魔王術の空間移動を使って、換金屋にでもいったのだろう。
クジラとプラモは、ヴァーチュの不在を対して気にも留めず、彼らが神殿にて1番心配で仕方がなかったものを探した。
『ワフッ!ワンワン!』『ワウゥゥゥ!』
クジラとプラモが管理層の地へと降り立ち、辺りを見回すと、隅っこの方をウロウロとしていたリコとリオが、尻尾をブンブンと振り回しながら走って出迎えに来てくれた。もちろん、寄っていくのはクジラの方で、子犬達が寄ってこなかったプラモは、どこか哀愁漂う様子である。
「よしよし、寝ている間にいなくなったりしてごめんね?」
クジラは床に膝をつき、両者の頭を撫でながら軽く謝る。2匹とも相当不安で寂しかったのか、クジラの膝の上に前足を乗せ、ガッつくように戯れにかかった。
「あはは、なんかリオも僕に懐いてきて嬉しいな。2匹とも、僕とリーシャ、ヨシノにヤヨイにプラモは、絶対に君達の事を見捨てたりはしないから、安心して帰りを待っててくれていいんだよ?...って、こんな事言ったってまだ小さいし、わからないか」
彼はそんな構って欲しそうに戯れてくる2匹の子犬に対し、この2匹は内心で捨てられないかと怯えているのではないかと考え、言葉を入念に選び、優しく話す。
『ワフッ!』『ワウゥッ!』
クジラの思いが伝わったのか、2匹は尻尾をブンブンと振り回しながら元気の良い声をあげた。
『くっ...、羨ましい...』
そんなクジラとリコリオの横では、プラモがその光景を目にし、自分も子犬と戯れたいという意欲を湧きたてながら立ち尽くしている。もしもこいつが人間ならば、特に何でもないのだが、プラモはロボットである為、なんともシュールな光景に見えていた。
「さてと、僕はサボったせいで溜まったお仕事をこなさなきゃいけないから、子犬達の世話を頼むよ?」
『う、うむ...』
「大丈夫だって!プラモが怖がらせずに優しく接してれば2匹も心を開いてくれるからさ!それじゃあ頼むよ!あ、あとこれテーブルにでも置いといて!」
クジラは、ご機嫌で足元をパタパタ駆け回る2匹を軽く躱しながら、プラモに頼みを入れ、勇者石と魔王石の入った箱を渡す...
「うわぁっ!?」
しかし、渡そうとしたところで、リコがジャンプして彼の膝の裏へ頭突き。膝カックンのようにバランスを崩し、うっかり箱を投げ飛ばしてしまう。
ガチャン!
そして、瓶の中はドロドロと地面に流れ始める。
「あぁっ!?2億!?」
クジラは掻き集めて瓶に戻そうと考え、行動を起こそうとした。
だが、もう遅い...。
ピチャピチャ
流れ出る白い液体はリコが、黒い液体の方はリオがペロペロと舌で掬い、飲み始めていた。
「ぎゃぁぁあああああああーーー!!!」
クジラは叫ぶしかなかった。




