↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エロゲーの悪役貴族に転生した俺は、口を開けばエロワードしか喋れないセクハラ貴族だった  作者: 十凪高志


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/20

第15話 キメラ襲撃


 さて、改めて言う事でもないが俺の魔法はおかしい。

 俺のスキル、【エロワード・エロリズム】は先生曰く、因果律の改変だとか。

 ただしこれが、意図的に現実を改変するというものではなく、強制的にエロになってしまうというクソ厄介なものである。


 ファイアーボルトという、炎を撃ちだす魔法を俺が使った場合、対象は身体が炎のように火照って絶頂してしまう。

 藁で組んだ人形の的が顔真っ赤にして湯気をあげながら前進を震わせて股間から潮を吹いた時は何事かと思った。


 そんなものを王女様の前で披露したらどうなるか。想像するだけで頭を抱えたくなる。


 さて、となると……サンダーボルトの魔法か。

 これは雷撃を敵に叩きこむ魔法だ。

 しかし俺が使うと、相手の乳首や股間の電撃を叩き込んでアヘアヘと痺れさせるという、とてもアレな魔法……サンダーアヘボルトになってしまう。


 しかし、だ。


 はたから見たら電撃が胸や下半身に当たり、そのダメージで悶絶しているだけ、に見えなくもない。

 つまり、これならばまだ誤魔化しは効くのだ。たぶん。少なくとも性的に無知なリンセ王女なら大丈夫だろう。


 一か八か、これでいくしかない。


「では――」


 雷の精霊よ。我エドワルド・エルニズムが命じる――


 そう、呪文を詠唱しようとした時だった。


「――!」


 ふいに、空気が変わる感覚。

 例えるなら、空気清浄機で清潔に保っていた部屋に、砂埃や悪臭が流れ込んでくるような――


 まさか、これは。


「結界が――!」


 先生が声を上げる。間違いない。

 屋敷に敷いていた防御結界が破られたのだ。


 屋敷などに敷かれている結界は、魔物避けの結界だ。

 物理的な障壁ではなく、魔物に対して強力な嫌悪感や恐怖を抱かせる結界だ。そしてそれは設置された魔法道具、アーティファクトによって行われている。


 それが――その結界が消えた。


 そして。


「グルゥオオオオオオ――――オ!」



 獣の咆哮が響いた。

 森の奥から木々をなぎ倒すような音が迫ってくる。


「魔物だ!」


 誰かが叫んだ。

 次の瞬間、茂みを突き破るようにして巨大な獣が姿を現した。


「ワイルドベーシックキメラ!」


 獅子の頭。山羊の胴。 蛇の尾。

 キメラ。キマイラとも呼ばれる、錬金術によって生まれた合成魔獣だ。

 多種多様な姿と性質を持つが、もっとも有名なのは獅子と山羊と蛇の合成だ。そしてそのキメラが野生化し繁殖したものが、ワイルドベーシックキメラだ。名前が長いので「ワックキメラ」「ワック」と呼ばれている。


 そのワックキメラが――八匹。

 唸り声を上げながら庭園へ雪崩れ込んできた。


「姫様をお守りしろ!」


 王宮騎士の声が響く。結界の消去に気づき、王女の警護に来たのだろう。

 流石は王家直属の護衛だ。


 彼らの反応は速い。

 抜剣。展開。そして迎撃。


 一連の動作に無駄は無かった。


「はあああっ!」


 先頭の騎士が斬りかかる。

 鋭い一閃。


 ――しかし。


「グォオオオオ!」


 ワックキメラは爪でその剣を弾き飛ばした。


「なっ――」


 驚愕する騎士。

 ワックキメラどもはその隙を逃さない。

 獅子の前脚が振り下ろされた。


 鎧がひしゃげる轟音が響き 騎士の身体が吹き飛んだ。


「ぐああっ!」


 十メートル近く地面を転がり、石畳へ激突した。


「隊長!」


 別の騎士が叫ぶ。

 だがその声も長くは続かない。

 二体目のキメラが突進してきた。


「くっ!」


 騎士は盾を構え、そのキメラの突進を受け止める。

 だが――押し切れない。


「くっ……!」


 その巨体に耐えきれず、盾ごと弾き飛ばされる。

 さらに蛇の尾が横薙ぎに振るわれた。


「ぐああーっ!」


 騎士の身体が宙を舞い、そして地面に転がった。


「いけない!」


 侍女の一人が青ざめる。

 王宮騎士は弱くない。むしろ精鋭だ。

 それが、こうも簡単に突破されるなど。


「陣形を組め!」

「間に合いません!」


 騎士たちが叫ぶ。

 しかしキメラは八体もいる。

 突破された前衛の隙間から、数体がすでに王女たちへ迫っていた。


「――!」


 キメラが跳躍した。

 鋭い牙。

 巨大な爪。

 その全てが王女たちへ向けられる。


 こいつら、あきらかに王女を狙っている――!?


「しまった! やべーぞレイプだそれも獣姦!」


 こんな時も俺のセクハラスキルは絶好調だった。空気読めよ俺の口!

 間に合わない――

 だが。


「ギッ!」「グゴッ!」


 ワックたちの爪牙は、王女に届く事は無かった。

 空間に突如現れた、半透明の光の膜――いや壁に阻まれたのだ。

 そして、先生が杖を全面に押し出している。


「これは……」


 リンセ王女が声を上げる。

 あれは――防御結界魔法、それも無詠唱か!


 無詠唱の一番のメリットは、詠唱時間の破棄だ。

 防御結界魔法は本来、詠唱にことさら時間がかかる魔法のため、陣を敷いての局地防御に用いられる事がほとんどだ。

 だが、無詠唱であるなら今回のような不意打ちの襲撃にも対処できる。

 なるほど、これが無詠唱魔術の真骨頂ということだ。


「エロ先生ナイスです、さすが五十年ものの鉄の処女膜!」

「それをブチ破ったのは君だけどね、とにかくエド、迎撃お願い!」


 防御結界魔法は術者が維持をしなければ効果を発揮し続けない。

 つまり王女たちを守っている間、攻撃魔術は使えないと言う事だ。

 だから、このキメラたちを倒せるのは――俺だけだ。

 ……いや、俺だけかよ!?

 このシチュエーションで? お姫様たちの前で戦え、と?

 この俺が?


 先生は結界の維持で戦えない。トゥーンは論外だ。そしてリルもゲーム本編ならともかく今はまだ幼すぎる。消去法で俺しかない。

 そして確かに俺には、魔法がある。


 ……セクハラ魔法だけど。


 そしてそれを、リンセ王女の前でやれというのか。

 やりたくない。

 だけど、やるしかないのだ。


「……犯るしか、ない、か」


 さて、とするとどうする。

 一発ずつアヘらせるか?

 いや……それだと時間がかかってしまう。なるべく早く決めないといけない。

 だったら……。


 俺は呪文を詠唱する。


 我、エドワルド・エルニズムが汝が脳に、根源に命ずる――! 汝が敵は汝が同胞、汝が同胞は汝が敵なり。聞き信じよ、我が声と己の心に従いただ求められるままに動け――!


「我、エドワルド・エルニズムが汝がドピンク脳に、根源に命ずる――! 汝が敵は汝がセフレ、汝がセフレは汝がセフレなり。聞き信じよ、我が声と己の性癖に従いただ求められるままに襲え――!」


 俺の口がまたわけのわからん口上を垂れ流した。

 本来はこの魔法は、対象を混乱させ同士討ちさせる範囲魔法だ。

 それが今回、この俺のスキルによってどう変貌するのか――。


「……」


 ワックキメラたちが、


「アヒィィィィン♡」「ングオオオオン♡」「ヴォオオオン♡」


 一斉に交尾を始めた。

 しかも――こいつら、獅子の頭の鬣から全員オスなのに、だ。

 うん、めちゃくちゃ混乱はてるなこいつら。


「ねえ、あの魔物たち何を――」

「見てはいけません姫様!」


 リンセ王女の目を手でふさぐ侍女さんたちだった。御迷惑おかけします。


「うん、そんな気はしてた」


 先生が言う。


「ともかく、今のうちにトドメを刺そう」


 その先生の言葉に俺は頷いた。

 そして数分もかからず、ワイルドベーシックキメラの群れは全滅した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。