6
雨は細くなっていた。
止んだのではない。
空はまだ低く、庭の土は黒い。
踏み石の周りには水が残り、軒から落ちる雫が、同じところを叩き続けている。
弥七の死から、幾日も経っていない。
館の者たちは、表向きには変わらなかった。
膳は変わらず丁寧に運ばれ、肌寒さを感じる前に火は入れられる。
帳は置かれ、廊下は拭かれる。
若君に対して、非礼などは一つたりともなく、この時代における最上級の扱いをされている。
だが、龍王丸の前を通る者の足音は、少しだけ細くなった。
皆そっと、息を殺して生きている。
それは何か咎められぬようにというより、龍王丸に存在を認められないようにというような素振りだ。
その変質をはっきりと言葉にする者はいない。言葉にすれば龍王丸を、そう、であると認めるからだ。
そう、であるものを自身の主君としなければいけないからだ。それが嫌ならば、立ち向かうほかはない。
しかし、その気概を持つものは屋敷には少なかった。
その日、龍王丸は中御門殿の御前へ呼ばれた。
中御門殿は母である。
本来の幼子ならばもっと頻繁に会う。そもそも親の手元から離されもしないかもしれない。
しかし、龍王丸は他の子供よりずっと早く親元から離れ、中御門殿に対して御台所として恭しく接した。
そのことが、生母との距離を一層あけ、二人の間に一言で言い表せぬ複雑性を生むことになった。
つまるところ、中御門が龍王丸を呼び出すのは相当のことである、ということだった。
龍王丸はふと懐かしく思った。久しぶりの母の間の香の匂いが数年前を想起させたのだ。
雨の日の湿気を押し返すような、静かな香である。
御簾は半ば下ろされている。
その奥に、中御門殿が座っていた。
顔ははっきりとは見えない。
見えるのは、白い手と、扇である。
お元気そうだ。そう思い、龍王丸は内心ほっとする。長雨は体に毒だ。
母の扇は開かれていた。
薄い紙に描かれた草花が、灯の揺れでわずかに動いて見える。
龍王丸は座った。
その前には、老臣が数人いた。
いずれも、父に古くから仕える者たちである。
老側付きもいる。
顔は固い。
あの下役の一件の後、老側付きは龍王丸を見る時、以前より深く頭を下げるようになった。
それが敬いなのか、恐れなのか、龍王丸には分からない。
母の扇が、静かに鳴った。
ぱちり。
それだけで、座の者が背を正した。
何事か始まるのだな、と龍王丸はただ目を細めた。
「若君」
老臣の一人が口を開いた。
「人の上に立つ者は、才のみでは足りませぬ」
龍王丸は黙っていた。
もっともなことだったからだ。才覚、つまり、物覚えの良さ、機転だけではリーダーは務まらない。
何事も部下の調子には気を使い、心身の変調には気を払わなければいけない。
ただ、そのような気遣いも頭の良さと同じくらい、才能といえなくもない。
と、言いたくなったが黙って小さくうなづいた。
「才は人を驚かせます。されど、人を安んじさせるものではございませぬ」
別の老臣が続ける。
「徳にございます」
徳。
龍王丸は、その言葉を聞いていた。
雨音が遠い。
「唐土に曰く、徳は孤ならず、必ず隣あり、と」
老臣は静かに言った。
「徳ある者は、ひとりではございませぬ。人が寄りまする。人が寄れば、御家は固まりまする」
その老臣は御簾の方を一瞥した後、最後に言い切った。
「御家が固まれば、間違いはのうございます」
徳は間違いを無くすのか。
龍王丸は、膝の上に置いた手を見た。
小さい手だ。
この手で、あの下役に触れてはいない。
それでも、あの者は死に、家は揺れている。
自分の間違いだった。だが、自分の行いは徳がなかったのか。
徳、それは道義心だ。
道義は人一倍気を付けたはずだ、と龍王丸は思った。
では自分の行いに正しかったのか。
頷けない。
現に死なせるつもりがなかったものが死んだ。
龍王丸の殊勝な態度を見て、良しとした老臣は続ける。
「また、政を為すに徳を以てすれば、北辰のその所に居て、衆星これに共うがごとし、とも申しまする」
北辰。
龍王丸は顔を上げた。
「君は動かず、徳をもって人を導くものにございます。恐れで人を集めれば、人は散ります。徳で人を集めれば、人は離れませぬ」
言葉は正しい。おそらく、正しい。
だが、龍王丸は頷きがたい。
前世の、今生の、行いと結果がどうにも食い違うのだ。
それが徳の有無では説明がつかない。
龍王丸は、ぽつりと言った。言ってしまった。
「徳を尊べば、私は間違えずに済みますか」
老臣の一人が、少し眉を動かした。
反論ではない。
老臣は答えに詰まったが、咳払い一つ挟み口を開いた。
「徳は、間違いをなくすものではございませぬ」
それは先ほどの言と食い違うのでは、と思ったが考えを改める。
「では」
龍王丸は言った。
「間違えた時、徳はそれを知らせますか」
座が静まる。
また仕損じたかと思いつつも、聞きたかった。
失敗しない、間違えない人間の心得とはどのようなものなのか。
中御門殿の扇が止まった。
老臣は、ゆっくり答えた。
「徳ある者には、諫める者が集まりましょう」
「諫める者が、恐れて口を閉じれば」
龍王丸は、また問うた。
「どうなりますか」
老臣の顔が固くなった。
龍王丸は、畳を見た。
心根が美しくとも、道義が宿っていても、行いが苛烈であれば諫める人は離れる。
諫められなければ、才人とて間違う。その間違いで誰かが死ぬ。
徳を第一の信条とするのは、正しくないのかもしれない。龍王丸はそう思った。
老臣の一人が、少し身を乗り出した。
「なるほど若君。人を恐れさせぬためにも、仁を兼ねる必要がありますな」
仁。
龍王丸の好きな言葉だ。儒教の徳で、思いやり、慈しみ。
中々手に入らないがゆえに欲している。
「仁者に敵なし、と申します。仁ある君は、刑より先に人を活かしまする。人は、恐れだけでは保てませぬ。情けがあってこそ、御家に身を寄せるのです」
龍王丸は、その言葉も聞いた。
情け。
あの夜、自分は情けをかけたつもりだった。
あの男に情けをかけ、家にとどまれるようにしたつもりだった。
だが、あの男は家を、龍王丸から離れようと死んだ。
仁があれば、すべてうまく収まったのだろうか。
「仁者に敵なし、誠か」
龍王丸は繰り返した。
「疑いなく」
老臣があまりに自信に満ち溢れてそういうので、思わず聞いた。
頭を埋めつくさんとする懊悩から解放されたかった。
「宋襄の仁は兵を救わなかった。これは何故」
老臣たちの顔が強ばった。
龍王丸は、まだ静かだった。
責めたつもりはない。
ただ、問うた。知りたかった。前世と今生の疑念を晴らしたかった。
老臣の一人が答える。
「宋襄の仁は、仁の名を借りた拙さにございます」
声に、少し硬さが混じった答えだった。
「真の仁とは、時を誤らぬもの。敵を利し、味方を死なせるものは、仁ではございませぬ」
龍王丸は頷かなかった。だが、一定の納得感はあった。
ただ、補足するのであれば、と付け加える。
「ならば仁にも、時を見る目が要る。仁徳のみでは間違おう」
老臣の口元が固くなる。
老側付きが、少し身じろぎした。
座はまだ壊れていない。
しかし、畳の下に水がしみるように、何かが広がっていた。
別の老臣が言った。
「信でございます」
龍王丸は、その老臣を見た。
「民、信なくば立たず、と申します。食があり、兵があっても、信がなければ国は立ちませぬ」
老臣は、まっすぐに龍王丸を見た。
「人は、君を信じてこそ従いまする。若君が信を失えば、蔵も、帳も、兵も、すべて形だけのものとなりましょう」
龍王丸は息を吸った。
信。
信用、信頼と言い換えてもよい。これも龍王丸が好きな言葉だった。
だが、信があればよいのだろうかとも思う。
その人を信頼し、能力を信用し、大きな仕事を任すというのは美しいことかもしれない。
ただ、人はその与えらえた信頼を裏切るのを恐れる。
恐れるがゆえに、
「信を守るために、間違いを伏せれば」
龍王丸は言った。
「間違いは大きくなる」
老臣は黙った。
「仁徳を見る目として、信では不足」
龍王丸の声は、少しだけ低くなった。
誰かに言い聞かせる言葉ではなく、自分自身に言い聞かせるように言った。
信は重要だが、心がけだけでは間違いは防げない。
「徳、仁、信、これを兼ね備えても正道には至らず。同じ過ちを繰り返し、同じ様に人は死ぬな」
かといって、どうすればよいのだろうか。
ほかの五徳か。誰か教えてくれないのだろうか。
雨音が、また大きく聞こえた。
誰も、すぐには答えない。
龍王丸は、膝の上の手を握った。目を閉じて五秒数える。
アンガーマネジメント、セルフコントロールだ。
潮が引くように、懊悩が静まっていく。
長く息を吐き出し、ここまでだなと、諦めた。
ここで止めるべきと判断する。
母の御前であり、老臣たちの面目もある。
もはや何も手に入らぬのに、踏み込む必要はない。
老臣の一人が、最初に徳を説いたものが言った。
固い顔だった。両の手は膝の上で拳を形作っている。
「若君」
その声には、明らかな怒りがあった。
「我らは、人を死なせるために徳を説いているのではございませぬ」
「伝わっている」
「であるならば」
老臣の声が強くなる。
「なぜ、そのように刃を向けられる」
龍王丸は黙った。
老臣は続けた。
「唐土の書は、人を斬るためのものではございませぬ」
座が動かない。
御簾の奥の扇も動かない。
「若君は、書を刃にしておられる」
龍王丸は、その言葉を受けた。
そうかもしれない。故事を舌先でもてあそび、揚げ足を取った。
その結果、老臣は心を切られたと感じた。ならば、龍王丸が書でこの老臣を切ったのだ。
「若君、皆恐れております。ほかでもないあなた様をです。皆、あなた様が何を考えているのか、何をなさりたいのかわからないのです」
その老臣を止めるものはないなかった。静けさは周囲の賛同であった。
龍王丸は、少し考えた。
考えながら雨を見た、それから抜かるんだ土、最後に蔵を見た。
それから問うた。
「何が分からない」
老臣は、すぐには答えなかった。
何が、と聞かれるとは思っていなかったのだろう。
座の者たちも、わずかに息を詰めた。
龍王丸は待った。
老臣は、言葉を選ぶように口を開く。
「ご無礼ながら、若君は突拍子もないことをされまする。下々はそれが御慈悲なのか、御咎めなのか、判別できませぬ」
龍王丸は黙っていた。
「御沙汰なのか、御戯れなのか」
老臣の声は、少しかすれていた。
「怒っておいでなのか、助けようとしておいでなのか」
雨音が、遠くなる。
「それが、分かりませぬ」
龍王丸は、老臣の言葉を聞いていた。
それらが人には混じって見えるのか。
龍王丸は、膝の上の手を見た。
「ならば」
静かに言う。
「咎めぬ時は、咎めぬと言えばよいか」
老臣の眉が動いた。
「情けの時は、情けと言えばよいか」
誰も答えない。
「沙汰の時は、沙汰と言えばよいか。戯れではない時は、戯れではないと言えばよいか」
老臣たちは黙った。
龍王丸は続けた。
「良し悪しの筋を、先に示せばよいか」
雨音が続く。
龍王丸は、本当に問うていた。
だが、その問いが、さらに座を冷やしていることも分かった。
また違えた。
しかし、どこが違うのか分からない。
龍王丸は、老臣を見た。
「私には、何が足らぬ」
その言葉で、老臣の顔が変わった。
龍王丸は続ける。
「何があればよい。何があれば、人は口を閉じずに済む。何があれば、間違いを言える。何があれば、死なずに済む」
老臣は、拳を握った。
「若君」
声が震えていた。
「それでございます」
龍王丸は黙った。
「足らぬものを足せばよいとお考えになる。それが、我らには怖ろしいのです」
座の空気がさらに冷えた。
「人の心は、蔵の米ではございませぬ。帳の空白でもございませぬ。足して、埋めて、整えれば済むものではございませぬ」
老臣は、そこで一度息を吸った。
だが、怒りは止まらなかった。
「若君には、人の心が」
雷鳴。
まさに霹靂であった。
突如降った雷は、老臣の言葉を押しとどめた。
龍王丸は深く、静かに息を吐く。その先は、危うかったからだ。
人の心がないのか。人の心がわからないのか。
どちらにも続きかねない言葉だった。
そして、そのどちらもが主君の嫡子に向けることは許されない。
老臣自身も、踏み越えかけていることに気づいたのだろう。
顔が青ざめている。
今川の嫡男に対し、衆人の前、それも母である中御門殿の御前で、そなたは人心なき御方であると言いかけた。
それは、老臣の失言では済まない。老臣の一門にも咎が及びうる。
龍王丸は目を細め、揺れる御簾の先を見た。固く扇を握りしめる手を見た。
息を吐いた。失敗を認めた。
そして、小さく笑った。
「はは」
座の者たちが、動きを止めた。
龍王丸は、頭を下げた。
「浅学であった」
老臣たちが息を止める。
「書を諳んじられるようになっても、身にはつかぬし心が追いつかぬ。
誠、そなたらが正しい。心が追いつかぬのに、形だけ足そうとするのも浅ましい」
さらに頭を下げる。
「母上」
御簾が揺れる。扇は閉じられていた。
「お騒がせしました。お許しください」
声は静かだった。
雨音だけが続いた。
====
龍王丸は下がった。
去り際の所作は、教わった通りであった。
いや、教わった以上であった。
今川の血を引く男子の中には、龍王丸より年長の者もいる。
だが、礼法において、あれより上の者はいない。
無論、それは礼法に限った話ではない。
限った話ではないということが、ことをややこしくしているのだった。
龍王丸の足音の余韻さえ消えても、誰もすぐには口を開かなかった。
老臣は、開きかけた口を閉じた。
老側付きは、深く息を吸った。
別の老臣が、ようやく絞り出した。
「若君は、まこと、まことに、聡うございますな」
それは、誉め言葉ではなかった。
誰も、すぐには頷かなかった。
誰も、否定もしなかった。
ただ、雨音だけが続いている。
「本来は」
やがて、一人が低く言った。
「蔵の夜のことを、伺うはずでございましたな」
誰も返さなかった。
「若君が、なぜ夜半に蔵へ向かわれたのか。あの下役に何を仰せられたのか。何を見、何を咎め、何を許されたのか」
そのための場であった。
母である中御門殿の御前で、若君の心を荒立てず、問い、聞き、鎮める。
そのつもりであった。
「それが」
別の老臣が、苦く言った。
「徳だ、仁だ、信だと」
笑う者はいない。
龍王丸に話を逸らされた、とは誰も言わなかった。
幼子に呑まれた、などとはなおさら言わなかった。
だが、確かめるべきことは、確かめられなかった。
「我らに、落ち着きがなかったのでございましょう」
老臣の一人が言った。
「詰問するつもりではなかった」
皆が頷きかけたその時、一つの声が上がった。
「そもそも、若君にさほどの過ちはありましょうか」
いまだ席を立っていない、龍王丸の老側付きだった。
老臣たちの目が、御簾と、龍王丸の去った廊下の方へ動いた。
老側付きは、顔を上げないまま続けた。
「あの夜、若君が咎められるべきは、夜半に御一人で蔵へ向かわれたこと。それは確かに不用心にございます」
言葉を切る。
「されど、それだけにございます」
老臣たちは黙った。
「若君は、あの下役を罰してはおられませぬ。手討ちにもしておられませぬ。米を戻させ、帳を改めよと仰せられた。家を追えとも、縛れとも、命じてはおられませぬ。御屋形様の領分を犯したわけでもございませぬ」
老側付きの声は、静かだった。
「衆目の中で、詰問されるほどの咎は、ございませなんだ。咎があるとすれば、御身を止められなんだ我ら側付きにございます」
座が重く沈んだ。
誰も反論しなかった。
あの下役は死んだ。
不吉な詫び状を書き残し、満足そうな顔で喉を突いた。
まるで高僧のような姿だったと、見分した者が言った。
そこから噂がひとりでに歩き回り、聡明な、聡明すぎる若君と結びつき、今日に至った。
若君の行いを一つ一つ数えれば、確かに咎めは薄い。
これを責めすぎれば、嫡男への難癖と取られても仕方がない。
だが。
「では、何も問わぬままでよいと申すか。若君はあのままでよいと申すか」
老臣の一人が言った。
「そうは、そうは申しませぬ」
老側付きは答えた。
「ただ、このように御重臣方が御台様の場で言葉を浴びせかけるなど、あまりに」
老臣は黙った。
御簾の奥で、扇が小さく鳴った。
ぱちり。
中御門殿は、まだ何も言わない。
老臣の一人が、深く息を吐いた。
「……落ち着かなかった」
それは、誰に向けた言葉でもなかった。
「若君のことも、あの下役のことも、館の者らの目も。何もかも、落ち着かなかった」
別の老臣が、わずかに頷いた。
「それで、このようなことになった。それは我らの落ち度である」
雨音だけが続いた。
老側付きは、まだ得心がいっていないようだった。
憮然として、言った。
「どうか先ほどの言は、二度となさいませぬよう」
誰も、すぐには答えなかった。
老側付きは続けた。
「人の心が、という言は、場合によってはことがことになりまする」
「分かっておる」
老臣自身、あの言葉に何をつなげようとしたのか分からなかった。
人の心がない。
人の心が分からない。
いずれも、今川の嫡男に向けてよい言葉ではない。
老臣は、ひそかに身を震わせた。
もし、あの時の稲光がなければ、自分は何を言ったのだろうか。
「分かっておりまする」
老臣が言い直すと、御簾の奥で、扇が閉じられた。
ぱたり。
その音で、座の者たちは一斉に姿勢を正した。
ようやく、中御門殿が口を開いた。
「あの子のことで、家中を割ることはなりませぬ」
静かな声だった。
若い声でもあった。
「遠江の御屋形様も、それはお望みではありますまい」
雨音が続く。
「若君も、幼き者の戯れ言と申しました」
中御門殿は、少し間を置いた。
「ならば、この場も、そのようにいたします」
老臣たちは、深く頭を下げた。
「ただし」
中御門殿の声が、わずかに硬くなった。
「この度のこと、御屋形様へ文を出します」
「よろしいのでございますか」
老臣の一人が、思わず顔を上げた。
場合によっては、御台と御屋形様の間に亀裂を生む。
みだりに嫡男を下げ、家中を騒がせたと寵を失うかもしれない。
「隠すことではありませぬ」
中御門殿は短く言った。
「龍王丸にも、父君の御言葉が要りましょう」
その言葉に、室内に残された者たちは、一斉に頭を下げた。




