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絶対主権  作者: ユウライ
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3/10

3話《自分の強さを確かめたい》

少しずつ書いていきます

「(そろそろ、自分の強さを知りたい。やはり男と言えば・・・戦闘!!だけど・・・ガチガチの初心者なんよな・・・)」


研究室を後にして廊下を歩きながら、俺は自分の手をじっと見つめる。


この世界に来てから、まだまともに戦ったことがない。


創作していた頃の設定だけを見るなら、俺は間違いなく強い。


だけど――。


実際に剣を振ったこともなければ、魔法を撃ったことだってない。


知識として知っているのと、身体を動かせるのはまったく別だ。



「(試してみたい気持ちはある・・・めちゃくちゃある・・・でも戦闘なんて、ど素人なんよなぁ・・・)」



しかも俺は、この世界では従者たちの主だ。


そんな俺が今さら、



『すみません!戦い方を一から教えてください!』



なんて言えるだろうか。



「(・・・言えねぇ。恥ずかしすぎる)」



変なところで威厳を気にしてしまう。


とはいえ、このまま自分がどれくらい動けるのか分からないのも怖い。



「・・・どうすっかなぁ」



廊下の真ん中で立ち止まり、腕を組む。


戦いたい。


でも初心者なのはバレたくない。


そんな、どうでもいいようで本人にはかなり重要な問題に、俺は頭を悩ませていた


――訓練室。



「とりあえず、訓練室に来たけど・・・ホントにどうするか・・・」



誰もいない広い訓練室の中央で、俺は腕を組んで考え込む。


目の前には、人型の訓練用人形や標的、魔法の威力を測るためらしい装置まで置かれている。


設備だけ見れば完璧だ。


問題は――使う側である俺だった。



「一、名前を叫んで能力を使う」



指を一本立てる。



「二、イメージして、攻撃する」



二本目。



「三、誰かにさりげなく聞く」



三本目を立てたところで、しばらく無言になる。



「自分で調べるとしたら・・・一と二だけど、さりげなく聞くのが手っ取り早いが、勘づかれてしまったら、やべぇ」



主なのに、自分の能力の使い方すら分からない。


そんなことがバレたら、どういう反応をされるのか想像もつかない。



「(いや、別に怒られたりはしないだろうけど・・・なんか恥ずかしいんだよなぁ・・・)」



俺は訓練用の人形へ視線を向ける。



「・・・よし」



まずは一番単純な方法から試してみることにした。


技名を叫ぶ。


創作物では、だいたいこれで何とかなる。



「(頼むぞ・・・俺の創作知識・・・!)」



人形の前に立ち、ゆっくりと呼吸を整える。



「(落ち着け・・・とりあえず、それっぽく力を込めれば何とかなる・・・はず!)」



足を踏み込み、拳を握る。


そして――。



「《暴風拳》!!」



ドンッ!!


鈍い衝撃音が訓練室に響き、人形が勢いよく吹き飛んだ。


そのまま壁際まで転がり、胴体部分が派手に砕け散る。



「・・・お?」



一瞬、成功したかと思った。


だが。



「(・・・いや待て。今の、なんか風とか出たか?)」



手を見る。


特に何も起きていない。


拳に特別な感覚もない。


ただ普通に殴った。


そして普通に、人形を破壊しただけだった。



「うわぁ・・・めっちゃ恥ずい・・・やだぁ・・・死にたい・・・」



誰も見ていないのに、顔が熱くなる。


技名まで叫んで、ただのパンチ。


これ以上ないくらい恥ずかしい。


その時――。


『6748点!!』


訓練室に、機械音声が響いた。



「ん?」



顔を上げると、壊れた人形の近くに設置された表示板へ、大きく数字が浮かんでいた。


【6748】



「あぁ・・・スコアかな?」



俺は数字を眺めながら首を傾げる。



「6748点って・・・凄いのか?」



基準が分からない。


比較対象もない。


ただ一つ分かるのは――。



「(能力使えてないのに、この点数なんだよな・・・?)」



俺はもう一度、自分の拳を見る。


・・・もしかして。


思っていたより、素の身体能力からしておかしいのかもしれない。


本人は、まだ気付いていなかった。


訓練室の端。


壁際に、ひっそりと一枚のランク表が掲示されていることに。


そこには、測定スコアに応じた評価基準が書かれていた。


【5000点以上――Aランク】


そして、そのさらに上。


【50000点以上――EXランク】


当然、今のユウライが叩き出した6748点は、すでにAランク相当。


しかも能力も技も使えていない。


ただ、普通に殴っただけで。



「うーん・・・6748点かぁ・・・」



そんな事実を知らない本人は、表示板を眺めながら呑気に首を傾げていた。



「(基準が分からんから、凄いのか普通なのかすら分からんなぁ・・・)」



そしてすぐ近くにあるランク表には、当然のように気付かない。



「まぁいいか。次は二番だな」



今度は、技名を叫ぶのではなく。


頭の中で能力をイメージして発動させる方法。


本人だけが、自分の最初の一撃がすでに十分おかしいことを知らないまま――次の実験へ進もうとしていた。

スキルはまだ出てませんが、スキルの導入は入れましたかね

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― 新着の感想 ―
「聞くは一時の恥」ってよく言われますよね。 でも、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい! ユウライさんの気持ち、よくわかります! それにしても、能力も使わずただ殴っただけで訓練人形を破壊しちゃうな…
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