○仕事って○
○大稀side○
ふぇー、終わった終わった。あとは明日の運営確認を…………と思い一度、休憩所(兼荷物置き場)となっている教室へ戻ろうとしたら美術部員達が目に入った。
「んーー……?」
違和感があってよぉくよぉく目を凝らしてみる。
…………知っている後輩が数名、綾華、舞夏、唯子…………おかしい。その違和感とは………亜利がいない。
「…………おい、舞夏。亜利はどうした」
こっそり舞夏に問いかける。
舞夏はびくっと肩を震わせたがすぐに直り「わかんない」と悄げた。
(なんか、嫌な予感がするな…)
俺の脳内でそんな言葉が過ぎった。
嫌な予感…………それは想像するのは嫌だ。それは、きっと気づいてる舞夏も同じだ。
『それではこれより第27回、体育祭の部を始めます…………』
そう、役員の声が聞こえ、リハの存在を思い出し俺は自分の配置場所へ走りだした。
○唯子side○
アナウンスが入ると綾は「あ、行かなきゃ……それじゃあな!」と言って本部の方へ走り出した。
「じゃあ、私達は石段で見ようか」
そう舞夏が提案した。
私は「そうだね」と返事をするとただただ広いグラウンドが一面見渡せる所へ向かった。
舞夏が口を開いたのはその道中だった。
「…………ねぇ、唯」
「なに?」
「あの、亜利と綾な……………」
黒い影と一緒に声が聞こえた。
「ん?アタシがどうかした?」
亜利だ。
舞夏はまずいと言った顔で「いや、なんでもない………」と返事をした。
亜利もそう?と不思議そうな顔をした。
…………私でも察せる気まずい空気。
校舎の方へ目を向けると后也と吉昭が歩いていたから呼んでみた。
「お…………おーい!これからリハだよー?」
「唯ちゃん?どうしたの大声出して…」
良いから良いからと言ってたら后也が「あ"、なんか知らないけど衣久先生に呼ばれてたんだ」と呟くとその先生がやってきた。
「こんにちは、もう役は終わりましたけど?何をしてたんですかねぇ?」
と怖い顔と笑顔で先生は言った。
吉昭が怒らないで開けてくださいぃと止めに入った。
そんなことをしながらかれこれ三十分経った。
実況の役員以外は帰ることになった。
……………当たり前のように私達は関係ないので愛沙と飛悟を放置して帰ることにした。




