○絵合わせゲーム○
○綾華side○
『毎年恒例絵合わせジンクスゲーム』。
それは、一人一人に配られたカードに描かれた絵を合わせる。それがあった人間とは結ばれるとか否か。
因みに、愛沙は絶対参加しない行事であり、飛悟と吉昭は大概の女子に聞かれる。
「あ、綾華!舞夏たち!」
どうやら逃げてきた飛悟が声をかける。
質問内容は目に見えてるし、「教室」と答えた。
「…………! ありがと」
そう私が言うと飛悟はふっと一度笑い、教室へ走り出す。
「さ、行くか〜」
私は手を後頭部に回して呟く。そして、なんとか引き連れられて逃げてきた大稀が「何処に」と聞いてくるから、私はにっと笑いこういう。
「吉昭んとこ」
「ですよね」と皆が声を揃えて答えた。
○愛沙side○
僕はこういう行事がとにかく嫌い。人口密度高いし吐き気するし。
シロウサを見つめ、シロウサに着いているマフラーを弄る。
そんな時、ガラッと乱暴に教室を開ける音がした。
「……………?」
こんな日に誰だろう。ふと後ろを振り向く。
そこには見慣れた顔があった。
「誰もいないな……………よ、愛沙」
飛悟だった。まぁ、予想もついていた。
「何よ。」
「いや、逃げ場?」
逃げ場って…………馬鹿なのかしら。
………逃げる理由なんてわかってるけど。
飛悟の手を見ると絵合わせのであろう、いや、絵合わせのカードがあった。
細くラインのはっきりした指の間からちらつく絵柄を見て私は自分のをそっと隠す。
「? どうかしたか?」
「…………何でもない」
「……あのさ、愛。余計なお世話かもしれないけど…………あの………もうさ、一人でなんでも隠すの、辞めよ?」
…………言っている意味がわからない。
でも、不思議と切なくなる。
「……………でも」
「でも?」
僕が呟いた言葉に飛悟も反応する。
「…………でも、飛悟はいつだってちやほやされて、僕が傍に居るのが惜しいくらい人気で、それでも僕がいたら皆と居るよりよく笑うし。………ただ、時々、飛悟がそばに居ても遠く感じる」
僕の本音…………だろうか。
俯いてると、すっと飛悟は手を出し、僕の両頬を優しく支えた。それから、にゅっと力を入れる。
「ひゃにひへんの」
僕に変顔させといて、当の飛悟は、いつものように笑ってた。




