○部活終わり○
○愛沙side○
私は、何かに没頭すると周りが見えなくなる癖がある。
それは時に悪く時によくサイコロの目は出る。
今日はどうやら悪い方に出たらしい。
私の部活は楽器片付けは部活が終わってから。金管とサックスパートは四階へ戻るがクラリネット、フルートは外で片付け流れ解散なのだ。
そんな片付けをしてる時だった。
遠くでコミュ症が女子に絡まれてる声がする。
多分、そいつらはこちらに向かってるとこだろう。
「愛、お疲れさん」
「皆か…、なぁ見てたのか…?さっきの合奏。」
「まぁね」
と、后ちゃんが答える。
飛悟、后ちゃん、大稀。
ラケットと荷物を背負いやって来た。
「后ちゃん、ガット…大丈夫?」
「うん、ありがとうな。」
銀のフルートを中の赤く窪んだところにいれる。そして、黒い楽器ケースを閉めた。
「で、帰るの?」
「そうだな。」
「あ、今日先帰っといてくんない?俺衣久先生に用があるし」
「あー、じゃあ着いてくよ」
后ちゃんと大稀がそう言った。
綾華たちも良く考えたら部活がないらしくて。
しかたないかと決める。
「そう。なら、飛悟帰ろ。」
「うぇ!?あ、え、う……うん」
そんなに嫌がらなくとも。と私は思う。
「じゃあ置いていく」と私が言うと待てよーっと追ってきた。
「……………」
「………………」
別に話すこともなくて。周りは別に人もいなくて。
しぃんとした道に飛悟の「あのさ」がよく響く。
ん?と首を傾げながら飛悟の方を見た。
「えぇっと……えっと………」
慌ててる表情はわかる。何故か奴は涙目になってくる。
「なんにもないならも───」と足を踏み出した時。
車がもう目の前にあった。
─────ガガッ…ガッ
不思議な音がする。私は……?
「いき、てる」
「いっつぇぇぇぇぇえ」
と、飛悟が腰を摩っている時に私の思考回路は結果を見出す。
「な、何してる!」
少し頬に傷をつけた飛悟に抱き留められていた。
車に関しては溝に脱輪してる。中の人は居眠り運転だったのか記憶がないのか慌ててる。
大丈夫大丈夫、と笑ってた。けど……
「馬鹿!お前…死んだらどうする!!」
私は、そんなのたえられないだろう。
そしたら、飛悟が答えた。
「それより、愛が死ぬよりはましだと思ったから…かな」
笑顔で言うことじゃないわ……と私は笑ってる飛悟を少し睨む。
「馬鹿……。私は心配して、損したわ……。」
「でもさ、自分も死なないで大切な人を守れて俺は嬉しいよ」
「………な!?」
と、さらっと言われた事に言葉を失ったその時だった。




