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My Best Friend〜この世界の奇跡〜  作者: 心井菜城愛
進級、最終学年
29/43

○文芸祭にて 1○

○亜利side○

愛ちゃんが叫んだ。

まぁ、私が妙なことを聞いたからという理由だけは明確である。

その内容は、実に簡単だ。


「愛ちゃん、飛ぃの事好きだろ? 明らか今顔に出てるって……。」


黙って顔を赤める。そして、ぽんと頭から煙を出しそうなほど赤くなり、俯き、叫んだ今に至る。


なんで、こんなことをしてるか…日課だな。うん。愛ちゃんと飛ぃをイジるのは日課。


「ほぉれ、明日は文芸祭だろ?調子、狂わせてるとおかしくなるよ?」


「う、うっさいな!」


にしし、と悪戯めに笑う。


「うぅー…」


「? 亜利、また愛に変なこと言ったろ」


と口を挟むのは飛ぃ。別にーとにやけそうな顔を抑えながら反応をした。


「さ、帰るぞ。」


と后也がはよ来いと言わんばかりに手招きをする。

パタパタと走って后也を追う。


「それじゃーね。」とひらひら手を振り愛沙と舞夏と唯は道を外れ逆方向に走った。


翌日。何事もなく愛沙の書いた詩の朗読は終えた…………………が。

読み手は飛悟であり、彼は一部女子(世で言う「声フェチ女子」)にはおっとりとした声が良いとまた評判になっていた。

まぁ、そんな状況をアタシは役員で大稀と舞台袖から見ていたわけで。


「何かとあいつ、評判いいよね」


「そうだな…………まぁ、本人は結構な女子嫌いっぽいがな」


「まぁね…………」


と大稀と喋っているとふと気になることがあった。

飛悟は女子嫌い………本当にそうなのだろうか。少し疑問に思ってると大稀がまた話始めた。


「ま、奴には例外もいるらしいがな?」


と、にんまり笑い、愛沙の方を見た。

舞台の終わり、礼をしに出た姿が目に入る。

女子の割にはまぁ160cm代と身長は高めだが飛悟と並ぶと意外と小さく見える。そして、舞台の反対、客席に目を遣るといわゆる飛ぃ(アイツ)のファンらしき子等が目を鋭くしている。


(あっちゃ〜……)


と、思うのも束の間で、愛沙は察したか、緊張しただけなのか、持っていた台本で顔を隠し「有難う御座いました」と早口で言うとこちらへと逃げ込むようにやってきた。それを追って飛悟も会釈だけをして舞台袖にやってきた。


『えー…次は、美久先生お願いします』


そんな委員のアナウンスが入り、辺りは静かになり、小声で「どうした?」と訪ねた。


「朗読中も怖かった。後も怖いよ……。」


「女子はよくわからんなー…」


「おまえが言うなっての」


と、大稀には突っ込まれ、気分を変えようとして「な、な。飛悟」と声をかけるが暗い顔をして俯いたまま何も言わなかった。


「もういい。」


愛がいつもより低い声音で呟き背を向けて走り出した。


「あ、愛沙!」


「愛!…………ほら、飛ぃ、追わないの?」


「今俺が行ったってアイツは…聞く耳持たねぇよ」


「…………っ。じゃあ来なきゃいいよ。アンタがそんな奴だなんて思いもしなかったよ。大稀、後任したから。」


「ちょ、亜利!!………飛悟まで…」


そんな声なんて聞こえないフリをした。きっと今の(あのこ)は私でも飛ぃでも聞く耳を持たないかもしれない。少しの希望に掛けたっていいじゃないか、と少しばかり思い私は体育館を後にした。

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