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神と人と妖魔の戦記録  作者: 邪な鬼
27/29

第28話 幼馴染みの独白と覚悟

 7月中に出せず本っ当にすみません。




 舞も終わり姉貴の口上でしめる頃には、予定通り一時きっかりに終わってた事に驚きつつも殆どの思考と感情は、言葉に出来ない満足感に包まれており、その余韻に浸るが如く姉貴の舞姿を思い出す。


 「……、さて舞も終わったようだし姉貴の方に向かうぞ。おーい、見惚れてたのは分かるがそろそろ意識を戻せ~。やっぱ柔らかいなこいつの肌は?」


 見物客の殆どが動かないなか余韻に浸り終えた俺はいまだ壇上を見たままの彩芽達四人に呼び掛けながらすぐ隣にいた麗奈の頬を軽く叩きながらついでとばかりに引っ張る。


 「…ふぇっ!?ちょっとなに人の頬を気安く触ってんのよこの変態!?」


 ハッ!と言いたげな表情で意識を戻すと丁度頬を摘まんでいた俺の手に気付き顔を急速に紅くしながら手を払い僅かに距離を取ってくる。


 「いやお前らがいつまでもボーッとしているからついな。とりあえず姉貴の迎えに行くから彩芽達を起こすの手伝ってくれ」


 顔を赤らめたままジト目で睨み付けてくる麗奈に、悪びれる様子を見せず言い返すとウグッ!とでも言いたげに顔をしかめて、目を反らして言葉を返してきた。


 「ボーッとしてたのは悪かったわよ。でも、あんな凄い舞を見せられたらそうなってもしょうがないでしょ。むしろアレを見てすぐに意識を切り替えれるあんたが変よ」


 「まぁそれは慣れというか耐性みたいなもんからだ。それにすぐには切り替えれていないぞ?数秒位は余韻に浸っていたしな。そんじゃ早くコイツらを呼び起こ――――さなくても良さそうだな」


 話を切り上げ、さっきの呼び掛けでもまだ動かない残りの三人を叩き起こそうとしたが気配の変化を感じ取り動き出すのを待つ。


 「あ!ヤバい今時間は!?」


 「「あ!」」


 「まだ二分しか経ってねぇからそんな慌てなくても大丈夫だ」


 「本当、お兄ちゃん!?」


 「んなことで嘘つかねえつうの。それより姉貴の方に早く行くぞ」


 「おいおい急ぎすぎたぞ。少しはお前も余韻に浸ったりしろよ」


 会話を終わらせ早々に歩きだすと横に並んできた佐間義が呆れた表情で言ってくるが「お前がアホ面さらしていた間に充分に浸った」とだけ返して、いまだ半数近く固まってる見物客を避けて歩く。


 その後ろ姿を彩芽と彩希羅が少し離れながらついて歩いていると先程まで未来の横にいた佐間義が彩芽の隣に移動して小声で問いかける。


 「なあ、彩芽ちゃんに彩希羅ちゃんアイツなんか変じゃね?」


 「何度めかわかりませんが、ちゃんづけはやめてください。それと佐間義さんに言われなくとも俺や彩芽それに麗奈さんも分かってます」


 「え、まじで?」


 その問いかけに彩希羅は、顔をしかめながらも答えると驚いた様子で確認しそれに呆れた様子で返答する。


 「寧ろ一年間一緒にいて今になって気付くのかが理解できません」


 「彩希羅そんな言い方しちゃだめだよ。佐間義さんは頭がからっぽなんだからしょうがないの」


 「彩芽ちゃんが一番酷い!?」


 (なにやってんだか。ん?)


 「彩芽ちゃんって以外と毒はくわね」


 後ろでそんなやり取りをした後、彩芽と彩希羅が横を駆けていきそれを追うように遅れて佐間義が走っていく。その姿に呆れながら進んでいると麗奈が苦笑しながら並んでくる。


 「ああ、まあそうだな。とはいっても殆どはアイツ位にしか言わないがな。後たまに同級生」


 「あ~、思い出して見ると確かに言われた事ないわね」


 「「………」」


 そう言い終わると会話がなくなりお互いに黙り込む。いつもなら麗奈がそのまま話を続けるが、今は何かに悩む様に浮かない表情で暗い雰囲気を纏いながら俺の方をチラチラ見てくる。


 俺から話しかけることも出来たが、何故か……麗奈が、話すのを待たなきゃいけない気がしてしまい躊躇ってしまっていると話しかけてきた。


 「…さっきの舞いままでより綺麗だったわね」


 「…あ~、そうだな。…ただこの祭りの最後にもう一度あるのに、体力的なもんは大丈夫なのか心配になるな」


 「フフ、確かにそうね。……でも、美咲さんなら大丈夫じゃないかしら」


 いまだ悩んでいた所で話しかけられ戸惑ったが、すぐに調子を戻して返すと悲しさが見え隠れする笑みをうかべた後、何処か悟った表情で言葉を返してきた。


 その表情に自分の中で何かに気付きそうになるが、無意識の内にそれを避けようとしたのか自然と言葉がでていた。


 「まぁ、確かに姉貴の場合はそこらの運動部以上に体力あるしな」


 「違うわよ。…未来だって気付いてるでしょ。――――あの舞に込められてた思いに」


 「……」


 麗奈が言った事には確かに気付いている。だが、いま俺が避けようとしているのは"姉貴からの好意"ではなく"麗奈がこれから話そうとしている事"であり、それを少しでも避けようと苦し紛れに黙り込む。


 「沈黙は肯定と見るわよ。今回の美咲さんは本当に凄かった。いつも凄いとは思ってたけど、あの舞をしていた姿はいつも以上だった。その理由が、好きな人に思いを伝えようとしていた事だったからね」


 いつの間にか歩く足が遅くなっていた俺の前をゆっくりと、歩みながら独白を続ける。


 「実をいうと私はね、殆どの物が美咲さんに勝てないと分かってても、ある一つのことについては……私が勝ってた。と、そう思……ってたの……でも……ね、それ……すらも、勝て……なかった」


 歩み続けながらも続く独白に耳を傾けていると、麗奈自身限界がきたらしく肩と声を震わせ初める。


 俺はその後ろ姿を見ながらも声をかけれず、ただただ独白を聞き続ける。


 「結局は……自惚れでしか、なくて……私が、思ってた以上に……美咲さんの、思いが強かった!」


 声を震わせつつも自身の中に溜まっていた怒りを吐き出す様に力強く放たれ、叫んだ訳でもないその言葉は大きく耳に響いた。


 一度感情を吐き出せたからか、一度息を整え終えるとまた続け初めるが、その声は…悲しげである。


 「……ねえ未来、神様が本当にいるなら、残酷だと思わない。本当に負けたくなかった物にまで負けて、更には負けてもいいと、思う事にも負けちゃうんだよ。まるで、今までの努力が無駄だとでも言うかのように」


 麗奈は、俺を呼びながら視線を空にやりそれにつられて俺も空に視線をやると、朝に少なからず見えてた青空はなくなり、雨雲に覆われている空に呟く様に話す。


 話していくなか、自棄になっているのか自身の過去を否定する言葉を呟いていく。


 「だから今考えちゃうの、その人にとって私はいなく――――」

 

  とうとう自分の存在さえ否定しようとした途端―――――


 「それはない」


 ―――――無意識の内に否定していた。


 呟かれた言葉を聞き「え?」と言葉を漏らし、ようやく俺の顔を見てくる。


 先程まで泣きかけてたせいか目元が赤くなっており、困惑した表情でこちらの言葉の意味を探ろうとしている、が俺はそれを無視し話を続ける。


 「お前が今どういう気持ちでいるのかそれは俺は分からん。ただお前が言った事や言おうとした事は、俺は否定させてもらう。十年近くお前と一緒にいた。だから知っているしその努力を認めている」


 「…ッ!?」


 麗奈から目を反らさず断言すると息をのみ目を見開いて瞳を潤ませるがそれを気にせず俺の中にある感情を言葉にし続ける。


 「その思い人に振り向いてもらう為なんだろうが、それでもアイツ等に向けていた優しさは本物なのも分かっている。その思い人がそれを見てどう思ってるのかは知らんが、少なくとも俺はお前のその優しさに救われたと思っているし近くにいて欲しいと思っている」


 「だから言ってやる。お前の努力は無駄でもなければ、いなくてもいい存在なんかじゃない。俺にとっては家族と同じ位必要な存在だ」


 「……グス…うん、あり……がとう」


 そう言い終わると静かに涙を流しながら、嗚咽混じりに礼を言ってくる麗奈の頭を撫でる。


 「なんて返せばいいか分からんが、とりあえずどういたしまして?」


 「フフ、なんで疑問系なのよ」


 こんな返しでいいのかと疑問になりながら返すと、袖で涙を拭いつつ笑って返してくる。


 「いや、返しかたあってるかわかんねぇし、しょうがないだろ」


 「そこは自信持ちなさいよ馬鹿。後もうそろそろ撫でるの止めなさいよ。周りの視線が痛いのよ。」


 そう言われ周囲を見てみると、チラホラと意識を戻して屋台を周り初めた奴等が……生暖かい視線を向けている事に気付き、すぐに離すが余り意味をなさず屋台を見る振りをしながらチラチラと視線をやってくる。


 「はぁ~、流石にこれ以上ここにいると恥ずかしいから早く向かえに行きましょう」


 「ああ、そうしよう」


 そう言い終えるや否や歩き始めるが、すぐに歩みを止め振り返る。


 「どうした?」


 「一つ言い忘れてたからよ」


 「…それは聞かなきゃ―――」


 言い忘れた事が分かっているからか、それとも今の関係が壊れそうで怖いからか分からないが、余り聞きたくなく言葉を変えそうした途端――――


 「うん、駄目」


 ――――――決意を込めた瞳と声で遮られた。


 「私も美咲さんの様に前に進みたい。例えそれがどんな答えだろうと」


 「………」


 「心配しなくとも大丈夫よ」


 麗奈の目は真剣で、今さら何を言われようと意見は変えないという意志が感じられ、何も言わず黙り込んでいると、心を読んだかの様に優しげな声で言ってきた。


 「もう一度言うけど大丈夫よ。例え答えがなんだろうと私達の関係は変わらない。だからこの祭りが終わった時に聞いて欲しいの。……だからお願い未来、私が前に進むためにも聞いて」


 「……今、じゃなくていいのか」


 何処か舞の前に見せた姉貴と似た雰囲気にこれ以上は逃げたら駄目だと思い腹を括り訪ねるとコクリと力強く頷いた。


 「……分かった。この祭りが終わった時に……麗奈が言いたい事を聞かせてくれ」


 「ええ、それまではこの祭りを楽しみましょう。ね――――」


 そう言うと前を向き歩きだすと、不意に振り返り顔を振り―――――――


 「――――私の思い人さん♪︎」

 

 ――――――見惚れる笑顔を浮かべていた。

 ここまで読んでくださりありがとうございます。


 今月中に出すと報告であげておきながら遅れてしまい本当にすみません。


 最後に今回も誤字,脱字があれば、教えて頂けると助かります

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