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土曜の夜は朝まで君を抱く、なんてこれを貰った時にカンタも誓ったものだが、今や君の横にいるのは自分以外のあんちゃんで、窓の外、過ぎて行く世の中で、ふたり動かずにいるなんてことも願いかなわず、コソ泥よろしく着替えをあさっている始末である。いったいどこで道を間違えてしまったのだろうか。別に急いだつもりも甘えたつもりもなかったが、それでも妻を悲しませてしまっていたのだろうか。だったらだ、妻にだってノーノーダーリンと一言いってほしかった。雨の向こうに広がる夜空、そんなものを想像していたのはなにも妻だけじゃないのだ。カンタは思わず鼻歌を歌いそうになったが、この通り眠り姫は愛人の隣で静かな寝息を立てている。おまけにカンタも愛人に向かって静かにしていろと中指を立てて(人差し指だったかな?)ばかりいるのだ、今は余計なことは考えず適当な衣類を詰める作業に戻るべきだった。幸いにも、時は時計のそばで時間を無くしていた。まさに無法状態のゴールデンタイム、何でもかんでも詰めこみ放題だった。だが糞ったれ、何度も言うが、今の自分に必要な物なんてカンタには分からなかった。いったいどれだけ外で過ごさなければならないのだ? またこの場所へ戻ってきたいと思えるまでに(そんな日が来るのかは謎だが)、いったいどれだけの衣服を消費しなければならないのだ? カンタには皆目見当がつかなかった。カンタは思わず妻後ろ姿を睨んだ。幸せならいつかと言わず、いくらでもあげていたつもりのカンタだったのだ。それが、こんな若造に寝取られる結果に終わるなんて、いったいなんの冗談だい! こちらがノーノーハニーと言ってやりたい。そいつと二人で言葉よりも優しいお花を育てていけるとおもっているのか? 思っているから現にこうして安眠しているのだろう。ああ、この世は糞ったれである。ダーミットである。いったい今までの妻との生活は何だったのだろう。日々見せてくれた、優しい笑顔は無意味な習慣だったのか? カンタはあの笑顔にいったいどれだけ励まされただろう……そんなものは、妻には大したことでは無かったのだ。畳んだばかりのニコちゃんマークが目についた。本当に憎らしい。こんなもので喜んで着ていた過去の自分を打ん殴ってやりたいカンタであった。ノーノーハニー、雨の向こうに広がる空を、いつも呼んでいたと思ってたのに。ノーノーハ二ー、言葉よりも優しいお花をいつも二人で育てていたと思っていたのに、いったい何んだってこんなことになってしまたんだ。

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