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ちょっと真剣にあらすじとタグとジャンルを変えるべきか悩んでます。
思いの外長くなってしまったので・・・想定外です。
申し訳ない・・・
【本編を読む前に】
全国のおじさまと、おじさま好きの皆様、本当にごめんなさい。
話の都合上、本文内でおじさま萌えを、全否定する表現があります。
数行ですので、良かったら飛ばしてください。
うP主はダンディズムに溢れていて、おじさまカッコいいと思います(震え声)
息ができなかった。
目の前で俺の家の精鋭が次々と吹っ飛ばされていく。
「調子に、ぶへらッ」
また一人。
今飛んだのはメンバーでも一番素早い男。
奇襲が得意で、よく不意打ちをかまして一本取っていた。
アイツが後を向いた隙に首元を狙ったけど、拳の裏で殴られて飛んでいった。
「このガキがッ、おごほぉッ」
また一人。
こいつはジェネの次に大きい男。
とても頑丈で、落ちてきた瓦が当たったときも傷一つ無く笑っていた。
アイツが軽やかに膝で蹴っただけで、腹をバキボキ鳴らしながら川に落ちた。
「な、何で当たらな、がはッ」
また一人。
この男は放ってくる技の数が多く、相手が見切ろうとする間に倒してしまうのだ。
放った技を悉くアイツに受け流され、結局壁に吸い込まれていった。
また一人、一人と。1回の拳や蹴りで。
地面に落ち壁に打たれ数メートルまで飛ばされて、
精鋭たちが戦線を強制離脱させられていく。
アイツは笑っていた。
返り血を拭いながら、赤みのある紫色の瞳をきらきらさせて笑っていた。
もう30人以上も離脱させたのに、息一つ乱れていない。
それどころか、どこか物足りなそうに見える。
「化け物だ」
誰が言った言葉だろう。
いつの間にか男たちの表情が、鴉に囲まれた時のようにこわばっていた。
殴りかかるのをやめて、じりじりと後退している。
相手はアイツ一人だけなのに。
筋肉なんて碌に付いていない、ひょろひょろのヒューマンなのに。
でも何でだろう。
俺はアイツがとても輝いて見えた。
***
残念だ。
調子に乗ってボコっていたら、今度は全然来ないな。
最初は本当につまらなかった。
けど半分くらい倒してからは、徐々に楽しくなってきたから残念だ。
なんせ、ちょっと触っただけで面白い程飛んでいくのだ。
こういう趣旨のアトラクションなんです、って紹介されたら納得できるぞ。
だからつい興が乗ってしまったんだと思う。
あと化け物とか言われた気がするけど、お前たちも化け物だろうよ。
見た目とか思想とか、とにかく色んな意味で。
どうするかな。
腕を組んでから俺は首を捻った。
ぶっちゃけ今なら道を譲ってくれそうな予感がするんだ。
そうしたら俺は晴れてGo homeできる。そこに異論は無い、最終目標だから。
でもさぁ。
周りを見渡す。
坊主を含めて、鳥人間たちはドン引きしていた。
俺はやっぱりやり過ぎたらしい。でも気にするところは違う。
そのままじっと男共を見た。
本当にビビってしまったらしい。小刻みに震えながら後退している。
しかし目の奥はまだぎらぎらと煮えていた。
これは隙を伺っているタイプの輝きではない。
それなら棒立ち状態の俺に何か仕掛けてくるはず。
なのに魔力の流れすら感じないのだから、不意打ちはあり得ないだろう。
いや、ホント。これ不意打ち案件なのに、なんで何もしてこないんだろう。
尤も何かやろうとしたところで、脳天を狙撃するつもりだけど。石とか投げて。
でもこの実力で強者を自称するのか。ないわー。
漏れてしまった溜息にどよめかれた気がしないでもないけど、無視して考える。
見たところ、男共はまだ闘志は折れていない。俺を見てビビってるけど。
ならもし、ここで奴らを見逃したらどうなるか。
かなりお家自慢をしていた奴らだから、あとで家を通して圧力をかけるだろう。
それで平民らしい俺は散々痛めつけられる、といったところだろうか。ないわー。
あぁでも、そっちならまだ何とかなるか。
坊主を見る。
困惑はどこかに霧散したらしい。
俺を見てあんぐりと口を開けていた。所謂アホ面を晒している状態である。
このままこいつらを帰したら、坊主はどうなるか。
悉く名前を出すくらいだ、坊主は相当自分の家が好きなんだろう。
そしてあの選民思想。自分より低い身分の者を蔑視しつつ命令することに疑問を持っていない。典型的な嫌な貴族の姿そのものだ。
だが同時に酷く純粋である。
考えてみて欲しい、何故さっき割り込んできたのか。
何故「下民」と蔑みつつ、自分の部下に1対1の勝負を要求したのか。
何故俺のことを多勢に無勢だと、真剣に心配して逃げろと言ったのか。
おそらくだが、こいつはまだ引き返せる。
逆にこのまま放置すると、坊主の純粋さは残酷な方向へ曲がるだろうな。
多分、自分の意に沿わない者を理不尽に踏みにじるような大人に育つ。
自分は正しいことを行っていると微塵も疑わずに、平気で他者を泣かせる存在に育つ。苦しむ者を一切思いやれない者になってしまう。
そんな未来が見えて、俺は奥歯を思いっきり噛んだ。
どうやらやることが増えたらしい。
俺はジェネに向かってにっこりと笑う。
するとおっさんの顔が盛大に引きつった。うわー悲しいなー。
「ねーねーおっさん」
「な、なんだよ」
「コレで終わり?」
伸びを始める俺にジェネは声をなくす。
「俺を殺るんだよな?でも俺、全然ピンピンしてるんだけど。どうしたのおっさんたち?疲れたとか言わねーよな?それともそのお肉って脂肪だった?ごめんなー、キツい運動に付き合わせちゃってさー」
肌に触れる空気が鋭くなった。
何も仕掛けてこないが、目に見えて殺気立っている。
しかも筋肉のことを揶揄し始めたたら更に倍増した。
鳥人間たちの自慢だったらしい。見せ筋にしか思えないけど。
ストレッチに移行して、俺は続ける。
「まぁ?俺ぴっちぴちの十代だし?仕方ないよな、これはおっさんたちとの年の差を考えなかったお、れ、が!良くなかったな!はー悪い悪い、年功序列だっけ?ジジィは丁寧に扱わないと、な!ほれほれ、おじちゃま~??あんよが震えてるけど、大丈夫?杖いる?持ってきてあげようか??」
言葉を紡ぐ度に、憤りが高まっていくのを感じる。
怒気は大気まで温めるのか、生ぬるい風が吹いてきた。
ギシギシと、爪の音が苛立ちを乗せて伝播する。
そろそろ頃合いだ。
俺は最後の仕掛けを施す。
鼻歌を歌うみたいに、俺は笑う。
「しょうがないなぁ。じゃあ震えが止まるまでお目目つぶっといてあげるから、早くしてくれよ?なぁ、お、じ、さ、ん、た、ち!」
そうやって両目を閉じて間もなく。
ベタベタ触りまくっていた琴線の切れた音がした。
「あぁ、いいさ。望み通り痛めつけてやるよォッッッ!!」
かかれという合図と同時に、また猛禽類の集団が迫って来る。
「ふざけんなよこのガキがァッ!」
「散々ナメやがってッッ!!」
「お高く止まってんじゃねぇぞッ!」
しかも最初より速い。ワゴン車からレーシングカー並みに進化している。
何より、殺意も桁違いだ。
銅のつるぎはエクスカリバーになって、矛先を向けてくる。
「いいな」
これならさっきよりは楽しくなりそうだ――
――なんて思っていた時期が俺にもありました。
眼下に広がるは肉の山。
翼と羽がついた鳥肉が至る所に落ちている。
鳥肉、鶏肉かぁ。ははっ、俺唐揚げは醤油派なんだよなぁ。
「が、がはッ。うぅ」
「いたいいたいいたいいたい」
「苦しい、苦しいよぉ母ちゃん」
あぁでも唐揚げなら鶏か鴨までかな。
猛禽類はちょっと、特に躍り食いはもっと、嫌です。はい。
結論から述べてしまえば、弱いの一言に尽きた。
強さは全く変わってなかった。まぁそりゃあ、ご都合主義なんて存在しないから。
ヒーローモノの定番、「窮地に陥るとパワーアップ」なんてなかったな。
そもそもヒール、悪役の時点でそんなことはあり得なかったか。
出てきて第二態形までだよな、フツー。
とにかく非常に一方的な展開だった。
やっぱりというかなんというか、ワンパンチもしくはワンキックであのザマだ。
起き上がってすらこない。あんなに威勢良く向かって来たというのに。
こんちくしょう。俺のワクワクを返せ。
あぁでも、一人だけまだ息があるようだ。
「く、クソが。俺が、ジェネ=セドルドが、こんなちんちくりんにィ」
「おっさん元気だなー」
毒づきつつ、立ち上がろうとしているおっさん、ジェネに近づく。
笑いながら前に立つと、射殺さんばかりに睨まれた。
「クソが、いいかガキ、俺はまだ、本気を」
「ハイハイそうだなプロテインだな」
「こんのクソガキィィィ」
バサバサと翼をふるわせつつ、おっさんは俺を睨んだ。
でもなぁ、睨まれたところでなぁ。
瞳孔が小型犬並みに震えているんじゃ、怖さなんて微塵も感じない。
むしろどんどん笑いがこみあがって来るくらいだ。
いや、笑わないぞ俺は。そこまで鬼になる気分ではないのだ、今はな。
「ささ、じゃあ大人しーくお縄に」
ついてもらおうか、と最後まで言えなかった。
「もうやめてくれないかッ!」
坊主が俺とおっさんの間に割り込んだから。
「リューであってるか、いや、合っていますか」
「あぁ、そうだぞ。よく覚えてたな」
うんうん頷くと、坊主はキッと俺を見て。
「お願いだ、いや、お願いします。もう、こいつらを傷つけることはやめてもらえませんか!」
勢いよく頭を下げた。
「途中から見ていただけだが俺の部下がアンタに、いや貴方に失礼な真似をしたのはわかる。貴方がやったことは正当防衛なんだろうことも理解できる。だけど、ここはどうか矛先を納めてくれませんか!」
「何でお前が謝るんだ?」
無意識で出てきた疑問だった。
坊主は顔を上げると、真っ直ぐ俺を見る。
「だって俺は、こいつらの主だからです」
「俺はまだ未熟だ。生きた年数だけではなくて、知識や経験だって浅い。だからものの良し悪しはまだわからなくて迷惑をかけるときがある。でも、それでも俺は貴族なんです!」
クエバスは叫んだ。
「貴族は人の上に立つべく生まれた、だからこそ満足に人を使わなくてはいけない責任があるんだ、です!だから、例えこいつらが勝手に暴走したことでも、上手くまとめられなかった俺が悪いんです、責任を取るべきなんですッッ!」
全身が泡立つ感覚、というものだろうか。
久しぶりに、血潮が滾った。
悪い意味ではない、むしろ非常に良い意味だ。
そっか、お前。
「ちゃんと、わかっているんだな」
クエバスが信じられないようなもの目にしたような反応をしていた。
ただでさえ細い瞳孔が、更に細くなっている。最早糸だ。失礼な。
そう気が緩んだ所為だったのか。
左斜め後方から、俺に向かって何かが飛んでくる気配がした。
首元、頸動脈がある位置へ的確に迫ってくる。
ナイフだ。飛んでくる方向を見て確信した。
俺はキャッチすると飛んできた方向へ、ナイフを投げる。
見事脳天に当たったようで、男は反動で仰向けに倒れていく。
見ると一番手数が多かった鳥人間だ。3発くらい流したら涙目になった奴。
ずっと寝たふり、はしておらず。
さっき起きたらしい、地面の砂の後が濃く残っている。
ヒュッと誰かが息を呑んだ。
音のした方へ向くと。
「おい、動くんじゃねぇぞ兄ちゃん」
おっさんがクエバスを抱え、爪を当てていた。
次回予告「皆様、よいお年をお迎えください。」
デューク「はーい今回はリューの大親友、デューク様オンリーだぜー?次回でラストから2つ前の話になるぞー。すごーい!って思ったみんなは、年明けの更新をゆるりと待っててくれよな!」
デューク「・・・あ、そういえばあの、俺の出番ってまだかなー?ほら俺だって、待ってくれるファンが(きっと)いるから申し訳ないなーって思うんだけど、俺っていつになったら本編に出てこれるんだろう、ってかここいつもリューと次回予告してた場所と違うんだけど、あ、おーいそこの君、ここどこか知っt」




