PT戦闘
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俺と紫苑はレーダーに映っている南の赤い地点に向かっていた。
「俺は盾役に専念する。紫苑はワイルドドッグの
攻撃した直後の隙を狙って、スキルをぶちかましてくれ。」
「おっしゃ!任せておけ!」
紫苑の敏捷は竜族なので、人族の俺よりも低い。だが、竜族の戦士の火力は計り知れない。俺が三回攻撃をして倒したワイルドドッグをクリ一発でぶっ飛ばしたのだ。ここは避けながら戦うよりも確実に盾でガードし、紫苑の最大火力でダメージを与えていくのがもっとも理想な戦闘方法と言えるだろう。
「いたぞ」
そう言ってワイルドドッグに剣の先を向ける。ワイルドドッグの方は、すでにこちらに気づいているようでこちらを睨みつけていた。
「紫苑!さっき言ったプランでいくぞ!」
「おう!まかせておけ!」
俺は走ってワイルドドッグに突撃していく。ワイルドドッグはこちらの様子をじっと観察し、今か今かと待ちの体制でこちらを睨む。やはり、ワイルドドッグの戦闘方法は、相手の攻撃を誘い隙を作り攻撃してくるパターンのようだ。さっきまでの二匹も同じだった、って事はワイルドドッグの
戦闘方法はこのパターンで固定されているのかもしれない。
「うぉおおおおお!」
俺はワイルドドッグに対峙し叫びながら剣を振りかぶり、斬りつける振りをする。ワイルドドッグはそれを見て回避行動を取り、そのままの勢いで体当たりをしてきた。
「おりゃ!」
俺はそれを盾で受け止める。そしてタイミングよく紫苑が、
横から戦士スキルの最大火力をぶっぱなす!
「おうりゃああああ!!ブレイクアッパァアア!!!!」」
ギャン!
紫苑の打ち上げ攻撃で、ワイルドドッグの体が宙に浮く。
「ここだ!」
俺は剣を振りかぶり落ちてきたワイルドドッグに全力で斬りつける。
剣は光を放ちワイルドドッグの体に吸い込まれていく。
ザク!
肉と骨を断ち切り、ワイルドドッグの体が、皮一枚で繋がった状態で倒れ伏した。今までの一撃と違い、確かな手ごたえを感じる。どうやらファストブレードで、クリティカルが出たようだ。
直後にリザルト画面が開き、紫苑と俺は戦闘報酬を得る。
「おっしゃ!やっぱり二人だと楽に倒せるな!」
「ああ。この調子で残り七匹のワイルドドッグを狩って行こうか」
「おうよ!」
そうして俺たちは、残りのワイルドドッグを七匹倒していき、クエストであるワイルドドッグ討伐をクリアした。この間、俺たちは一度もダメージを受けていない。複数の敵を相手にするのは危険だと判断したため、一匹づつ仕留めていったからだ。
「おっし!クエストクリア!結構簡単だったな?」
「そりゃ、初期のクエストだしね。
でも、Lv3にはしておきたかったんだけどな~」
「それならもう少し狩っていくか?まだ時間は余裕あるんだろ?」
俺は視界の端にある時計を確認してみる。
「まだ夜飯の時間には一時間くらいあるけど、
そろそろアルビナに戻ろう。クエスト報酬も
貰いにいかないとだし、それに、帰り道の
モンスターで、Lvも上がるかもしれない」
「それもそうだな~、んじゃ、戻りながら狩るか」
俺は遠くに見える商業都市アルビナに、紫苑と駄弁りながら歩いて帰っていく。途中でレーダーに敵の反応を見つけたのでLvアップのためにと、敵の下へ二人でダッシュした。
「・・・・」
「んで、こいつは何なんだ?」
紫苑が尋ねてくる。
「多分あれだろう。RPGで御馴染みの・・・敵だ」
俺たちの目の前に、水色のスライムっぽい何かがプルプル震えている。
「敵か!なら俺たちのLvアップの為に、犠牲になってもらおうか!」
そう言って、紫苑は自慢の斧を構えスライムに迫ろうとする。
「まてまて!こいつがどんな攻撃してくるか、
まだ分かってないんだぞ?」
スライムに迫ろうとする紫苑を止め、作戦を練ることにする。
「んじゃ、どうするんだ?」
「・・・まず、スライムの攻撃方法を見てみよう。
それで大体どういう風に攻撃してくるのかが分かるはずだ。
攻撃方法が分かれば、ワイルドドッグの時のように、対応が可能になる」
「わかった!それでユウ、どうやってスライムの攻撃方法を確認するんだ?」
「俺が近づいてスライムの攻撃を受けてみるよ。
戦士の紫苑より、盾持ちの俺の方が安全だろうからね」
そう剣士のジョブは盾役に適している。戦士でも盾役は出来なくはないんだが、
その場合は、敵の攻撃を避け続けなければならない。
戦士は剣士よりも防御力が低いく、さらに盾も装備できないため、
受けるダメージも大きいのだ。それに紫苑は竜族。
竜族は敏捷値が低いため回避するという行動が、他の種族よりも難しいのだ。
「よし!紫苑!何かあったらサポートよろしく!」
「おう!まかせておけ!」
そう言って、俺はスライムにジリジリと近づいていく、
すると、スライムはなぜかその場で、ポヨンポヨンと跳ね出した。
「なんだ・・・?」
俺はそのままスライムを注意深く観察していると、スライムの頭上に突然、拳大の水球が形成された。
「!!」
俺は咄嗟に盾を構えると、直後にドゴンッ!!!!と盾からの衝撃が響いてきた。
「くっ・・・!」
HP22/27
どうやら敵のスライムは魔法を使ってきたようだ。
「ユウ!大丈夫か!?」
紫苑の心配した声が、後ろから聞こえてくる。
くっそ!盾で防いだのにダメージが入りやがった!
魔法攻撃は、ある程度貫通効果があるのかもしれない!
「大丈夫だ!それよりスライムは!?」
俺はそれに返事をし、すぐにスライムの追撃に備えて様子を伺う。
魔法を放ったスライムは、二発目を放つことなく、俺たちから距離を取ろうと跳ねて遠ざかっていく。このままだと、また魔法を撃たれる可能性がある。
俺は一気に距離を詰めて、魔法が撃てないように、近接戦闘に持ち込む。
「紫苑!こい!!」
「!」「わかった!!」
そういうと紫苑はすぐに、俺の隣まで来てタイミングを見計らう。
スライムは魔法を諦めたようで、さっきまでとは変わって
自分の体全てを使って、タックルを仕掛けてきた。
俺はそれを盾で弾き、紫苑の方へ飛ばす。
紫苑は待ってましたとばかりに、タイミングよくブロンズアックスを振るう。
「ブレイクダウン!!」
紫苑の会心の一撃が決まった!
どうやらまたクリティカルが出たようだ。
スライムの体は真っ二つになりその体を大地に横たえた。
「お!」
リザルト画面が表示され、経験値とお金を得た瞬間、同時にLvが上がった。
Lvが3になった事が、リザルトで確認できたのだ。
「どうしたんだ?ユウ?」
「Lvが3に上がったんだよ!紫苑はどうだ?」
「いや、俺はまだLv2のままだぞ?なんでだ?」
「あー・・・。」
そういえば竜族は成長が遅いって公式ページに書いてあった気がするな・・・。
ちなみに、人族は普通の成長速度らしい。普通がどの程度なのかは知らないが。
「確か竜族はそういう設定があったかもしれない・・・」
「マジかよ!?なんだよそれ!!聞いてないぞ!!!!」
「まあまあ。別に悪いことばかりでもないんだぞ?竜族は大器晩成型でな、
成長速度は遅いけど、中盤以降、体力の伸びが各種族の中で一番高いし
竜族専用装備まであるらしいぞ?」
俺が竜族のメリットを答えてやると紫苑は
「うはww。竜専用装備とかマジロマンww」
チョロすぎるだろ・・・。この竜族・・・。
「さて・・・っと、ちょっと待っててな、今ポイント振っちゃうから」
「おう。で、次はどのステータス上げるんだ?」
「ん?もちろん体力だよ。」
そう言って、ステータス画面を操作しポイントを体力に割り振る。
Lv3
HP30/35 MP9
筋力 2
体力 5
敏捷 2+1
魔力 2
どうやらLvアップでHPは回復しないようだ。
「ほ~ん。また体力?筋力は上げていかないのか?」
「まぁ、現状だと紫苑がいれば火力は足りてるからな~・・・」
もちろん体力全振りなんてやるつもりはまったくない。俺は広く浅くやるのだ。
「そうだろそうだろ♪アタッカーは俺にまかせておけ!」
などと言って、紫苑は偉そうにふんぞり返っている。
「どうせ紫苑は、筋力に全振りだもんな!この火力バカが!(笑)」
「あったりまえだろ!脳筋なめんな!」
自分で言うなよ・・・。
「それじゃあ、もう町に戻るぞ」
「俺のLvアップは、次回に持ち越しか~」
「どうせすぐに上がるって、それより早く戻るぞ!」
そう言って、俺はアルビナへ全速力で走っていった。
「ちょ!俺の方が敏捷値低いんだから!走るんじゃねぇ!!」
そうして俺たちは、無事クエストをクリアして、商業都市アルビナに帰還するのだった。
「先にアルビナに着いた方は、紫苑にアイスを奢って貰うって事で!」
「それ俺が先に着いても、俺が自分に奢るってことじゃねぇか!!!!」
「先に着けたらいいね(ニッコリ)」
「ふざけんなあああああああああああ!!!!」
そうしてモンスターに遭遇することなく、俺たちは無事に、アルビナに到着した。
勝負の結果?言うまでもないじゃないか。
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