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知識の果実  作者: ユロ
初心者編
4/25

武具屋ドグマ

お楽しみ頂けたら幸いです

武具屋を探して商業区を紫苑と駄弁りながら物色していると

端の建物から怒鳴り声が聞こえてきた。



「おい!お前んとこの武器すぐにぶっ壊れたぞ!

 なまくら売りやがって!金返せ!!」


「お前の武器の扱いがなっていないだけだろうが!

 文句言う暇があるなら、少しでも腕を磨いてこい!」


「ふざけんな!こんな店もう二度と来るか!」



バン!



男が勢いよく扉を開き、肩を怒らせてズンズンと商業区の中に消えて行った。



「ようやく武具屋が見つかったな」


「けどよ!さっきの兄さんこの店の武器ぶっ壊れたって

 言ってたぞ。大丈夫なのか?」



まぁ確かにちょっと不安はあるが、店の中を見るくらいなら被害もないだろう。



「大丈夫だろ。多分さっきの男はAIだしな」


「えっ!?なんでそんなことが分かるんだ?」


「普通はゲームで武具屋に文句言いにくるプレイヤーなんていないだろう」


「ああー!なるほどw けどさ、なんでAIが武具屋に文句なんて言ってるんだ?」


「多分だけど、何らかのクエストが発生しているのかもしれない」


「ということは、この流れだと店に入ればクエストが進むってことになるのか?」


「そういうことだな」


「よし!なら早速武具見ようぜ!」



そう言って紫苑は店の中に入っていく。俺も後に続いて入り、ドアを閉める。

店の中を見ると壁に掛けられた武器が至る所に飾られている。



「おおー!超カッケー斧があるぜ!・・・ってなんだこの値段は!?」



紫苑が見ていた斧を見てみると、0の数が9つ並んでいた

明らかに売るつもりがない値段である。ラスボス倒せるんじゃね?



「とりあえず店主に初心者用の武具を見せてもらったほうがよさそうだな・・・」



紫苑がむむむと唸っている横で、店の店主に呼びかける。

すると、人族でスキンヘッドの怖顔のおじさんがこちらを睨んでくる。

ジロジロと見られていると、何を思ったのか手元で何らかの

操作を繰り返していた。



「えっと・・・。すみません。武具を買いたいのですが、

 商品を見せてもらえますか?」


「・・・・いいだろう」



スキンヘッドのおじさんがそういうと、目の前に武具一覧の画面が開かれる。

どうやらこれで商品を選んで買うことが出来るようだ。



「おっ!この値段なら、俺たちにも買えるな!」



と、紫苑が隣から覗き込んでくる。



「ああ。ご丁寧に説明文まで書いてあるな」






武具屋 ドグマの売り物


チャンバラソード  100G  攻撃力0

縛りプレイにどうぞ    


ブロンズソード   150G   攻撃力2

冒険者になりたての初心者がよく使う剣


ブロンズアックス  200G  攻撃力3 

冒険者になりたての初心者がよく使う斧


こんぼう      50G   攻撃力1

武器があるだけマシ 


ブロンズロッド   70G  攻撃力1

装備してるだけで魔法ダメージ1アップ! 


ブロンズメイス   100G  攻撃力1

装備しているだけでMP消費が1下がる


ブロンズバックラー  70G  防御力1

盾で防御が可能になる、剣士はこれ買っとけな装備 


皮の帽子      150G  防御力1

ないよりマシ、初心者にはこれしか買えない。残念な装備 


皮の鎧        300G  防御力3

前衛は買っとけ、損はしないぞ!


皮の手袋       50G  防御力1

手汗スゲー奴は買わないほうがいいかも?


布ローブ      100G  防御力1

ないよりマシ 


皮の靴 70G 敏捷1アップ

全ジョブ勧め装備! 


 



まぁ、最初の武具ならこんなもんだよな。てかチャンバラソードってなんだよ。

誰がmmoで縛りプレイするんだっての。他の説明文も適当すぎんだろうが。



「なぁなぁ、おっちゃん。そこの武器がここには載ってないんだけど」



紫苑がさっきの斧を指差しながら店主に話しかける。



「お前らみたいなヒヨッコはこれで十分なんだよ。その斧が欲しかったら、

 最低でも魔族と戦えるくらいじゃないとな。それにお前ら金払えるのか?」


「ぐぬぬ・・・。」



紫苑は放っておくとして、魔族・・・か。このゲームには

人類の他に魔族という種がいて、人類と敵対関係にあるという設定らしい。

魔族は滅多に人前に姿を現さないが、一年に一度魔族が軍を率いて

人類が住むこの大地を蹂躙する。人類はこれに対抗するための連合軍を組織し

魔族と戦争をすることが、このゲームの最大のイベントと言えるものだろう。

もちろん、俺たち冒険者もこの戦いに参加し活躍すると、

様々なレアアイテムや称号を得られるらしい。

まぁ、Lv2の俺たちには、まだまだ先の話になるのだが。



「よし。俺はこの武器と防具を買うかな」


「お!ユウはもう決めたのか?」


「この商品の中から選べるものなんて、たかが知れてるだろ」


「そうなんだけどさ。んじゃ、俺もさっさと選ぶかな」



そうして俺たちは選んだ装備を買い。その場で早速装備をしてみる。



キャラクター名 ユウ



右武器 ブロンズソード


左武器 ブロンズバックラー


頭   なし


体   服


手   なし


足   皮の靴



剣と盾と靴を買ってみた。所持金がまだ210Gあるが、とりあえず

これでいいだろう。自分の装備を整えてから、紫苑の方を見てみると

またウンウン唸っていた。



「今度は何で唸ってるのさ?」


「いやな、斧を装備しようとしたんだけどエラーが出るんだよ」


「は?戦士職は斧がメイン武器なんだから装備出来ない筈ないだろ」


「いやいや!本当に装備出来ないんだって、せっかく2つも買ったのに・・・」


「・・・・・・。」


「ん~・・・。ユウ!これはあれか?バグって奴なんじゃないか!?」


「バグってるとしたら、紫苑の頭の方だと思うよ・・・(苦笑)」


「なっ・・・なんでだよ!」


「右手はもう装備出来ているんだろ?で、左手に斧を装備できないと。」


「そうなんだよ!紹介動画だとちゃんと装備してたのに何でだ?」


「ちゃんと説明してたぞ。二刀流は上級スキルで特定の条件を満たさないと

 習得できないって」


「・・・・・・。」


「お前戦闘シーンに夢中になって説明聞いてなかったんだろ・・・(笑)」


「どうしよ・・・。もう金がないぞ」


「ブロンズアックスを二つって事は、400Gも使ったのか・・・。

 他は何を買ったんだ?」


「防具は皮の靴を買ったぞ」



ということは、残りの所持金30Gかよ・・・。



「紫苑。この後、雑貨屋で回復薬を買うから、出費は程々にな」


「そのセリフは、もう少し早く欲しかったぜ・・・。」


そんなアホな話を紫苑としていると、スキンヘッドの店主が話しかけてきた。


「おい、坊主ども。てめぇ等も早く強くなりたいんだったら、

 チンタラ駄弁ってないで、さっさと外で魔獣をぶっ殺してこい!」


「は・・・はい。それじゃあ、これで失礼します。」


「おっちゃん、武器あんがとな!」



早くも紫苑は立ち直っていた。そのポジティブさが羨ましい。



「おう、ちょっとまて坊主!」


「はい。何でしょうか?」



店を出ようとする所で、店主に話しかけられる。



「せっかくだ。ついでにクエストを受けてけ」



そういうと、俺の目の前にメッセージウィンドウが表示され、

クエストが発生したことが知らされる。




アルビナクエスト



依頼者ドグマ アルビナ周辺に生息しているワイルドドッグを10匹ぶっ殺せ


報酬100G




物騒なクエストが表示されている。



「PTを組んで狩れば二人同時にクエストを達成することが出来る。

 坊主どものジョブの相性はいい。この位のクエストならすぐに終わるだろう」


「なるほど。PTですか。」


「俺の名はドグマだ。その武器に物足りなくなったら来い。

 坊主どもの強さにあった武具を用意してやる。」


「はい。クエスト有難う御座います。また伺わせていただきます」



そう言って今度こそ店を出る。なぜか隣にいる紫苑が滾っていた。



「きた!ついにきた!早く、いぬっころをコロコロしにいくぞ!」


「雑貨屋で回復薬買ったらな」


「えー、もういいじゃん。武器買ったんだから戦闘しようぜ」


「ダメダメ、万が一、死んだら全所持金ロストだぞ?

 紫苑の30Gは別にいいかもしれないが、俺はまだ210Gもあるんだ。

 出来るだけアイテムを買い揃えて、所持金を減らしておきたいんだよ」


「30Gで悪かったな!分かったよ!なら、早いとこ雑貨屋に行くぞ!」


「ああ。ちょうど隣が雑貨屋みたいだからな、すぐに終わるだろう」



そう言って雑貨屋に入り店主に声を掛ける。

店主は人族の30歳を過ぎた男性が経営しているみたいだ。

髪の毛が黄色で目が少し垂れている。が、目が獲物を見るかのような

視線で、俺たちを値踏みしてくるのがちょっと怖い。



「すみません。回復薬を買いたいのですが、商品を見せてもらえますか?」


「はいはい。お客さんだね。ちょっとお待ちください」



店主の言う通り少し待っていると、商品欄が目の前に表示された。





ポーション      30G

HPを20回復する


レッドポーション   500G 

HPを100回復する


ブルーポーション   1000G  

HPを300回復する


解毒ポーション    300G  

毒を治癒する


麻痺解毒ポーション  2000G  

麻痺毒を治癒する


リザレクトポーション 1000000G

あらゆる状態異常をも治癒しHPMPを全回復させる 貴重品 


アルビナ周辺地図   300G   

アルビナ周辺の地図


つるはし       50G  

鉱山で働く人の必需品 武器にも使えるらしい


漬物石        70G   

ただの重い石


肥料         20G   

栄養満点な土


飴玉         5G    

砂糖を固めただけの飴




「ふむ、ポーション一つ30Gか」



俺はポーションを7つ買い所持金を0Gにした。

これで死んだとしても所持金が減ることはないだろう。



俺がポーションを買っている間に、紫苑も買い物が終わったようだ。



「んじゃ、紫苑のお望み通りモンスター狩りに行くかー」


「おっしゃ!やっと戦闘が出来るぜ!ここまで長かったーw」


「まだ、ゲーム始めたばっかだろうが(笑)」



そう話しながら店を出る。



「有難う御座いました!またのお越しを心よりお待ちしております!・・・ニヤリ」



外に出るとまだ日は高いことが分かる。このゲームは昼の時間が長く、

夜の時間が短いために、まだまだ夜になるまでの時間はたっぷりあるみたいだ。



「ユウ!走るぞ!俺たちの戦いはこれからだ!」


「打ち切りになりそうなセリフはやめろ」





ちゃんと続くよ!

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