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知識の果実  作者: ユロ
初心者編
21/25

スキル上げ





「・・・・お前に教えるスキルは二つ。

 一つは[バッシュ]というスキルだ。こいつは敵を殴りつける事で

 様々な状態異常を与えることが出来る。」



[バッシュ]か・・・。これは俺が以前やっていたゲームでもあったスキルだな。

だが、今のエグリドさんの説明だと状態異常も与えられて更にその種類も多彩のようだ。


「・・・・もう一つは[ダブルブレード]だ。こいつは素早い二連斬撃を繰り出すことが出来る」



お!ついにファスブレ以外の攻撃スキルが出てきたな!

しかも二連撃か。これなら俺の乏しい筋力でもある程度はダメージを

与えられる様になるかな?



「・・・・以上の二つだが、まずは[バッシュ]のスキルを覚えてもらう。

 直ぐに裏庭に来い」



そういうとエグリドさんは後ろに飾ってあった武具を手に取り裏庭に向かって行った。



「へ・・・・?まさか、あの武器使うの??」



ヤバイヤバイ、これまた死ぬんじゃね?

俺はそう思ったが今更後には引けず、エグリドさんの後を追いかけていった。














「・・・・構えろ」



エグリドさんが俺の前に立ち武器を構えている。

いやいや、ちょっとまって!



「その・・・・、やる前に聞いておきたいのですが・・・・」


「・・・・なんだ?」



これだけは確認しておかなければならないだろう。



「えっと、もしかして俺また死ぬんですか?」



そう前回の受け流しスキル習得時はエグリドさんにズタボロにされ

殺されてしまったのだ。もちろん本当に死ぬ訳ではない。だが、

出来ることなら避けたいと思う。誰だって死にたくはない。



「安心しろ。バッシュを覚えるには、お前が俺に対して盾で殴り習得するのだ」



エグリドさんの話によると、俺達には隠しステータスなる物が存在し、

[バッシュ]のスキル習得には盾のスキルを上げる必要があるという事だ。

つまり俺はエグリドさんに対して盾を使いスキルを上げて[バッシュ]を

覚えろという事だろう。しかし・・・・。



「いいんですか?幾ら高Lvだといっても殴られる訳ですよ?」



Lv50でも痛いものは痛いだろうに。



「・・・・心配無用だ。お前程度の攻撃を受けたとしても、俺にダメージは通らない。

 俺のスキル[ガードレス]の効果で50以下のダメージは全て無効化される。

 今のお前の力では俺に傷一つ付ける事すらできないだろう」



マジか!50以下って紫苑の攻撃でもダメージ通らないんじゃないか?



「ガードレスですか・・・・。ちなみにそのスキルの習得方法は何ですか?」



出来れば俺も覚えておきたい。



「・・・・Lv40以上で、あるクエストをソロでクリアした時の報酬で身につけることが出来る」



分かってたけど予想以上に習得難度が高そうだ。俺がガードレスを使えるようになるには、まだまだ時間が掛かりそうだ。


「そうなんですか・・・・。今の俺には無理みたいですね。

 すみません、時間を取らせてしまって。さっそく[バッシュ]のスキル

 習得の手伝いをお願い致します」



こうして俺の盾スキルを上げるため、エグリドさんに何度も盾で殴り掛かる。

これで本当にスキルが上がっているのかどうか分からないがとにかく殴る。

エグリドさんは武具で俺の盾の殴り攻撃を防いでいるが、あんなに殴って壊れないのかな?。壊れないんだろうな・・・・。














殴り始めてから一時間が経過した。

未だに[バッシュ]のスキルは習得できていない。



「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」



ただ殴っているだけなのに精神力がかなり削られていく。

俺はエグリドさんの顔を見てみるが何時もと変わらずムスッと

口を引き締めて此方を睨みつけていた。



「・・・・どうした?もう終わりか?」



俺の手が止まっているのを見て、エグリドさんが挑発した声を掛けてくる。



「いえ・・・。ただどれくらい殴り続ければ[バッシュ]を習得できるのか

 を考えていました」



エグリドさんが「ふむ・・・・。」といい考えるそぶりを見せた後、口を開き

言葉を発した。



「お前のLvは12だったな。普通ならLv20辺りで習得するスキルだから大体10時間程俺を殴り続ければ覚える・・・・かもしれんな」



10時間!?しかも覚える「かも」!?これは別の意味で死ぬかもしれない。












俺はさすがに10時間ぶっ通しでゲームをする訳にはいかず。

二日に分けて[バッシュ]を習得する事にした。

エグリドさんも宿の仕事があるのに大丈夫なのかと聞いてみると



「・・・・他の奴に頼めば問題ない」



と言われた。ゲームだからなのか、そこら辺は融通が利くらしい。

便利だね。

俺は今日はもうログアウトして明日に備えることにした。

さすがに5時間も殴り続けたのだ。体力は減らないが、精神がズタボロだ・・・。














次の日



「ガァハァ・・・・ハァ・・・ハァ・・・」



やり遂げた。ついに[バッシュ]を習得した。昨日と合わせて9時間掛かった。

エグリドさんは10時間と言っていたが、どうやら多めに言っていたらしい。

まぁ・・・確かに9時間と言って、もし習得できなかった時の事を考えると

ぞっとしないからな・・・。多めに言っておいたほうが気持ちも楽になるのだろう。



「あ・・・・有難う御座いました」



俺は9時間もスキル習得を手伝ってくれたエグリドさんに礼をする。



「・・・・礼をするにはまだ早いぞ」


「・・・・え?」


「・・・・教えるスキルは二つと言っただろう。

 次はダブルブレードだ」


「・・・・」



完全に忘れていた。そうだ最初に説明されたじゃないか。

しかもファスブレ以外の攻撃スキルだって喜んでいたような・・・・。



「えっと・・・。ちなみに習得方法は何でしょう?」



俺はイヤな予感を感じながらも聞いてみる。



「・・・・剣スキルを上げる事で習得可能だ。今度は盾ではなく剣で攻撃しろ」


「・・・・・・・はい」



また9時間くらい掛かるのかな・・・・?

等と思いつつ、俺はエグリドさんに斬りかかり、再びスキル上げに入っていった。



















俺が[ダブルブレード]を習得したのは、それから三日後であった。











有難う御座いました

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