開始
イベント当日 アルビダ北門
「ユウ大丈夫か?」
紫苑が心配そうに俺を見ている。無理もない、スキルを二つ覚えた後も
エグリドさんに今日までみっちり訓練させられたのだ。今の俺は傍から見たら
徹夜明けのリーマン並みに酷いのかも知れない。
「大丈夫だ・・・・。それよりもサラさんとキュトさんはまだ来ないのか?」
そろそろイベント開始の時間になる。先程メールを送ったから、そろそろ
来てもいいと思うんだが・・・・。
「お!ユウ!!来たみたいだぞ!」
紫苑が大声でサラさん達が来たことを知らせてくる。そんなに大声で言わなくても
聞こえてるからもう少しトーンを落としてくれ・・・・。
「おまたせー!ちょっと遅れちゃったかな?」
「準備に手間取っちゃったニャ。ごめんニャ」
二人が遅れてきたことを謝っている。まだイベは始まってないから気にすることは
ないんじゃないかな。
「いや、かまわないよ。まだ少しなら時間があるし、イベが始まる前にお浚いをして
おこうか。」
俺は今回のイベントの趣旨や装備の確認やらをし、最後に戦闘方法について確認をする事にした。
「基本は何時もと変わらず、まず俺が敵に突っ込んで盾で防ぎつつ敵に隙を作り、
紫苑やキュトさんが攻撃。で、止めでサラさんが魔法で攻撃。ここまでは何時もと
同じだけど、複数いる場合は、まず俺が一体を相手にしている間に三人が他モンスタ ーを倒してもらう。この場合サブ盾として紫苑が敵に対峙してもらうことになる。
メールでも書いたけど、紫苑もこれは了承済みだ。で、もし三体相手になる事になっ たらキュトさんが三体目の盾役になってもらうことになるんだけど、この場合はもう
逃げることを考えたほうが良いかな。基本は一~二体を狩ることにして、三体いた
場合は逃げることにしよう。」
そこまで一気に話した後、三人の顔を見回す。異論はないようなのでこの作戦で納得したようだ。
俺はイベント開始時間を確認する。後10分でイベント開始だ。
最後に俺は自分のステータスを確認した。
Lv12
HP95 MP27
筋力 2
体力 11+2
敏捷 5+1
魔力 2+1
右武器 ブロンズソード 攻撃力2
左武器 ブロンズバックラー 防御力1
頭 スカルキャップ 防御力3
体 ブリガンダイン 防御力5 魔法耐性+
手 体力の腕輪 体力を2アップする腕輪
足 皮の靴 敏捷1
スキル
ブロック 敵の攻撃を盾でガードする
バッシュ 盾で殴りつけ様々な状態異常を引き起こす
ファストブレード(通称ファスブレ) 素早い斬激を繰り出す
ダブルブレード 素早い二連斬撃を繰り出す
ヘイトアップ 自分が行動する度に、敵の攻撃が自分に集中し易くなる
受け流し 武具で攻撃を受け流す。
ヒール 味方一人のHPを小回復する
なんとかここまでの装備を揃えることに成功していた。ヒールを買ったおかげで
装備の更新が出来なかったのだが、エグリドさんがお古のブリガンダインを譲って
くれた御蔭でかなり強化できた。魔法耐性+がどれ程効果があるのかは知らないが
ないよりあった方がいいに決まっている。エグリドさんには今度改めてお礼を言いに
いかないとな。
「よし!そろそろ移動しよう。皆も準備はいいかな?」
俺は最後の確認を取る。
「おう!とっくの昔に準備万端だぜ!」
「私も大丈夫よ。いつでも行ける」
「キュトもニャ!がんばるニャ!」
皆も準備が完了しているようだ。
「それじゃあ、ゴブリン狩りに行くとしますか!」
俺のセリフと同時にイベント開始の合図である花火が打ちあがる。
待ってましたとばかりに周りのプレイヤー達が一斉に走り出していった。
俺達も負けじと走り門を潜る。今この[Brave Blade Online]
最初のイベントが開始された。
「紫苑!行くぞ!!」
「おう!」
俺はゴブリンに対して盾で殴りつける。[バッシュ]には敵に状態異常を与える効果が
あり、その状態異常は様々だ。今ゴブリンに与えた状態異常は混乱。ゴブリンは武器を振り回すだけで此方を見ていない。これじゃあ幾らLv20前後のモンスターでも一方的に倒すことが出来る。だが、腐っても俺たちよりも高Lvだけあってなかなか倒れないのだが・・・。
「ファイアブリッド!」
サラさんの魔法が止めになり、ゴブリンが倒される。俺達はこれまでで5匹のゴブリンを狩っているが、未だに一匹づつだ。複数のゴブリンに襲われたら厄介なのは間違いないだろうから、細心の注意が必要だな。
「皆疲れていないか?」
俺は以外にタフなゴブリンとの連戦で疲れていないか、皆に確認を取る。
「私はちょっとMPがこのままのペースだと足りなくなるかも」
「キュトは大丈夫ニャ!まだまだいけるニャ!」
「分かった。少しペースを落とそう。疲れたら休憩も取るから言ってくれ」
俺はそういうと再びゴブリンを探す為にレーダーを睨みつける。
「おいユウ!俺にも聞いてくれよ!」
「紫苑は聞かなくても大体分かるから」
「酷くないかそれ??」
紫苑は放置しておいてレーダーを見る。すると複数の敵と戦う別プレイヤーのPTを見つけた。どうやら苦戦しているらしく、徐々に後退しているのがレーダーで見て取れる。
「なんか他のプレイヤーが苦戦してるみたいだけど、・・・・助けるか?」
俺個人としては助けに入るっていうのはしたくない。色々難癖付けられる可能性があるからだ。横からゴブリンを取られたと思われるのもなんかイヤだし。
「放って置いてもいいんじゃない?それに私たちも人の事言えなくなるかも」
「ん?」
俺はサラさんの言葉を疑問に思い、サラさんの視線の先を見てみる。
するとそこには、目を血走らせて走りよってくるゴブリン2体が
20m程はなれた場所から此方に迫っていた。さっきまでレーダーには映っていなかったのだが、隠れていたのか?
「!」
俺は直ぐに武器を構えなおし、戦闘態勢に入り指示を出す
「紫苑達は斧持ちのゴブリンを頼む!俺はその間盾持ちゴブリンを抑える!
有難う御座いました




