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知識の果実  作者: ユロ
初心者編
13/25

不味い飯

続きです


アルビナ 食い倒れの店(二回目)









「それじゃあ専用クエストの事を教えてくれ」



俺は料理を待つ間、紫苑にクエストの事を問いかける。



「ああ、ユウは最初に武具屋に行った時の事を覚えているか?」



最初?確か兄ちゃんが武具屋で文句言ってた奴の事か?



「サラちゃんは知らないだろうけど、

 俺たちが武具屋に行った時に、丁度店から出てきた

 兄ちゃんがいたんだけどな、そいつがクエストを

 発行してくれたんだよ」



あの時の男はやはりAIだったらしい。

どうやらイベントが進行していたのは紫苑の方だったようだ。



「それであの男はどうやってクエストを発行してくれたんだ?」



スキル習得のクエストなんだ、内容が気になるのは当然だ。

サラさんも興味深そうに紫苑の話を聞いている。



「それがよ・・。午前中に商店街で時間をつぶしてたら

 偶然あの兄ちゃんを見つけてな、

 ユウがクエかも知れないって言ってたの思い出して

 後を付けたんだよ。」



俺だったら見つけても確実に無視していたな・・・。



「んで、後を追っているとそいつが街の外に出て

 モンスターを狩りだしたんだけどな、さすがにこの時は、

 こいつAIじゃなくてプレイヤーなんじゃないかと思ったんだけど、

 そいつ、武器を持っていなかったんだよ。」



そりゃおかしい。幾らなんでも武器を持たないで外で

モンスターを狩る奴なんていないだろう。



「・・・まだ、料理はこないのかしら?」



・・・うん。目の前にいたね。

サラさんが誤魔化そうとしているから触れないでおこう。



「んんっ!それでその後はどうなったんだ?」



俺は喉を鳴らして話を戻す。


武器なかったら魔法で戦うしかないだろう。

もしくは石拾って鈍器にするとか?



「ああ、それがな。突然叫びだして、そのままモンスターを殴ってた」



「・・・は?」



叫ぶ?なんで?あ・・・?



「あれか?ウォークライってやつか?」


「そういうこと、そいつがウォークライを使ってから

 攻撃力がかなり高くなったみたいで、

 普通に素手でモンスターを倒してたよ」


「素手って・・・。ウォークライって

 少しだけ攻撃力高くなるって言ってなかったか?」



確か紫苑は少しだけ攻撃力が高くなる代わりに

MPを消費するとか言ってたな・・・。



「ああ。多分AIのウォークライと

 俺たちプレイヤーのウォークライはスキルの効果が

 違っているんじゃないか?」


もしくはその男のウォークライが紫苑の使うウォークライよりも

上位のスキルだった場合も考えられるな・・・。



「なるほどね。それでそのウォークライはどうやって習得したんだ?」



どの位の難易度か、他のスキル習得クエストの参考になるだろう。



「AIにお願いしてクエストを発行してもr」「ちょっとまて!」


「なんだよ急に?」


「紫苑はAIにクエストを発行して貰えるように頼んだのか?」


「そうだぞ。つか、ユウも魔法屋の婆ちゃんに

 お願いしてクエ貰ってたじゃん」


いやそりゃそうだけどさ。なに?

クエストって皆お願いして発行してもらうものなの?

俺たちがお願いされてクエストやるものだと思ってたよ。



「そ・・・そうだな。話を切って悪い。続けてくれ」



俺はそう言って紫苑に話を促す。



「ああ。んで、そのクエなんだけどな、思いっきり叫ぶんだ。」



「叫ぶ?って・・・?」



「叫ぶんだよ!こんちくしょぉおおおおお!!!って感じで」



マジかよ・・・。どういうクエだよそれ・・・。



「ああ・・・、そういうことか。

 つまりウォークライだから叫んで習得しろとかそういう」


「それそれ!wいやー、結構時間掛かったんだぜ?

 その兄ちゃんが言うには、気合いが足りないとか

 声が小さいとか、死にそうになってないとか」



最後の以外はまともな理由だな。まともだよな?



「それはまた難しそうなクエストですね」



サラさんには難しいクエストのようだ。

主に羞恥心に大きなダメージが期待できる。


しかし、これはあれかな?普通のRPG見たいに

村人全員に話しかけろ的な感じなのかね?

まだサービス開始からあまり日も経っていないから、

情報がまだあまり集まってないんだよなぁ・・・。

何処かで聞き込みをして情報を集める必要があるかもしれない。



そんなこんな話をしていると、やっと料理が運ばれてきた。

今日俺が注文したのはグラタンだ。

サラさんがエビピラフで、紫苑が冷やし中華を注文した。

もう夏だもんね。というかまた麺か。




もぐ もぐ もぐ もぐ




うん。粉っぽいな。期待はしていなかったけどこれはない。

断言できる。不味い。

俺がそんな粉っぽいグラタンを食べていると

サラさんの方から、くちゃ、くちゃと音がしてきた。



サラさんの方を見てみると、エビピラフを食べているのに

一向に飲み込む気配がない。ガムでも食ってるのか?



「不味い・・・」



うん。知ってた。

紫苑はというと何時も通り美味そうに食っていた。



「ごめん。俺残す」


「私もちょっと無理・・・。」



さすがにこれは食えない。俺たちは勿体無い?が残すことにした。

ゲームだから許してね?



「なんだ?二人とも食べないのか?」


「うん。紫苑はゆっくり食べてていいよ・・・。」



こうして俺たちはもう二度と此処には来まいと誓うのだった。













さて、紫苑の食事をしている間、暇なので

今後の予定を話すことにした。


「サラさん。俺たちはこの後、

 専用クエストを探そうと思ってるんですが、

 サラさんはどうしますか?」


そう言って俺はサラさんの予定を聞いてみる。

もし時間が許すなら、一緒にクエストを

探してみるのもいいかもしれない。



「ごめんなさい。ちょっと私用で出かけなくちゃいけないの・・・。

 また今度誘ってね?」



どうやらサラさんはリアルで用事があるようだ。残念。



「うん、わかったよ。それじゃあまた今度誘うことにするね」



「ぐっぷ、はーっ!食った食った!」



俺とサラさんが話し終わると同時に、

紫苑も冷やし中華を食べ終わったようだ。



「紫苑。そろそろ店を出るぞ。

 最初はイベントが発生した武具屋で聞き込みだ」


「おう!ドグマのおっちゃんの所だな!」



そうして俺たちは店を出てサラさんと別れ、

武具屋へと向かって行った。





























「それにしても、紫苑はよくあんな物食えるよな。

 どういう味覚してるんだ?」



俺が不思議に思い紫苑に尋ねてみると、こう返してきた。



「食べないと勿体無いだろ?」



正論だった。ゲームなんだけどその精神は見習おうと思う。
































あの店では無理だけどな。




































これで今回の連続投稿を終わります。


お付き合いいただき有難うございました。

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