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知識の果実  作者: ユロ
初心者編
10/25

ボス戦

昨日の続きです



「紫苑!こんぼうに武器を切り替えろ!」


「おう!」



俺と紫苑はこんぼうに武器を装備し直しヒュージスライムに対峙する。


ヒュージスライムはプルプルと震えていたが、突然ポヨンポヨンと

跳ね始めた。あれはスライムが魔法を使う時の兆候だ。



「紫苑!俺の後ろに来い!」



俺がそう言って盾を構えると、ヒュージスライムは拳大の水球を出し

こちらに撃ちだしてきた。



ドゴン!



「ぐっ・・・!」



HP28/35 MP9



ヒュージスライムの魔法はスライムよりも協力で俺のHPを確実に削っていく。

俺はHPを7ポイント削られたがこれならあと三発は耐えられる。

それに、雑貨屋で買ったポーションもあと4つ残っている。これだけあれば

ある程度の時間は防げるだろう。後は紫苑の火力しだいだ。



「俺が魔法を防ぐその間に!」



そう言って俺はヒュージスライムに走り寄りこんぼうを構える。

直もヒュージスライムは魔法を発動してこようとしているのか、

ポヨンポヨンと跳ねている。俺はそれにかまわず、こんぼう

でヒュージスライムを殴りつける。



ぐちゃっ!



俺のこんぼうがヒュージスライムに直撃する。

だが、手応えがあまりない。ダメージは通っているようだが、

俺の筋力値ではダメージが少なすぎる。



「おぉおおおお!りゃあああああ!ブレイクスマァアアッシュ!!」



ポヨンポヨン飛び跳ねていたヒュージスライムは紫苑の攻撃で

少しだけ後ろに吹っ飛ばされる。どうやら紫苑の火力なら

多少はダメージを稼げるようだ。



「いいぞ紫苑!このまま隙を突いてダメージを与えてくれ!」


「まかせろ!」



ヒュージスライムは詠唱?を完了して、またもや水球を此方に撃ちだす。

俺は紫苑の前に出て、盾を構え魔法の水球を防ごうと衝撃に備える。



ドゴン!



HP21/35 MP9



予想違わず、俺の盾で水球を防ぐ。さっきと同じ7ダメージだ。

これなら後二発は耐えられるはずだ。



「いくぞ!もう一発かましてやれ!」


「おう!!」



紫苑は先ほどの一撃に満足したのかやる気が満ち溢れている。

その調子でクリティカルも出してほしいものだ。



俺はヒュージスライムに近づき、こんぼうで殴りつける。

微量だが確実にダメージを与えられているのはいいのだが、

ヒュージスライムはさっきまでとは違って魔法を使おうとしていない。

どういうことだ?



「くらえぇえええ!!ブレイクダウン!!」



紫苑の上段殴りが決まり、ヒュージスライムの体に窪みができる。

確実にダメージを与えているようなのだが嫌な感じがする。



「紫苑一度下がって様子を見るぞ!」


「なんでだよ!今いい感じに押してるじゃないか!」



その時俺は、背後から何かがガサガサと此方に向かってくる音に気づき咄嗟に

後ろを振り向く。するとそこには。



「マジかよ!また増えやがった!?」


「なに・・・っ!?」



俺の言葉に紫苑が驚愕する。ヒュージスライムは魔法を使うのではなく

先ほどと同じように仲間を呼んでいたのだ。これで挟み撃ちにされてしまった。



「く・・・っ!紫苑!後ろのスライムは任せる!

 俺はでかい方を相手にするから、さっさと雑魚を倒してきてくれ!」



俺は紫苑に指示を出していく。



「わかった!速攻でぶっ倒す!!」



後ろのスライムは紫苑に任せて、俺はヒュージスライムの前に対峙する。

ヒュージスライムは此方をおちょくる様にプルンプルンと震えている。



「なめやがって・・・っ!」



俺は直ぐにヒュージスライムに近づきこんぼうを振り上げる。

だが、ヒュージスライムは魔法ではなく自分の体から触手を伸ばし

こちらに鞭のように、此方に叩きつけてきた。



「なにぃいいっ!」



俺は咄嗟に盾を構えるが、間に合わず、もろにヒュージスライムの

鞭攻撃を受けてしまう。



「ぐあぁあ!」



HP9/35 MP9



ヒュージスライムに安易に攻撃した結果がこれだ。もうちょっと冷静に

なるべきだった。だが、反省はこのでかスライムを倒した後でいい。

俺はヒュージスライムから一旦距離を取り、回復ポーションを使おうとする。

だが、ヒュージスライムは俺に追撃を掛けようと、ポヨンポヨンと

魔法の詠唱に入っていた。



「くっそっ・・・!」



俺はヒュージスライムが作り出した水球をガードするために、盾を構える。

その瞬間盾に衝撃が走り、俺は後ろに少し後ずさった。



「ぐっ!」



HP2/35 MP9



俺はなんとか耐え切り、直ぐに回復ポーションを飲み、HPを回復させる。



「んぐ、んぐ、んぐ。はーっ・・・はーっ・・・。」



HP22/35 MP9



今のは危なかった、体力にポイントを振ってなかったら死んでたな。



「ユウ!大丈夫か!?」


どうやら紫苑の方のスライムは片付いたようだ。

俺は紫苑のHPを確認する。



HP19/28 MP9



紫苑のHPも減っている。スライムに魔法か何かくらったのだろう。



「大丈夫だ。それよりまた仲間を呼ばれたら面倒だ。

 一気に蹴りをつけるぞ!」


「おう!危なかったらちゃんと下がれよ!?」


「こっちのセリフだっての(笑)」


俺たちは再びヒュージスライムに迫り攻撃を加えていく。

ヒュージスライムは鞭を振るうが、俺の盾に阻まれていく。

通常攻撃なら盾で防げばダメージをくらう事はない。



「おりゃ!」



紫苑のこんぼうが、何度もヒュージスライムの隙を狙い、放たれる。



グチャ!



ベチャ!



ドチャ!




だが、それでもヒュージスライムは倒れない。どんだけHPあるんだよ。



「おい、ユウ!こいつ死なないぞ!どうすんだ!!」



さて、どうしよう。このまま攻撃し続けても勝てるだろうが、面倒だな・・・。


俺がそう思っていると、また後ろから音が聞こえてきた。

また、ヒュージスライムが仲間を呼んだのかと思い、振り向いてみると

そこにいたのは、[人]だ。しかもただの人ではなく妖精族の女の子だった。

その子は金髪で、ロングヘアの間から耳が尖り、突き出していた。

目は青く澄んだ瞳をしており此方の様子を伺っている。


その子は何を思ったのか、俺たちに近寄り声を掛ける。



「あの・・・。手伝いましょうか?」



どうやら苦戦している俺たちを見て、手伝おうとしてくれているみたいだ。



「ユウ!手伝ってもらおうぜ!このままじゃ埒が明かない!」


紫苑の言う通り、このままだと無駄に時間が掛かってしまうし、

何よりポーションを消耗してしまう。

そんな、俺の勿体無い精神もあり、その女の子にも一緒に

戦ってもらうことにした。


「わかった!そこの子も頼む!

 俺がPT申請するからすぐに承諾してくれ!」



俺はそういうと直ぐに、女の子にPT編成の申請を飛ばす。

ちなみにこの間、俺はずっとヒュージスライムの攻撃を受け続けている。

オートで盾が動いてくれてなかったら、すでに死んでるなこれ。



「承諾しました。あの・・・、私は何をすれば?」



俺は女の子がPT入ったのを確認すると、

素早く女の子のジョブをPTステータスから確認をする。



「!!。魔法使いか!なら俺たちから少し離れて、

 遠距離から魔法攻撃を頼む!!」


「わかりました」


俺は女の子に指示を出し、再びヒュージスライムを睨む。


「紫苑いくぞ!」


「おう!」



俺は盾でヒュージスライムの攻撃をガードし、こんぼうで攻撃を加える。

さらにそこで紫苑の攻撃も俺の攻撃に合わせて放たれる。


「おりゃああああ!ブレイクアッパァアアアアア!!」


どぐちゃっ!


ヒュージスライムが紫苑の攻撃によって体勢を崩す。

さすがに巨体だけあって打ち上げるのは無理だったようだが

今はそれでも十分だ。


「今だ!」



俺はタイミングよく魔法を撃たせる為に、女の子に指示をだす。



「はい!ファイアブリッド!!」



ドガァン!



ヒュージスライムは女の子の魔法攻撃をモロに喰らいビクビクと痙攣している。

どうやらかなり効いているようだ。あの婆さんが魔法が弱点だと言っていたが

本当に弱点だったようだ。


「よし!効いているぞ!!その調子で頼む!」


「はい!わかりました!」


俺たちはその後も、女の子と連携を行い、

合計五発ファイアブリッドでダメージを与え、

ようやくヒュージスライムを撃破した。

そしてヒュージスライムは、溶けるように煙になって消えて行った。



「はぁ・・・はぁ・・・。やっと倒したか・・・。」


「きた!Lv3きた!!これで勝つる!」



紫苑・・・。もう勝ったんだってば・・・。

どうやら紫苑は無事Lvが上がったようだ。それよりも・・・。



「ありがとう。君のおかげで、なんとか倒すことが出来たよ」



これは本当だ。もうポーションも全て使ってしまい、

かなりギリギリの勝利だった。誰だよ、こんぼうで勝てるって言った奴。



「ううん。気にしないで。

 それに、私も今のでLvが上がったから、結果的にプラスになったし」



確かにボスだからなのか経験値もかなり高かった。そりゃLvも上がるだろう。

それに、ヒュージスライムを倒してことで、クエストをクリア

することが出来た。これで1000Gを手に入れることが出来る。



「そっか、それならよかった。

 ところで、俺たちはもう町に戻るんだけど、一緒に行かないか?

 さすがに5発も魔法を使ったんだ。もうMPもないだろ?」



女の子は少し考える素振りを見せると、此方の提案に乗ってきた



「うん、いいよ。MPは徐々に回復していくんだけど、

 さすがに待ってるのも面倒だし。」


「おっけい。ほら紫苑!いつまでもステータス見てないで帰るぞ!」


「おう!ちょっと聞いてくれよ!今ので筋力5になったんだぜ!

 今の俺なら犬っコロくらい、クリなしの一撃でも倒せるぜ!!」



さすがに無理じゃね?もっといい武器ならやれるかもしれないが。



「はいはい、すごいね・・・。二人ともとりあえずアルビナへ戻ろう。

 ここじゃ、ゆっくりと話も出来ないしね」


そう言って、俺たちはアルビナへと帰っていった。























「そういえばまだ自己紹介してなかったね、

 俺の名前はユウ。で、こっちが塩。よろしくな」


「塩だ!よろしく!」



そう言って自己紹介していく、まぁPT欄に書いてあるんだけどね。

というかその自己紹介変じゃね?いや、間違っちゃいないんだけどさ。


「私はサラって言います。よろしくお願いします。」



こうして俺たちの三人目のPTメンバーが、仲間になったのだった。







続きます

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