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ERROR CODE:2x001 ひとり

オリオン座のベテルギウスが超新星爆発するとか。ベテルギウスはリア充だったんですね。

この小説はこのあといろいろ盛り込むつもりで伏線を張りまくってます。そのせいで今はわかりづらいことになってますがご容赦を……

部屋のカーペットの上で大の字に寝転がる。


広い部屋。なにもないこの部屋にひとり。


懐かしい。人間の、男として一人暮らしした二年と少しの期間を思い出す。今はどうなっていることだろうか。

今や俺は男でも、人間でもなくなってしまった。心は人間の男のそれのままであるというのに。

今の身体には人間でない違和感はない。しかし、それ故に男でなくなった違和感ばかりが身体を包み込んでいるのだった。

諦めこそすれ、まだ捨てきれない自我と拭えない違和感は、いつなくなるのだろうか。


それは、俺がなくなるときなんだろうか?



………………………



あの二人にもらった荷物の中から、バッテリーを引っ張り出し、アダプターと繋ぎいで充電させておく。

もらったパソコンでも起動させようかと思ったが、まだインターネットが開通していないので思い留まった。

何もする事のない時間。


一風呂浴びようか、と思い立つ。やましい気持ちはない。

部屋に備え付けられた時計は9時を指していた。まだ大丈夫だろう。

脱衣所で服を脱ぐ。服はとりあえず隅に固めて置いておく。必要な物リストにカゴを追加。

石鹸も無いのでただ浴びるだけだ。そう言い聞かせてコックを捻ると、

「ひゃぁっ」

水だった。しばらくシャワーの先端を栓を抜いた湯船に向け、暖まるのを待つ。

さっき浴びた水の冷たさとは裏腹に、身体が火照る。

何だったんだ、今の声は……。一体誰の声なのかと訝しいが、自分以外にこの近くにいるわけではないので自分の声なのか。

俺は、どうしたんだ。


暖まったお湯はこの身体にも気持ちが良かった。濡れた長い髪がまとわりつく感触が鬱陶しいが、説明によるとうち何本かはセンサーらしいので迂闊に切れない。

男らしさの微塵もない身体を見下ろす。白い双丘が視界に飛び込み、主張する。

衝撃に強いとはいえ重要部品であるSSDとCPUの緩衝材として機能する都合上最小のサイズらしい。触れるととても柔らかかったが、鳥肌が立つかのような感触が走った。

感覚もあるとは、細かく作り込んであるものだ。本当に人間として暮らせるように考えてあるのだと少し感慨深くなる。


つい、考え込んでしまった。

湯冷めしてしまいそうだ。早く服を着てしまわなければ。

下着をつけ、ユニクロで買ったグレーのスエットを下だけ着る。暑いので上はTシャツだけ着ておく。

少し早いが、もう寝ることにする。

電気を消し、ベッドに入り込んで、寝た。初めての夜だった。


……………………


断続的に鳴り続く電子音で目が覚めた。

出どころを探すと、自分だった。そういえばヘッドセットを被るのを忘れていた。新生活初日だというのに、情けないことだ。

今日はやることが一杯ある。買い物、洗濯、勉強、慣れた一人暮らしとはいえ、またゼロからのスタートになる。

そんな時の電池切れとは、笑えない話もあるものだ。


時間は9時を過ぎたところだった。

早起きする習慣をつけないとな、などと考えつつ仕方なく腹のメンテナンスハッチを開き、予備バッテリーに繋いでいたACアダプターを一つ自分に刺す。

バッテリー交換中に停止するなんて漫画でもあり得ないオチは避けたい。

急速充電とはいえ96000mAhもあるバッテリーの充電には相当の時間がかかる。それまでの時間何をしようと部屋を見回すと未開封の箱が二つ。PCと携帯だ。

コードの長さが短いので手を伸ばして引き寄せる。

箱を開けて携帯から中身を取り出す。中身の一番上に武藤さんからのメモがあった。電話番号とメールアドレス、端末の暗証番号やプランが書かれている。定額プランになっているが、果たしてそれほど使うかどうか。

充電器はなかったのでパソコンの箱を引き寄せ、開封する。10インチの薄いモデルだ。メンテナンスハッチの隙間に入るんじゃないだろうか。でも入れたら身体が曲がらなくなるような気がしたので実際に入れるのはやめておいた。

パソコンを電源につなぎ、セットアップに取り掛かる。数十分苦戦したものの、なんとか基本設定は終えることができた。一度ヘッドセットを外し、一番大きな箱へ向かうと無線LANルーターを取り出す。取説が文字だらけでよくわからなかったので、それらしき穴にそれぞれのプラグを挿してみると、本体のランプが光った。

結局、ここでよくわからなくなって取説を開くことになった。自分が機械なのに機械に弱いなんていいお笑い種だ。


ふと、自嘲していたことに気付く。

男だったときと言うべきか、今まで自分が失態を犯したときに誰かに笑われるよりも早く自嘲する癖があったことを思い出す。

「やっぱり、俺は俺なんだ。」

小声で、しかし力をこめて、確かめるように呟く。

その声は、昨日からの新しい自分の声。

だけど、喋っている言葉は紛れもなく自分の言葉だった。

いつしか、時計は正午を指していた。

Windows Embedded Compactはホスト側にもゲスト側にもなれる便利な組み込み機器用OSです。

でも別の機械の操作は苦手?ぶっちゃけ無線LANルータの設定なんて慣れですよね。

主人公は電池切れるとぷっつりぶっ倒れます。意識もなくなります。残量表示なんて便利なものはありません。

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