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ブラック君主に仕えていた騎士が逃げ出して、可愛い嫁を貰って、君主たちに復讐する話  作者: 信礼智義


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11 講和の結び方と新領土の開発、そして新たな問題

毎日18時に投稿しています。お読みいただければありがたいです。

 さて、どうしようか、と俺は悩んでいた。兵は2万を引きいてきた。これ以上は国力から無理だった。あと、ワップ川を南下すれば敵の王都に着くまでに補給が尽きる。

 あとは現地調達しかないが、簡単にそれを許すとは思えない。

 俺なら焦土戦術をとって、敵を飢えさせる。

 とりあえず、現地から男女、老若を問わず2万の人員を集めた。更に10万の兵がいるように見せかけるため、テントを張らした。

 あとは相手の出方を見るしかあるまい、と思い情報収集に努めた。商人たちに金を渡し敵の情報を集めた。

 敵は兵の動員を進めているが、かなりゆっくりだった。

 あと、講和の使者が派遣されるそうだ。


 講和の使者たちがやってきた。

 外務卿と名乗る奴だったが、非常に態度が無礼だった。

 領土の割譲は拒否、賠償金もなし、捕虜は無条件で解放とか言ってきたので、話にならないと言って、一人を残して全員を首だけにした。一人は首を王都に戻すための要員として生かしておいた。


 しばらくしてまた、使者が来た。 

 一人は文官らしく、ブナンと言った。無視していたら側にいたブントと言う武官が、名乗らないのは礼儀知らずだと言ってきた。

 これは使えると思った。

 俺はもともと武官だし、外交経験もない。商人としていくらか働いただけだ。

 武人同士であれば苦手な腹の探り合いをしなくて済む、そう思い話に乗った。

 こちらの講和条件を言った。かなり厳しめの条件を提示したが、賠償金以外は丸呑みした。賠償金もかなり高めに言ったのだが、あちらから正直に話して減額を希望してきた。

 まあ、そのぐらいは妥協しようじゃないかと言えるレベルだったので、講和の約束をした。

 あと、今後の情報収集も考えその武人と知古となる約束を結んだ。

 俺はすぐにブラッカン王宮に連絡し、条約締結のための文官を送ってくれるように言った。

 あとは、文官同士で細かい書類を作成し、講和生薬は締結された。

 領土して得た北部地方は王の直轄地となった。ここは海に面していて、内陸国だったブラッカンに海への出口を開くことができた。

 また、塩も手に入るようになった。

 ベナムから塩田の技術者を招き、塩の生産を始めた。

 技術者曰く、塩の生産にかなり良い条件だったらしい。

 さらに海岸近くの砂漠から熱石が採掘できることが、俺の金属魔法でわかった。

 熱石は熱を貯めて置ける能力のある石で、火にくべておくと熱がたまり、煮炊きに仕える特性があった。今回塩田を作るにあたり、この熱石を利用すると、早く海水を塩に変えることができるようになった。

 塩は、山国であるブラッカンにとって生命線であり、他国にも輸出できる資源でもあるため、ブラッカンの収入源となった。

 ちなみに熱石も輸出品としてかなりの儲けを生み出した。

 北にそびえる大小氷山地にも資源がありそうだ。ブラッカン本土では、長年の採掘により鉱業資源の枯渇が心配されているが、その心配を解消する方法の一つになりそうだ。

 

 ギスカールとの講和も成立したため、交易も盛んにおこなうようになった。

 マーチャント・バイトは大忙しだった。すでにブラッカンの商工大臣に任命されており、この国の経済を動かす重鎮となっていた。


 農業政策の主流はやはり芋だった。ブラッカンの山間部で育つ芋は寒さにつよく、水の少ないところでも育つ特性があるため、この地域の特性に合っていた。

 イモはそのまま食用にしていいし、酒にすることもできる。イモの葉は家畜の飼料になる。とってもお得な作物だった。

 捕虜につた兵士たちはそのまま軍に残る者、辺境の土地をもらい農業を始める者、商売を始める者などがいた。

 そいつらは俺が連れてきた獣人族の女たちが妻になった。

 もともと人手が足りないので、男は大歓迎だ。そして夫を求めてきた獣人族の女にとってカモがネギしょってやってきたようなもので、次々と食われていった。あっ、ほんとに食べるのではなく性的に、と言うことだ。


 王都に戻ると、王太子の私室に呼び出され、そこでいきなりジャックが頭を下げてきた。

 「本当にすまない、北も西も解決してもらったのだが、すまないがまた問題が発生はした」

 「今度は何だ」と俺は誰もいないので、身内言葉で話した。

 「外務派閥の連中だ。奴らの半分は俺たちに鞍替えした。このままだとまずいと思ったのだろう。そいつらはこき使っているが、残り半分の連中だ」

 「何かやらかしたのか」

 「今の外務派閥の長はゴネール・ネバッティ子爵だ。お前が北と西の外交問題を解決したので、自分たちの存在意義が危ぶまれたのだろう。東のボルガランド王国との紛争を解決しようと勝手に出国したんだ」

 貴族が国を出るのは基本王の許可が必要だ。まして外交交渉には、王からの委任状が必要不可欠だ。

 彼らは当然そのようなものもなく、勝手に講和をまとめるつもりらしい。

 ジャックがどうしようか困惑した顔でどうしたものか相談してきた。

 

 「ベナム王に話を持っていく。とりあえずボルガランド王国には、無許可で出国して、全権委任状も発行していない旨伝えてくれ。おそらく偽造しているはずだ」

 「ベナム王に伝える?どういうことだ?」

 「ベナム王国の前王妃はボルガランド王国の王女だ。その伝手を使えば講和が成りやすい」「ブラッカンの再興は成し遂げつつある。でもそれはベナムからの資金、物資と人員の提供があったからだ。現在ブラッカン貴族の3分の1は元々ベナム貴族の血縁者だ。更にベナムに借りを作るはどうだろうか」

 「ジャック、俺がベナムの貴族位を持っているから言うわけではないが、ベナムはこの大陸で一番の強国だ。今は、ボロボロになったこの国を立て直し、力を蓄えよう。そのためにもベナムとの友好関係はとても重要だ」


 俺は言葉をつづけた。

 「今は国力がなく脅威としてとらえている北の蛮族だが、北の地を我が国が開発し、北の蛮族を我が国民として吸収すれば、いずれベナムと対等な国家となることもできるだろう。同じ蛮族の脅威にさらされているボルガランド王国は、豊かな国で、おそらく北方への領土拡大の意向はあるまい。しかし、北方での小競り合いは日常茶飯事だ。何とかしたいと考えていておかしくない。共通の敵があり、その脅威を我が国が取り除こうと言うのは講和のきっかけになりやすい」

 俺はお茶をすすり、一息ついた後、俺は思い切ってジャックに一つの提案をした。


 「ジャック、俺はお前に一つ提案したい」

 「なんだ」

 「お前独身だな」

 「そうだ。婚約者もいない」

 「じゃベナムの王家の女を妻にしろ」

 「こんな小国に嫁に来るか」

 「この講和の話を出したことで何らかの要求がなされるだろう。その際のこっちの手持ちのカードの一つだ」

 「わかった。お前の好きなようにしろ」

 「あと、もう一つ許可を得たいと考えている」

 「なんだ」

 「三国同盟だ」

 「三国同盟?」

 「ベナム、ブラッカン、ボルガランドによる北方の脅威に対する相互防衛同盟だ」

 「……」

 「北の蛮族を吸収するには、現在の我が国だけの戦力だけでは足りない。ボルガランドにも協力してもらう必要がある。また、ベナムに物資、人的な協力をしてもらう必要がある。その際にある程度の利益供与が必要だ。そのあたりを話し合う場としての三国同盟だ」

 「それは……」

 「いっだだろう、国力をつける。北の蛮族を併合し、国力を高める。そしていずれギスカール、ボルガランドを併合する。ベナムも我がものとする。そしてこの大陸最大の国家を建設する。そうしたらお前の子孫は皇帝を名乗り、ブラッカン帝国、いやプルターク帝国を建国する」

 「お前、狂ったか」

 「今は夢物語だ。だがお前と俺の二人がこの国を抑えたのだ。必ずできるぞ」と言って、ニヤリと笑った。


 「あと、もう一つ忘れてはならないのは前王家を完全に根絶やしにすることだ。将来どんな形で我々の障害になるか分からない」

 「それは同意だ。では、現王も」

 「この講和が成ったら消えてもらおう」

 「今王は軟禁して酒浸りにしている。まあ、声も出ない、女遊びもできないならそれしかないよな」

 「尿道を焼いて潰してしまおう。そうすれば尿毒症で死ぬ。自然死だ」

 「尿毒症は苦しいぞ」

 「逃げた王族にはもっと残酷な死をあたえよう。今回は楽な方だ」

 「お前、伯父やいとこを殺された恨みは忘れていないのだな」

 「当り前だ。俺はその復讐のために生きている」

 「復讐もいいが、家族がいるのだろ。そっちのことも考えろ」

 「わかっている」

 そう言って、俺は王の私室を出た。


 久しぶりの我が家だ。

 「ただいま帰ったよ」と言って、玄関を開けると、アリアとフィリアが迎えてくれた。

 「おかりなさい、あなた。ご無事で何よりです」「お帰りなさい。無事でよかった」と二人にこにこしながら迎えてくれたのだが、何か様子がおかしい。

 「アリア、お腹が大きくなったな。体調は大丈夫か」

 「ええ、大丈夫ですよ」アリアはそう言うと、ずいっと近づいてきた。

 「旦那様、新しい妻を迎えたのですか」凍るような声で言った。


 やばいやばい、ガチで怒っている。俺はすぐに謝った。

 「ごめんなさい、狼人族の族長の未亡人を妻にした。すぐに連絡しなければならなかったのですが、すぐに戦場に向かわなくてはならなくて、報告できなかった。本当に申し訳ない」

 おれは、両腕を二人に捕まれて、そのまま寝室に連れていかれた。

 「アリア、妊娠中だろ」

 「安定期なので大丈夫です。それよりも私たちのことを捨てるのではないかと不安なのです。確かめさせてください」

 そして俺たちは濃密な時間を過ごした。

 そのあと、汚れた身を清めるため、皆で風呂に入った。

 「その方に会わせてくださいね」「わたしも会いたい」と二人から言われたので、了承した。何とか機嫌を直すことができた。

 ちなみにその後、二回戦に突入した。


お読みいただきありがとうございました。ブックマーク、星等をいただければありがたいです。

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