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前世も異世界転移もありません!ただの子爵令嬢です!多分?  作者: 朱井笑美


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 馬車が王都に着くとリリベルは侯爵家ではなく、大神殿に送ってもらい大神官様達やマリィ姉ちゃんに、モバイル6世から聞いた話を報告した。


 野生馬は北の王子が北からスネイプニルに乗ってこの国に来たこと、北では聖女ではなく女神の花婿が選ばれることを伝えた。

 知られると、ちょっと面倒なことになりそうだった爺様の出生の秘密や野生馬が北の王族の血筋しか乗せないことは黙っておいた。


 ベルトラント様が子爵領でモテモテだったことも秘密にしといた。

 姉ちゃんの聖女の仕事に差し支える情報は言うべきではないなと思ったのだ。

 姉ちゃんには婆様が編んだ毛糸の腹巻きと爺様のリンゴを渡しておいた。ちなみにリリベルも色違いの腹巻きをもらった。温かそう、きっと王都の冬には重宝しそうだ。

 

 大神官様は野生馬がユニコーンの子孫じゃなかったことに残念そうではあったが、神殿の言い伝えをきちんと書き直してくれると約束してくれた。


 リリベルはその日は神殿に泊まったが、マリィ姉ちゃんから年末の公爵邸での集いの話を聞いている途中で眠ってしまったらしい。気付いたら朝だった。

 明日からまた学院が始まる。あっという間の冬休みだった。


 後日、伯父からカテリーナ様の命日に王家のお墓を訪問する許可を得たと連絡が来た。

 王家のお墓は王城の地下にあって、王家の親族と神官以外は立ち入り禁止となっている場所だ。

 オリベル王女の孫である伯父は問題無く許可がもらえるそうだ。


 カテリーナ様は寒い冬の夜に静かに息を引き取られたと聞いた。

 「今日は寒いから、しっかり毛布を重ねて眠るのよ」とベルトラント様とフィリップ様にも仰ったのが最後だったそうだ。


 伯父は毎年、カテリーナ様のお墓参りを欠かさないので直ぐに許可が下りるそうだが、さすがにカテリーナ様のお母上の棺桶は開けれないので、王子の形見の宝石は墓標にお供えする予定だそうだ。

 リリベルも伯父についてお墓参りに行くことにした。


 死者への祈りの言葉を捧げてもらう神官様と伯父と一緒に王城に到着するとライオット兄ちゃんが待っていた。

 王城内の王家のお墓なので近衛騎士が案内するらしい。

 伯父のお墓参りには、いつもライ兄が付き添ってくれるそうだ。


 4人で王城の地下にある王家のお墓の入口に着くと、ザック殿下と王太子ご夫妻とルト兄が待っていた。

 どういうこと?!と思っていると伯父もライ兄も聞いてなかったのか、少し驚いていた。

 

 王太子妃様が「リリベル嬢、王妃様があなたに耳打ちしたでしょう?北の王子と王妃は続いてた。しかも王子は最後を子爵領で迎えたと」うわーあの時の聞こえてたんだ!?スゴい地獄耳。

 でもリリベルは知らん顔しておく。だって王妃様は“王子が子爵領で最後を迎えた”とは言ってない。王子の肖像画があるんじゃないか?って仰っただけだ。

 王妃様も王太子妃様も推測で言っているのでは?


 きっと北の民の避難先が子爵領であることは知っているんだ。

 マラカス1世のせいだな。

 伯父も表情を顔に出さない。どころか何か冷気をまとってる?

 本気モードの伯父様初めて見たかも。

 引退しても筆頭だったんだものね。

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