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前世も異世界転移もありません!ただの子爵令嬢です!多分?  作者: 朱井笑美


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「ええ?皆とのワルツの後に殿下と2人でダンスを踊るのですか?まあいいですけど、皆の前で、抜き打ちリフトとか、挑まれるようなダンスは困りますよ」

「ああ納涼祭のような事はもうしない」

「なら良いですけど」

「これから少し練習しないか?明日も練習があると思うけど俺達のダンスは秘密にしておく方が面白いだろ?」

「そうですか?まあ寝るのには少し早いと思ってましたからいいですよ」


 アイザックとリリベルは男女の棟の間にある共有の庭園でダンスの振り付けを練習しながら、どんなワザやステップで踊るか話し合う。今回は楽団による演奏ではないから、殿下の急な無茶振りもないだろうと安心できる。

 1学年の時から殿下と踊ることが多かったせいか、やはり殿下のリードは踊りやすい。リリベルのクセもしっかり分かっているし、リリベルも殿下の動きが予測できる。

 だからお互い無茶するんだけど。でもやっぱりザック殿下と踊るのは、とても楽しい。


「あ、先輩!殿下と会長が庭園で踊られてますよ」

「本当だ!練習かな?でも本番では二人は踊る予定はないはずだけどね」

「でも二人共、楽しそうです」

「本当だ。二人はクラスも1学年から同じでパートナーを組む事も多かったと聞いているから息もピッタリだな」

「殿下は姉君と踊られるんですよね?会長はマレシオン様のパートナーかなと皆で言っておりましたが」


「多分そうだと…「侯爵令息!」

「あっシャーロット嬢!?」「しーっ!静かに」

「どうされましたか?」

「明日のダンスの練習の際にお願いがあります」

「はい?」


 翌朝、朝食後に盆ダンスを練習した後、ワルツを練習する事になっているが、俺は姉上と踊ることになっている。

 令息の中からマレシオン以外に2名、ダンスを踊る者が選ばれたが、誰が誰のパートナーになるかという話になった。

 マレシオンはきっとリリベル嬢を指名するのだろう。

 だがその前に提案をしなければとアイザックが考えていると


「マレシオン様!」「どうした?侯爵令息」

「はい。ワルツのパートナー決めなのですが、出来れば学院のテストの時のように上手な者と下手な者とのペアでお願いしたいんです」

「私もそれが良いと思いますわ。上手な方と組む方が自分も上手に見えますもの!」

 マレシオンが狼狽えている。

 俺がパートナー決めを提案しようと思っていたが、まさか彼らが言い出すとはな。さては昨日同様シャーロット嬢の差金か?


「皆がそのように言うのなら、そうしましょう。でしたら私がリリアン嬢と、侯爵令息は〜」

 パートナーが決まる頃、姉上が義兄上に付き添われ練習にいらっしゃった。

「姉上、体調は?」

「バッチリよ。元々、そろそろ安定期に入るところだったの。つわりも治ってきたから大丈夫」


「そう言えばドレスは大丈夫なのですか?」

「まだ体型も嫁いだ時と変わってないわ!持って来たドレスを試したら着れたわよ」

「それは良かった。じゃあ練習しよう」

「アイザック殿下、私達、夫婦も加わっても?」

「そうか宰相補佐官殿も踊れるか」

 フィリップ、ガブリエラ夫妻も加わる事になった。


 当日は子爵外交官夫妻も加わる事になっている。

 ペアが増えると華やかになる。西のワルツも南の人達に楽しんでもらえると良いな。


 午後からはお土産を見に皆で買い物に出た。

 明日から盆ダンス大会が開催されるので、王都の街中は凄い人出らしいので、隣町の繁華街に連れて行ってもらった。

 こちらも王都に宿を取れなかった人で賑わっているそうだが、日中は盆ダンスの練習で広場に集まるらしく繁華街は空いているそうだ。

 夕飯時になると人が戻って来るので、それまでの間に買い物を済ませるようにと言われ皆で買い物に向かう。

 リリベルはガブリエラ様とライオット兄、エリオット様の従兄弟チームで行動する事になった。エリオット様がたまには従兄弟同士でとゴリ押ししたのだ。

 確かに親戚だけで行動するのは初めてだ。集合場所と時間を決めて皆、解散した。

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