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南の王都の街中を観光した一行は、南の美術館や博物館なども見学して、高校の皆様とお別れする事になった。
別れ際に、我々の帰国日の2日前に、この国の夏の大イベント、盆ダンス大会があるので、ぜひ見て帰るとよいと教えてくれた。
盆ダンスは代表者や代表チームが踊るものから、全員で参加できるものもあって、南では一番盛り上がる夏のイベントらしい。
ふんどしの端に名前を入れて、意中の人に気付いてもらう告白もこの時期ならではだそうだ。
国民の多くも普段はユカタを着ないが、このイベント時期だけは皆がユカタを着るのだそうだ。
「へ〜下履きの端に名前を書いて告白って、シャイな人向けですよね?」
「確かに。女性側も気付いても相手を好きじゃなければ、スルーしとけばいいから振る必要も無いし」
「でも上手く名前の部分だけ見せれるかなぁ?」
「たくさん書いとけば?」
「色んな人の名前を?」「そんな訳ないだろー!!」
皆、盛り上がって楽しそうだ。
だが西の令息達はやる機会はまず無いだろう。
西でもユカタを着る気か?それで下履き見せたら変態で逮捕されるかもだな。
やはりこれは持ち出せない南の文化だ。
お城に帰ると王女殿下がリリベルを待っていて、見つかった瞬間ホールドされた。うん。多分そうなるかなって少し予測はしていたよ。
しかし本当にビーバーちゃんが大好きなんだね。
夕食の前に姉が訪問して来た。
ご主人と息子は置いて来たそうで、我々女性陣に用があったそうだ。
何かと思ったら、いきなりガブリエラ様のサイズを計り出した。
「ララベル夫人?」
「ガブリエラ姉様!ジッとして。今は新婚だろうけど、これは今後必要になるわ」
姉ちゃんが持って来た大きなカバンから色とりどりの何かを出してくる。
もしやこれは!「下着ですか?お姉様」
「そうよっ!リリ。オシャレは下着からなのよ!そしてっ」
ビシッとガブリエラ様は姉に指を差される。
「結婚した後も恋愛はお終いじゃないわ!夫との仲を維持する為にも必要よ!さあどれにしましょ。どうせガブリエラ姉様は、ダッサイ下着を身に付けているんでしょう?」
姉はカバンを広げカラフルな下着達を漁り出した。
リリベルは恐る恐る「姉ちゃん?姉ちゃんのお胸は…」
確かこの人は伯母達に散々、抉れ胸だの盆地胸だのと悪口を言われていたのだ。
抉れた胸にこれらは要らないのでは…
「リリ!よくぞ聞いてくれました!伯母達からお胸が盆地と言われて早7年!いつかこの屈辱を晴らしてやろうと思って、姉ちゃんは頑張ったの!」
お胸って頑張ってどうにかなるの?
「リリベル!今、お胸は努力でどうにかなるのか?って思ったでしょ!」
まさかの姉に心を読まれた!姉さん恐るべし!
「これは見た方が早いわ!姉ちゃんのお胸をさあ見てご覧なさい!」
大丈夫なのか?!と思ったが、ブラウスをはだけた姉の胸はレースが可愛いピンクの下着に守られ、美しくこんもり盛り上がっていた。
「おー!!」パチパチと拍手をする王女殿下。
お姉様、抉れた部分をどうやって埋め立てたの?!
◇◆◇◆
「なあ、陛下?マスオは大丈夫?逃げてない?」
「さあ、どうだろうな」「どうやって帰るの!?」
「ハハハ大丈夫だよ。ちゃんと行き先告げて来たから、帰りが遅いと思ったら迎えが来るさ」マジか…。
「野菜で誘き出せば、直ぐに出て来るんじゃないか?」
「だって」“だって”じゃねーし!!
「ねえ陛下、マスオも南の国の名前なんじゃないですか?」
婆様!話題を広げるな!もう帰りたい。
「ああ。南では嫁の実家に婿に入る夫の事をマスオさんと言うらしい」
「まあ、それも南の探検家の方からお聞きになったの?」
「そうだ。彼も婿に入ったクチだからな。周囲からマスオさんと言われるのも嫌で冒険に出たらしいぞ」
「まあ。この国では婿に入るのは普通の事なのに」
「この国のように共同爵位とはならないからだろう。婿、嫁のどっちが爵位を名乗ってもいいのは珍しいかもな」
「私の母は父に爵位を押し付けられたと申しておりましたわ。今は妹が継いでいるようですし。確かに私の実家の男共はクソでしたわ!爺様の事も〜」
また始まった…この話は長い。
そろそろ抜けてもいいだろうか?ナル!父さんを呼びに来てくれっ!!




