サツキのランク
桜花学園は、一学年につき五クラスあり、一クラスは三十人ほどで構成されている。
何を基準に僕のランクが決められたのかはわからない。
けれど、端末に表示された僕のランクは――。
サツキ・オウトモ。二百人中、一九五位。
……ほぼ最下位じゃないか。
やっぱり、僕の異能がまだ判明していないから、この評価なのだろうか。
自分のランクを眺めていると、その下に今日の対戦相手が表示されていることに気づいた。
「僕の今日の相手は……っと。え?」
表示されていた名前を見て、思わず声が出た。
ガトー・ステ。
今日のランク戦で、僕が戦う相手はガトーだった。
まさか、同じクラスの生徒と当たるなんて。
僕は端末で対戦相手を確認すると、そのまま授業を受けた。
そして、昼休み。
昼食を食べようとしていた僕のもとに、勢いよく教室のドアを開けて入ってくる人物がいた。
「おい、サツキ。ちょっとつきあえや」
ガトーだった。
ガトーは僕にそう言うと、返事を待たずに歩き出した。
……ついていくのも怖いけど、断ったら断ったで何をされるかわからない。
僕は仕方なく、ガトーの後を追った。
連れてこられた場所は、屋上だった。
「少し話そうや、サツキ」
ガトーはそう言うと、地面にどっかりと腰を下ろした。
「は、話そうって……何を?」
「お前、端末ってやつを見ただろ?」
「う、うん」
「俺もあとから担任に端末を渡されてな。今日の対戦相手がお前だとわかったから、少し話しておこうと思ったんだよ」
ガトーはそう言って、僕を見上げた。
僕はガトーの前に立ったまま、どうすればいいのか迷っていた。
「何、突っ立ってんだよ。お前も座れ」
「わ、わかった」
僕は言われるまま、ガトーの前に腰を下ろした。
すると、ガトーは本題に入った。
「俺はランク戦なんざ、これっぽっちもやる気がねぇ」
ガトーは面倒くさそうに言ったあと、僕の顔をじっと見つめた。
「だが、お前には多少興味がある。だから、今回のランク戦はお前に勝ちを譲ってやってもいい」
「えっ?」
思わず聞き返してしまった。
勝ちを譲る?どうして、そんなことをするんだ?
「その代わり、俺の手伝いをしてほしいんだよ」
……ガトーの手伝い?
いったい、何をさせられるんだろう。
正直、あまり関わりたくない相手だ。
だけど、話を聞くだけなら問題ないはず。
「あ、あの……手伝いって、何をすればいいの?」
「その前に、一つ聞かせろ。俺が以前、異獣討伐の任務に出たことは知っているか?」
「いや、知らないよ。僕、しばらくミヤ先輩と訓練していたから」
六本腕の異獣を討伐してから、僕は任務に呼ばれない日々を過ごしていた。
その間、放課後はずっとミヤ先輩と訓練していたため、ほかの生徒がいつ、どんな任務に出ていたのかはほとんど知らない。
「そうか。なら、話してやる」
ガトーの表情が、わずかに変わった。
「俺のグループの奴らが、前の任務でどうなったのかをな――」
ガトーは静かに語り始めた。
自分の仲間たちに何が起きたのかを。




