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最弱の僕が、君の隣に立つまで  作者: アークマ


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異獣討伐

 異獣が出現すると予測された場所に到着した直後、街中に警報が鳴り響いた。


『裂界より異獣の発生を感知しました。住民の皆さんは、速やかに避難所へ避難してください』


 警報を聞いた僕は、地図を広げて裂界の裂け目がある方向を確認する。

 僕たち生徒は、被害を最小限に抑えるため、基本的に二人一組で行動することになっていた。

 今回は弱い異獣が多数発生するという予測だ。そのため、まずは各自で周囲の異獣を討伐し、最後に裂け目付近で標的の異獣を討伐する際に合流する手はずになっている。

 住民たちが避難所へ向かうのを確認しながら、僕は目の前に現れた異獣へと剣を構えた。


「僕だって、弱いやつなら何体か倒せる!」


 ゴブリンに似た姿をした異獣が、こちらに向かって飛びかかってくる。

 僕はその攻撃をかわし、剣を振り下ろした。

 異獣の身体が地面に倒れる。この程度の相手なら、異能を使わなくても戦える。

 ……まあ、強い異獣が相手になると話は別だけど。


「サツキ。無茶してない?」


 不意に声をかけられ、僕は振り返った。


「このくらい大丈夫ですよ。ミヤ先輩」


 そこにいたのは、ミヤ先輩だった。

 ミヤ先輩は片手を掲げる。すると、その手の中に光が集まり、一振りの剣が形作られた。

 次の瞬間、ミヤ先輩は僕の横を駆け抜け、迫っていた異獣たちを一瞬で斬り伏せた。


「こんな奴らに、いつまでも時間を取られてちゃ駄目よ。今回の標的を討伐するわよ」

「はい!」


 僕はミヤ先輩の後を追い、裂け目のある方向へと走り出した。

 そして、僕たちはついに標的の異獣を発見した。

 六本の腕。それぞれの手には、剣や斧のような武器が握られている。

 異様な姿の異獣は、こちらを見下ろすようにして立っていた。


「下がってて、サツキ。私がやるから」


 ミヤ先輩は剣を構え、一直線に異獣へと斬りかかった。


「はぁぁぁぁ!」


 鋭い斬撃が異獣の腕に直撃する。

 しかし――。


「っ!?」


 刃は、異獣の腕を斬り裂くことができなかった。

 それどころか、ミヤ先輩の異能で作られた剣が弾き飛ばされる。


「ガァァァァッ!」


 異獣が吠えた。次の瞬間、その拳がミヤ先輩の腹部に叩き込まれた。


「うぐっ!」


 ミヤ先輩の身体が宙を舞い、勢いよく壁へと激突する。


「ミヤ先輩!」


 助けに行こうとした僕は、異獣の足元にうずくまる人影を見つけた。


「あ、あぁ……」


 あれは……セランか?

 あいつのことは好きじゃない。だけど、だからといって見殺しにするわけにはいかない。

 問題は、どうやって助けるかだ。

 僕が持っているのは、普通の剣だけ。異能だって使えない。

 このままじゃ、二人とも――。どうすればいい?

 焦る僕の視界に、地面へ突き刺さった一本の剣が映った。

 ミヤ先輩が使っていた、異能の剣だ。


 ……待てよ。どうしてだろう。

 あの剣を見た瞬間、僕の中で何かが反応した。

 使える。理由なんてわからない。

 だけど、なぜか確信できた。僕なら、あの剣を使える。

 僕は地面に突き刺さった剣を引き抜き、六本腕の異獣へと駆け出した。


「せやぁぁぁ!」


 そして、異能の剣を思いきり振り下ろす。


「ギャアアアッ!」


 刃が、異獣の片足を斬り裂いた。

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