↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱の僕が、君の隣に立つまで  作者: アークマ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/11

ミヤ先輩との訓練

 僕はミヤ先輩に向かって剣を振るった。

 しかし、ミヤ先輩は身体をわずかに横へずらし、僕の攻撃を簡単にかわす。


「まだまだね」

「くっ……!」


 次の瞬間、ミヤ先輩の異能の剣が僕の首元でぴたりと止まった。

 あと少しでも動いていたら、僕は斬られていたかもしれない。


「今の攻撃も動きが単純よ。相手がどう動くのか、もっと考えなさい」

「は、はい!」


 ミヤ先輩は剣を引くと、再び構えた。

 僕も負けじと剣を構え、何度もミヤ先輩に挑み続けた。けれど、攻撃は一度も届かない。

 反対に、ミヤ先輩は僕の攻撃を避けるたび、異能の剣を寸前で止めてくる。

 何十回と繰り返した頃には、僕の息はすっかり上がっていた。

 そんな僕の様子を見かねたのか、ミヤ先輩はようやく剣を収めた。


「ミ、ミヤ先輩?」

「……少し休憩しましょう」


 ミヤ先輩はそう言うと、訓練場を出ていった。

 僕は訓練場の壁を背にして座り、荒くなった呼吸を整える。

 しばらくすると、ミヤ先輩が飲み物を二本持って戻ってきた。


「はい、サツキ」

「あ、ありがとうございます。飲み物まで買ってきてもらって、すみません」

「気にしないで。私は頑張っている人は好きだから」


 ミヤ先輩は微笑みながら、僕に飲み物を差し出した。


「サツキは私相手によく食らいついているわ。訓練のしがいがあるもの」


 そう言うと、ミヤ先輩は首にかけていたタオルで汗を拭き、飲み物を口にした。

 やっぱり、ミヤ先輩には頭が上がらない。


「ミヤ先輩は忙しいのに、僕の訓練に何度も付き合ってくれるので……」

「バカね。忙しいって言っても、異獣討伐の任務は生徒たちで分担しているじゃない。私より強い人だって何人もいるわ」


 確かに、ミヤ先輩の言う通りだった。

 学園では、異獣討伐の任務が生徒たちに割り振られている。できるだけ犠牲者を出さないよう、生徒たちの実力も考慮して編成されるのだ。

 僕もミヤ先輩と別々の任務になることはあるけれど、基本的には一緒に行動することが多い。


「私だって、まだまだよ。でも、サツキみたいな子を見ていると、どうしても応援したくなるの」

「ミヤ先輩……」

「だから、これは私が好きでやっていること。あまり気を使わなくてもいいわ」


 ミヤ先輩はそう言って、優しく笑った。

 それでも、やっぱり申し訳ない気持ちはある。

 いつか必ず強くなって、ミヤ先輩に恩返しをしたい。

 そんなことを考えていると、突然、訓練場に放送が響き渡った。


『異獣の反応を感知しました。対象の生徒は、至急、職員室へ集合してください』

「呼び出しね。それじゃ、サツキ。また後で」

「はい!」


 僕たちは飲み物を片付け、訓練場を後にした。

 ミヤ先輩と別れた僕は、そのまま職員室へ向かう。

 職員室に到着すると、担当教師の前に四人の生徒が集まっていた。

 その中には、セラン・マカランの姿もあった。


「よぉ、無能。お前も来たのか」

「セラン。何度も言っているけど、僕は無能じゃないよ」

「へっ。どうだかな」


 セランは鼻で笑った。

 言い返したい気持ちはあったけれど、今は異獣討伐の任務が優先だ。

 僕たちのやり取りを見ていた担当教師が、パンパンッと手を叩いた。


「お前ら、静かにしろ。これから任務について説明する」


 教師の一言で、僕たちは口を閉じた。


「先ほど、この付近で異獣の反応が確認された。お前たちには、これから現場へ向かい、異獣の討伐にあたってもらう」


 教師は地図を広げ、目的地を指し示した。

 僕たちは説明を受けると、職員室を出て、指定された場所へ向かうことになった。

 異獣は、烈界と呼ばれる場所から現れる。

 その出現を事前に予測することは難しく、これまでは異獣が現れてから対応することも多かった。

 しかし、桜花学園には、烈界から現れる異獣の気配を感知できる異能使いがいる。

 そのおかげで、今では異獣が現れる場所をある程度特定し、先回りして討伐に向かうこともできるようになったのだ。

 もちろん、必ずしもすべての異獣を事前に発見できるわけではない。

 それでも、その異能が多くの人々を救っていることは間違いなかった。


「……今度こそ、少しでも役に立たないと」


 僕は小さくつぶやき、拳を握りしめた。

 ミヤ先輩に鍛えてもらっているのに、いつまでも守られてばかりではいられない。

 今度の任務では、少しでも成長した姿を見せたい。


 そう決意しながら、僕は異獣の出現地点へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。