7章―08
◇
「ネル、寝る前に良いかな?」
邸に帰ってきてからのティムはいつも通りだった。
「えぇ」
それは私の気持ちが伝わったからそうなのか、伝わってないからなのか……。
ソファの上で居ずまいを直す。
今までよく、メリッサの選んだ肌着の上にローブを着ただけの格好でいわれたわね。
今は少し恥ずかしく感じる。
ローブの下は、別荘で着ていたような身体のラインがよく分かる肌着なのだ。
「殿下と少し話したんだ」
何について?
唐突な出だしに、首を傾げる。
「殿下はネルは俺を特別だと思っているって言ったんだけど、あってる?」
ミーズロー殿下! ちょっとお節介ですけど、想いを伝えられそうもないと思って、そう言ったのかしら?!
「そ、そうね……」
どんな顔をしたら良いのか分からず、目を反らした。
自分の心臓がドクドクと速くなる。
「そっか。ねぇ、ネル」
ティムはそう言って身動ぎする音がした。
ティムはベッドにいて、私はソファにいる。だから、距離があるわ。
大丈夫、落ち着くのよ、ネル。ティムは狼なんかじゃないんだから……あら?ティムが狼じゃない場合、それはそれで男らしくないと言うか……。
いいえ、でも耐性がないから狼じゃない方が良いに決まってるじゃない。




