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ネル嬢のおいしい契約結婚  作者: 間波 結衣実


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7章―06

「……それはベアトリス様だから?」


「違いますわよ」


 ベアトリス限定でだったら、私が彼女を苛めてるみたいじゃない。


「えっと……そんな風に言われたら勘違いしそう」


 赤い顔をティムは腕で隠した。


 いっそ勘違いを事実だと思って欲しい!


「それじゃ」


「あっ、ティム。お昼を届けに来たんですの。これ……」


 木の籠を渡すと、ティムは私を見た。


 ティムのコバルトブルーの瞳に私が映っている。


「有り難う、ネル」


 柔らかい笑顔を見せ、ティムは戻って行った。


 元の場所にベアトリスの姿はなく、もう一人の騎士の姿があるだけだった。


 ……そうなのね。


 ミゲルさんの言う通り、私はティムが好き。


 誰かの瞳に、自分の姿が映る。


 これだけの事で、こんなに胸が高鳴るだなんて知らなかった。

 

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