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7章―05
ベアトリスがティムに触れるのも、近いのも嫌だと感じる。もっというなら話かけて欲しくない。
もう一度、噴水の向こうに目をやる。
ティムがベアトリスの髪を触っていた。
"自分しか見て欲しくないなら本人に言えば良いんだ"
「ティム!」
大股に足を捌いて三人に近く。
淑女の礼をとり、騎士の方とベアトリスに笑みを向けた。
「主人に用がありまして、少しお借りしても良いでしょうか?」
「あぁ、構わないよ」
許可が下りたので、私はティムの手を引く。
ベアトリスは何か言いたげだったけど、私はそれに気づかないふりをした。
コツコツと、靴の音がやけに耳に響く気がする。
「あ、あの! 用って……」
「ベアトリスにどうして触れていたんですか?」
「え?」
振り返りティムを見る。
目を丸くてしたティムにもう一度同じ事を言う。
「どうしてベアトリスに触れてらしたの」
「……虫が止まったから」
……流石の理由。もう脱力してしまうわ。
「……例えそうであっても、今度からは触れないで頂戴」
"私だけを見て!"なんて死んでも言えない。




