7章―01
私のせいなんでしょうけど、あれからティムは目を合わせてくれない。
男の人と付き合った事がないから、男女のあれこれみたいなのがない方が楽だと思った。
だけど、ティムの事は嫌いではないし、一緒にいると気が楽だから、私はここでの生活は悪くなかったのに……。
ティムと目が合わないだけで、居心地が悪いわ。
……目を閉じてアラン様を思い浮かべても、いまいち気分が高ぶらないわね。
私が描いた絵を見てもキュンとしないわ。
「ふぅ」
スッキリしない気分ね。
こんな時誰かに相談できたら……。
ふと、ティムが師匠になり得ると言った顔が思い浮かんだ。
ティムはモテるって言っていたわ。
きっと、恋愛経験だって豊富よね?
もしかすると、彼ならこのモヤモヤの正体が分かったりするんじゃ……。
コンッコンッ
ちょうどその時、ノックの音がして返事をするとトリスとメリッサが顔を出した。
珍しい組み合わせね。
「実は、ティム様にお昼をお渡し忘れてしまいまして、お手を煩わせて申し訳ないのですが、若奥様にお届け願えましたらと……」
トリスが頭を下げてそう言う。
「お昼を届けに行かれるのはとても新妻らしくて良いかと」
メリッサ、わざとじゃないでしょうね。
「……分かりましたわ。久しぶりの登城ですものね。そんな事もあるわね」
ソファから立ち上がると、メリッサが髪とドレスの裾を直してくれた。
この格好でも良いわよね?
お昼を届けるだけだもの。
「ティムのところに行く前に寄って欲しい場所がありますわ」
髪を靡かせそう言うと、メリッサもトリスも了解を示すために頭を下げた。
セバスとメリッサを伴って邸を出発する。
ティムのお昼が入った木の籠を側に置く。
ティムは目を合わせてくれるかしら……。




