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6章―08
◇
「本当に私が好きなんですの?」
邸への帰り道。
不快感の正体が分かり、ネルにどう思っているのか聞いた返答がこれだった。
俺は勇気を更に振り絞って頷く。
「殿下ではなく?」
「……え?」
どういうこと?!
「え?なんで??」
謎だ……謎すぎる。
「ティムが殿下を慕っていると言ったから……」
いや、赤面してるけど、そんな理由で……。
「確かに言ったけど、殿下の事は主として慕っているのであって、そういう意味じゃ……」
なんでそんな勘違いするかな?!
「そうなんですのね。ティムは昔から殿下の事ばかり話をしていましたし、兎に角、誰でも良いから結婚して早く殿下の側に行きたいみたいでしたから」
……。
「誰でも……」
「あら、違いますの?」
そうなのかな?
「……俺が女の人からも逃げたのは、女の人が怖いからなんだ。女の人は、裏表あって、裏で何を言っているか分からないから……」
親しいように見せて平気で影口を叩くのが怖い。
「でもネルはそんな事ないだろ?ストレート過ぎる言葉で人を傷つけてしまう事もあるけど、裏なんてないし、根は優しい。……断られる覚悟で、あの時俺は話したよ」
ネルなら一緒にいても大丈夫だと思った。




