72/93
6章―07
「いえ、結構です!」
即答ね。
「それでは殿下、お先に失礼します」
そう言って私の手をとる。
「あぁ」
殿下はそう言うと「今日は剣の稽古でもつけてやろうか?」と子供達に言い、男の子達のはしゃいぐ声が背後から聞こえる。
「キャロラインちゃん、またね!」
「はい……」
すれ違いざまにそう挨拶する。
ティムは鈍いから、彼女が今にも泣きそうな事になんか気づいてないんだわ。
でも、教えてあげる気にならなくて、黙ってティムに手を引かれて建物の外へ。
ティムはくるりと体を私に向けた。
「帰ろうか」
「えぇ」
わざわざ離すのもおかしいから、人目が多くなるまで私達は手を繋いで歩いた。
ティムの手は当たり前たけど、私よりも大きかった。




