6章―06
子供達が騒ぎ出したけど、殿下は否定もせず、微笑んでいるだけ。
私が否定するのも殿下にとったら失礼な話でしょうから、どうしたものかしら……。
「だ、ダメだから!」
え?
珍しく声を張った本人であるティムは頬を染めてこちらを見ている。
「綺麗な二人が並んでてお似合いなのは分かるけど……そ、その人は俺の奥さんだから、ダメ……です……」
何を子供相手に赤い顔で言っているのよ。
お陰で私まで顔が熱くなってしまったじゃない。
「だ、そうだ。ティムは、ネル嬢が好きだから弁えると良い」
子供達は"好き"の言葉に反応してはしゃぎだし、ティムを突っつく。
子供に"弁える"と言うのは変だわとキャロラインを見ると、悲しげな顔で俯いていた。
私は視線を反らした。
殿下は彼女に言ったのね。
ティムに純粋に想いを寄せていたでしょうに。
彼を見ると、まだ顔の赤い彼と目があった。
「ほらぁ」
先ほどの女の子がティムを急かす。
「うん……えっと、ちょっと二人で出ようか」
ティムは私に近づき、もじもじとそう言った。
「そんなんじゃダメよ。デートに行こうって言うのよ!」
「えぇ?! 無理だよ!」
何で妻をデートに誘うのが、無理なのよ。
「ま、二人で話す事だな。部屋が必要なら院長に頼んでやろうか?」
いつの間にかすぐ側に殿下がいて、腕を組んで提案する。




