6章―04
「いいえ。私も、少し言い方がきつかったわね。ごめんなさい」
私の言葉が終わるか終わらないかのうちに、彼女の顔がパッと明るくなった。
キャロラインは一点の曇りもない笑みを私に返す。
その屈託のない輝きに、私は思わず目を細めた。
「ねぇ、お姉ちゃんもバビューン!ってできる?」
え? 何と仰って?
男の子に手を引かれるけど、よく分からない。
「こら、ネル様に抱っこしてグルグルなんてお願いしないの!」
パティオではティムが、子供の脇を持ってグルグルと高速で回っている。
成る程。あれがバビューン!ね。
「普通のグルグルならしてあげますわ」
「ネル様っ!」
キャロラインは意外そうに目をぱちくりさせている。
「言っておきますけど、とてもゆっくりよ」
「わーい!」
私もティムのお父様、今は義父様ですけど、彼にしてもらった事があるわ。
……意外と重いわね。
それでも男の子はキャッキャッと楽しそうな声を出していた。
「わたしもして~」
子供達がわらわらと私を囲む。
「順番にお並びなさい」
「「はーい」」
ふふ、素直ね。
「あっ、ブライアン! ブライアンはこっち。もう重いからネルにお願いしてはダメ!」
ティムが、私のドレスにしがみつこうとしていた男の子を、ひょいと抱え上げた。
「ティム……」
私が声を出すより早く、ティムがその子を自分の腕の中へと回収する。




