4章―07
「やっぱり!奇遇ですね♪」
ニコッと彼女はティムに微笑んだ。
「キャロラインちゃん!」
その名前……。
ティムに手紙を書いたのはこの人ね。
ふわふわの栗毛色の髪にスカーフをした彼女は、クリッとした瞳が愛らしく、私とは違い背も高くなく、女の子の"可愛い"を集めたみたいな見た目だわ。
「あら?この方が噂の奥様ですね!噂通り綺麗な方じゃないですかぁ」
ツンツンと親しげに彼女はティムをつつく。
いやぁと笑っているけど、本当に仲が良さそうじゃない。
「お使い?」
「はい、近くに届け物を……あっ、ここは少し寄り道なんです。内緒にしてくださいね」
しーっと唇に指をあてる姿も愛らしいこと。
「あんまり寄り道したらダメだよ」
「はぁい」
素直にそう言いながらティムのフライに目を止めている。
「これはあの店で買ったんだけど、キャロラインちゃんも食べる?」
「良いんですか?嬉しいです」
人の好意に素直に甘えられるなんて、本当、可愛いのね。
私とはまるで違うわ。
「ネル、ちょっとこれ持ってて」
そう言うと、ティムはお店に向かって走って行った。
……ところで、何故、私がティムの食べ掛けのフライを持っていないといけないかしら?
「ティム様から、結婚相手が見つからないって聞いてたのに、すぐ結婚されたのでびっくりしました」
彼女はティムの消えた方に目を向けている。




